天皇杯 JFA 第104回全日本サッカー選手権大会 ラウンド16、JIT リサイクルインク スタジアムでヴァンフォーレ甲府と対戦した。
これが天皇杯では3年連続の対戦となる甲府とのゲーム。前々回大会は準決勝、そして前回大会は3回戦で負けているだけにアントラーズのエンブレムを胸にするもの全員が、「必勝」の思いで戦いに臨んだ。
リーグ戦の合間の連戦ということで、ポポヴィッチ監督は18人のメンバーこそ変更しなかったものの、須貝、ミロサヴリェヴィッチ、樋口、藤井、そして田川と5選手を新たに先発メンバーとしてピッチへ送り出した。
このメンバー変更の影響もあったのか、前半は徐々に甲府からボールを保持される時間が増えていく。そして29分、三平のポストプレーからサイドへと展開され、最後はエリア内でフリーとなった三沢にヘディングで決められる。完全に相手から主導権を握られる形で、先制を許した。
3年連続の負けは決して許されないアントラーズは前半アディショナルタイムに意地を見せる。クリアボールが流れると、これに藤井が猛ダッシュを見せる。相手選手との競り合いからボールを奪うと、GK渋谷の股を抜く技ありシュートを決めた。
この藤井のスピードと個人技の合わせ技で、アントラーズはなんとか前半のうちに同点とし、後半へ臨むことができた。その後半は優磨、名古が開始からピッチに立ち、チームに活力を与える。だが、甲府の粘り強さに決定機を作れないなか、77分には柴崎がピッチに投入された。
この柴崎、さらに79分の仲間、83分の安西の投入で、甲府を押し込む時間帯が増えていく。そして89分、右CKから柴崎がゴール前へ精度の高いボールを送ると、中央から植田が強烈なヘディング弾を放ち、ついに激闘へ終止符を打った。
これで天皇杯では3試合連続となる2-1というスコアで、甲府に雪辱を果たしたアントラーズ。準々決勝へと駒を進めた。次なる相手は、神戸。彼らにも、また返さなければならない借りがある。また、ひとつになって戦おう。
【この試合のトピックス】
・田川がアントラーズで公式戦初先発。



A.苦しい試合になることは予想していた。
ただ、最後はしっかりと勝ち切って、次に進めたことがすべて。しっかりとリカバリーをして、次の試合へ向かっていきたい。
このような夏場の試合、連戦で何人か選手を入れ替えた。出場機会が少なかった選手たちのプレーは悪くなかった。アントラーズの一員としてどうあるべきかという姿をピッチの上で見せてくれた。
Q.苦しい時間帯が続いた前半だった。ハーフタイムにはどのようなこと選手たちに伝えた?
A.前半の反省点は、守備のところで中盤の選手たちがいい距離感を保てなかった。相手が中盤に5人いるなかで、我々は4枚。そこで我々のサイドハーフがどちらもサイドに開いてしまうと、2人のボランチでカバーするのは難しくなる。スライドと中に絞ることがうまくいかなかった。
そういった意味では、後半は、智也とモロのところの修正はできていたし、前から行くところも前半よりできていた。
復帰後初めて45分プレーをしたライコや加入後初めて45分プレーをした亨介がいた中で、その2人が気持ちよくプレーをできるように周りがサポートするという意識を見せてくれたことは非常に良かった。連係の部分では反省はあるが、これからもっと良くしていく。
前半はいい時間帯があって、鹿島を困らせることができていた。ただ、前半終了間際と後半終了間際で失点してしまった。私の未熟さだった。
鹿島の強さを受けてどう感じるか。天皇杯は終わってしまったが、我々にはリーグ戦とルヴァンカップがある。下を向くことなく、この悔しさを良い方向に向けてやっていけるようにしていく。
自分の特長を活かしていけと監督からも言われている。自分の最大限のプレーをしていく。一番前のポジションなので、どんどん相手DFの裏を狙っていく。そして、得点をとることが仕事だと思う。そのほかのアシストや守備の部分でも、貢献していきたい。まずはチームのために走って、貢献していきたいという気持ちが強い。
天皇杯はリーグ戦と同じく、集中力を少しでも切らしてしまうと、足元をすくわれてしまう。全員が集中して試合に入って、試合開始からアグレッシブにプレーをしていけば、自分たちのペースがつかめると思うので、集中力を高めてやっていきたい。
【須貝 英大】
初めてアントラーズの選手として、古巣と対戦するので個人的には楽しみな試合。
甲府は手ごわい相手。モチベーション高く、挑んでいると思う。僕が甲府にいたときも、アントラーズが相手ということで、普段以上に気合が入っていた。立ち位置などを含めて、相手からすると、アントラーズはそういうチームだと思う。だからこそ、受け身になることなく、ゲームの入りから自分たちのプレーや強度を前面に出していくことが大事になってくる。
ここ数試合勝つことができていないが、いい流れをつかむことはできていると感じている。相手も死ぬ気で向かってくると思うので、常にチャレンジしていく。
去年、ここでPK戦で負けた悔しさは誰一人忘れていなかった。ここで当たるというところは試されていると思っていた。1失点してしまったことは、非常に悔いが残っている。あの失点で、試合を難しくしてしまった。そこは反省するところ。ただ、勝ちきることができたのは良かったと思う。
ピッチ内で、これ以上の失点はなくそうと話していたし、前半のうちに追いつくことを考えて戦っていた。最後の最後で追いつくことができたからこそ、後半もゲームを進めやすくなった。
岳君が入ってきて、セットプレーのタイミングや入る場所は確認していた。話していた通りに蹴ってくれたので、僕は話した通りに入っていくだけだった。信じあえたからこそ生まれたゴールだったと思うし、いいボールを蹴ってくれたからこそのゴールだった。
自分のところで絶対に決めきるというところは、浦和戦の後から意識していたところだった。それが結果につながって良かった。
【藤井 智也】
久々のスタメンで、試合に入るのに少し時間がかかった。それでも、いつも通りゴールへと向かう姿勢を貫いていくことで、入っていくことができた。
(ゴールの場面は)狙った形ではなかったが、そのなかでも決めきることができて良かった。
ここで絶対に負けられないと思っていた。トーナメントでは勝つことが一番重要。今日は勝つことだけを考えてやり切った。
昨日、岳君が「誰が出てもアントラーズだぞ」と言っていた。今後もそこを意識して誰が出ても勝たせるプレーをしなければいけない。今日はホームかと思うぐらいの声援だった。この熱量で応援してくださる皆さんへ感謝の気持ちを持って、これからもプレーしていかなければいけないと改めて感じる試合だった。
【須貝 英大】
同じ相手に何度も負けられなかった。誰が出ても勝てるチームにしていくのが重要だと思っている。全員が勝つためにいい準備をして試合に臨むことができた。難しい試合だったが、90分で決着をつけることができたのは良かったと思っている。ただ、個人としてはまだ足りない部分は多いので、しっかりと反省してリーグ戦へとつなげていく。自分の実力不足は明確なので、あとはどれだけチームに貢献していけるかを考えてプレーをしていくだけだと思っている。
甲府はお世話になったクラブ。ただ、その中でも絶対に勝ちたいという気持ちが強かった。勝てて良かった。
【田川 亨介】
なかなかうまくいかない時間が続いている中で、「もっとうまいアクションを起こしていけ」と言われて、それを意識してプレーをしていた。そこから流れを持ってくることができ、シュートも増えていった。そういう動きはもっと増やしていかなければいけないなと感じた。
チームとして、最後にあのような形で勝てたのは良かったと思う。
コンディションも上がってきているし、今日、スタメンで出ることができたのも、自分の中では大きかった。