天皇杯 JFA 第104回全日本サッカー選手権大会 3回戦、藤枝総合運動公園サッカー場で藤枝MYFCと対戦した。
先週土曜日のホーム札幌戦から、先発6名を変更して臨んだアントラーズ。連戦の中、全員で戦う姿勢を見せて藤枝に対峙した。
試合は序盤から互いが攻め合う激しい展開となる。「ハイエナジーフットボール」を標榜する藤枝がハイプレスからの果敢な攻めを見せれば、アントラーズも負けじと藤枝ゴールへ迫る。展開としては、どちらが先制点を得てもおかしくない序盤となった。
しかし、アントラーズは攻めながらもシュートを枠内に飛ばすことができない。激しい雨でスリッピーになったピッチとボールも影響してか、そのプレーに精度を欠いた。
すると24分、自陣エリア内での不運なハンド判定によりPKを献上すると、これをアンデルソンに決められ、藤枝に先制を許してしまう。
その後、同点にすべく、さらに攻めたものの最後の詰めが甘く、前半は1点ビハインドで終えた。
この状況を打開すべく、ポポヴィッチ監督は後半開始から安西、名古、そして優磨を投入する。雨がより一層激しくなり、ピッチコンディションがさらに厳しくなるが、アントラーズは優磨が縦横無尽に動き、ボールをより激しく動かす。そして70分、優磨が相手エリア内でボールを奪取すると、そこから仲間、再び優磨とつなぎ、最後はチャヴリッチが左足で決め、同点に持ち込む。
ここからアントラーズはさらに攻勢を強める。そして89分、交代出場でピッチに立った舩橋のミドルシュートをゴール前で仲間がヒールでコースを変える。この一瞬で起きた仲間の絶妙プレーで、ついにアントラーズは2点目を奪った。
その後、長いアディショナルタイムもボールをキープし戦いきり、90分で2-1の逆転勝利をもぎ取った。厳しい試合となったが、タイトルへの挑戦権を保持し続けることのできる勝利。選手たちは再びひとつになって、大きな結果を得た。
【この試合のトピックス】
・なし



前半から狙っていた形で決定機を作っていた。ゴールにはつながらなかったが、前半戦ってくれた選手たちを後半で3人代えたが、彼らのプレーが悪くて代えたわけではない。今日ピッチに立った選手たちがしっかりと自分たちの力を見せてくれた。
前半で良くなかったと言えるシーンがあるとしたら、PKになったシーン。相手に連続でシュートを打たれていた。その前でしっかりと止める。ゴール前に相手を近づける前に止めなければいけなかった。PKに関してはアンラッキーだった部分だが、その前のシーンだけが良くなかったと思っている。
藤枝も非常にいいプレーをしていた。この状況で逃げずにパスをつないで良さを出すことは難しいことだが、しっかりと彼らのフットボールを見せていたと思う。彼らはPKを誘発させるだけのプレーを見せていた。我々も用意してきたことを出せたが、藤枝も同じように彼ららしさを見せていた前半だった。
我々にとって大きいのは、このような悪天候で何か起こってもおかしくなかった中、しっかりと90分間で勝負を決め切ることができた。我々のクオリティを見せることができたと思っている。延長戦に入る前に勝負を決めることができたのは良かった。
Q.後半の優磨選手の動きが良かった。そこはどのように見ている?
A.この試合だけではなく、彼は本当に素晴らしいプレーを見せ続けていると思う。
彼の献身性は見てもらえればわかると思う。優磨はチームに足りないものを与えている。ただ、チームも優磨に足りないものを与えている。互いに与え合いながらいい関係で、うまくいっている。もっと、優磨も良くなっていくと思う。
今日はこのような状況の中、ファン・サポーターの皆さんは、最後まで我々の背中を押すことをやめなかった。彼らの声はこのような試合でもちゃんと届いている。この場を借りて感謝を示したい。
Q.普段から監督が話しているように、焦れずに賢く戦う意識が結果につながったと思う。そのあたりはどのように感じている?
A.決定機を多く作ることができた。それを決められなかったというところでナーバスになることなく、やるべきことをやり続けることができた。選手たちも冷静に、焦らず戦うという姿勢を見せてくれていた。非常に成長していると思う。
ここまで先発出場する機会が少なかった選手はもちろん熱量があり、モチベーションも高かった。試合前に選手たちに伝えたのは普段出ている選手たちがその選手たちと同じ熱量で戦わなければ、チームとして求めていることができないし、勝ち上がることができないという話をした。伝えた通りの熱量を見せてくれたと思う。高い意識を持って戦ってくれた。
メンバーは違うが、かなりいい戦いができた。得点はPKではあったが、ボールをボックス内に運ぶ、シュートの意識を持つことがPKを誘発した。
後半はそんな簡単には勝てないと感じた。(アントラーズは)メンバーも代えてパワーを上げてきた。ディフェンスをして勝つという戦い方は、我々にはない。今日、守りにまわってしまった理由は、攻撃のところ。ビルドアップのところでボールを保持すること。ボールを前線へ運ぶこと。しっかり有機的にボールを運ばないと、押し込まれてしまうし、守備の時間が長くなってしまう。今日の敗因は、ビルドアップ。ここに尽きる。
このような強くて質の高い相手に負けている。ロッカーでも共有した。喰われてもやり続けようと。喰われすぎてしまうと我々の真骨頂が出ないので、そこは質も高めていくし、受ける場所もこだわって攻撃的にいって守備をする。そういうマインドに振れるような試合だった。
勝ちたかったが、アントラーズには天皇杯を優勝してもらって、我々の評価をあげてもらいたい。
難しい試合となるのは間違いない。全員が共通認識をもって、苦しい時間を乗り越えて、勝つために全員でやるべきことをしっかりやって、しっかり勝利をつかんで鹿嶋に帰ってきたい。
なるべくスキを見せないというところは大事になってくる。ワンチャンスを決めきれるかどうかというところが、このトーナメントでの結果につながってくる。スキを見せないというところを大前提に戦っていかなければいい試合はできない。その部分は、この試合の肝になってくると思っている。
【仲間 隼斗】
戦い方を変えることなく、今のアントラーズを前面に出していかなければいけない。先日のリーグ戦では、自分たちのやるべきことを出しながら、結果もついてきた。このトーナメントでも自分たちのベースや形を出すことができれば、自然と勝利につながっていくと思っている。一発勝負のプレッシャーや重圧はあるが、立ち返るところを作って、しっかりと勝ちたい。
今季は相手がどうこうよりも、自分たちが最大限のパフォーマンスを出すと言うところにフォーカスを置いている。どんな相手だろうと、自分たちの力を出し切るというところが、勝負のカギになってくる。
延長を戦わずに勝ち切れたことは良かった。いい時間に勝ち越しゴールを取れた。
なかなか点が取れなかったところはチームとしての課題でもあるし、自分の課題でもある。地道に日頃のトレーニングから意識していって、最後にその課題がクリアできていればいいなと思っている。その課題に対して、みんなで向き合っていく。
カテゴリの違うチームと一発勝負という難しさはあったが、次のステージに勝ち上がれることがすべてだと思っている。そこは良かった。
後半になっていくにつれて、総力戦となっていく。新しい力も必要になっていく。誰が出ても勝利に貢献できるようにしていく。
【チャヴリッチ】
FWはゴールを決めることが仕事。リーグ戦とカップ戦で多くのチャンスがあったが決めることができていないという中で、今日このチャンスを活かすことができたのは自分にとって、ひとつ自信になった。ただ、ひとつ決める前に多くのチャンスがあった。それを決め切れないというところは、まだ課題としてある。もっとゴールを決めなければいけない。それでも、色々なプレッシャーがかかり始めてきているところで決めることができて良かった。
非常に厳しい条件だった。このような試合に勝つのは非常に難しい。我々が勝って当たり前、相手はかなり高い熱量でくる。そのような試合をしっかり勝ち切れた。全員がやるべきことをやれた結果、勝つことができた。
ただ我々の目標はこの試合に勝つだけではない。最終的に目指すところはその先にある。そこへ向けて、全員がぶれずに戦っていく。