2023JリーグYBCルヴァンカップ プライムステージ 準々決勝 第1戦、豊田スタジアムで名古屋グランパスと対戦した。
リーグ戦では先週土曜日にアウェイで湘南と対戦し、試合終了直前に植田の気迫で奪ったPKで2-2のドローに追いついたアントラーズ。インターナショナルマッチウィークに入るため、ここでリーグ戦は一時中断し、ルヴァンカップをかけた戦いの1週間に入った。
アウェイで迎える、この重要な第1戦のスタメンには、GKに早川、フィールドプレーヤーは広瀬、植田、関川、安西、佐野、ピトゥカ、舩橋、仲間、垣田、優磨が入った。ベンチには、沖、昌子、須貝、土居、藤井、カイキ、松村が座る。
2年前の準々決勝で苦杯を喫した名古屋相手ということもあり、モチベーションが高いアントラーズは序盤から押し気味に試合を進める。リーグ戦では累積警告でアウェイ湘南戦で出場停止となった優磨が前線から中盤の底まで縦横無尽に動き、名古屋に的を絞らせない。逆に名古屋はホームにもかかわらず、自陣で堅い布陣を敷くスタイルを取ってきた。
攻めの体勢に入ったものの、堅い守備の名古屋を崩すことができないアントラーズは逆にカウンターを浴びる場面もあった。9分、森島、稲垣とつなげられ、最後は稲垣のクロスに俊足の永井が飛び込むシーンにはヒヤリとさせられた。
攻めながらも決定機を得られないアントラーズ。優磨や佐野がシュートを放つシーンも幾度かあったものの、名古屋のゴールを脅かすには至らなかった。前半はどこか、互いに力を出し切れずに終わった印象が残った。

後半キックオフ前、両監督が状況を打開すべく、動く。名古屋は長谷川監督が永井に代え、ユンカーをピッチに送り出すと、岩政監督は舩橋に代え、松村をピッチに送る。この交代により、試合の流れは後半開始から大きく変わっていった。
49分、アントラーズは待望の先制点を得る。交代で入ったばかりの松村が、ペナルティエリアからわずかに外で優磨からのパスを受けると、左足を振りぬく。このシュートが名古屋ゴールに突き刺さり、スコアを1-0とする。まさに、左足一閃。岩政監督の交代策に応えた、松村のスーパーゴールだった。
その後、畳みかけたいアントラーズだったが、名古屋も負けてはいない。特に59分、前線での孤立が目立った中島に代わり、前田がピッチに入ると、ユンカー、前田のコンビがアントラーズ守備陣を脅かす場面が増えた。一方のアントラーズも同じく59分、垣田に代わり、カイキ、仲間に代わり、土居がピッチイン。この交代策により、前線がより流動的な動きを見せる。
61分、名古屋ボールを奪ってのショートカウンターではボールをカットした松村が優磨へラストパス。優磨が放ったダイレクトシュートはわずかに左へそれる。またその後も優磨、土居がコンビネーションから名古屋の守備陣を崩しかけるなど、追加点を奪いかけた。
だが、やはり名古屋は難敵だ。ユンカー、前田に加え、古巣相手に期するものがある和泉らが、サイドからの崩しでアントラーズゴールに迫る。CKも含めると、長く名古屋の攻撃が続いた。しかしアントラーズは最終ラインの関川を中心に守りを固め、ボールを奪っては無理にカウンターに出ず、ボールキープの時間を増やすことで試合の主導権を奪い返しにいった。
試合も終盤に入り、85分、攻守に奮闘した優磨に代え、昌子がピッチに送り出される。アントラーズは最終ラインを植田、昌子、関川のスリーバックに変更し、1点のリードを守り切る策に出る。
アディショナルタイムには少し足を痛めたピトゥカに代わり、須貝もピッチに立ち、アントラーズは逃げ切るために全力を尽くす。しかし、アディショナルタイムも4分が過ぎ、間もなく試合終了かと思われた時、和泉との交代で前線へ入っていた久保からまさかの同点弾を食らってしまった。
この結果、“前半90分”となる第1戦は1-1のドロー。次は“後半90分”、ホームのカシマスタジアムで第2戦を戦う。勝利を手に帰還したかったのは言うまでもないが、まだ半分が終わっただけだ。さらに、今季は名古屋と1勝1分1敗。このケリは、カシマでつけよう。
【この試合のトピックス】
・早川、須貝がルヴァンカップ初出場
・松村が今季ルヴァンカップ2点目



A.まだ半分が終わっただけ。ただ、もったいない試合だった。
Q.厳しい試合を同点で終えて、第2戦へ向かうことは良いこと?
A.良いこと。良いことだが、展開的には1-0か、もしくは2-0ぐらいで勝たなければいけない試合だった。
Q.松村選手の評価は?
A.勝利につながるゴールだったら、彼にとって非常に良かったと思う。
ただ、彼の良さが出たし、思い切りの良さも出た。今後がさらに楽しみになった。
すごく苦しんでいるシーズンだと思うが、彼が通過しなければいけないところを通過していると思っている。ここを通過すれば、彼が手のつけられない選手になっていくと思う。
Q.前半から名古屋のボランチのところを崩せているように見えた。狙いを持ってあの場所へ入っているように感じた。ただその崩しがもうひとつふたつつながっていけばというところだと思うが、そこの課題をどのように感じている?
A.作りのところで、相手のプレスの外し方はうまくやってくれた。松村を入れたところまではかなり良かった。ピッチの状況や選手の個性、組み合わせの部分も含めて、課題はあると思っている。
その先の絵まで共有しているつもりではいる。後半もいくつか押し込んで崩した部分で意図して崩せていた。そこの絵が見えている選手などのチョイスも考えていきたい。
アントラーズは引き込んで戦ってきたが、その中でひとつ決め切ることができたことは、大きな結果だと思う。ただ、残り90分あるので、しっかりとコンディションを整えて、次の戦いへ備えていきたい。
前回対戦の時は、立ち上がりは悪くなかった。先制点を取られた後にしっかりと守られたという感じだった。そういう意味では、先制点というのが非常に大事になってくる。
名古屋とは、2年前に同じ舞台で負けている。その雪辱を果たせるように頑張りたい。まずはこの試合。90分で勝ちきることがまずは大事になってくる。
今はフィーリングもいい。ドリブルで仕掛けるところとクロスを上げるところの判断だけ、間違えないようにプレーしていく。
【早川 友基】
トーナメントなので1点が大きく試合を左右すると思う。後ろは必ず無失点で抑える。
名古屋は引かれると、守備がかなり堅くなってしまう。相手を引き出し、空いたスペースを使ってなるべく速く攻めきったり、サイドに振って相手の目線を変えるような動きでチャンスを多く作っていきたい。
【舩橋 佑】
サイドハーフでの出場なので、いつもよりも前でのプレーになる。いつも通りのプレーにプラスして、前への推進力や攻撃のプラスアルファになることが大事だと思う。そこは自分の良さだと思っている。攻撃を活性化していきたいし、自分の良さを出してチームの勝利につなげていきたい。
とにかく勝ちたい。全力を出し切って、もう走れないとなるぐらいまでやり切りたい。
名古屋は守備が堅く、戦える選手もいる。簡単な試合にはならないと思うが、勝ち目のない相手ではないし、必ずチャンスはあると思う。ゴールやアシストを狙っていきたい。
(ゴールの場面は)優磨君が前を向いた時、自分の前にスペースがある状態でボールを受けれると感じた。しっかりとうまくボールを受けることができた。前に相手が1人しかいなかったので、ここは自分が仕掛けるところだと思った。すぐにそこへギアを入れることができた。それがゴールへとつながったと思う。
このゴールが勝利にはつながらなかったが、今までにないような形で点を取ることができた。これがいいきっかけになっていけばいいと思う。
まだこの大会だけで言ったら、最初の90分が終わっただけ。このいい状態を続けていくことが難しいのはよく分かっている。第2戦、ホームでまた結果を残して勝てるようにしたい。
【仲間 隼斗】
この戦いは、2試合合計で決まる。まだ途中。次、ホームでやる第2戦も全力で戦う。
マツのゴールは自分のことのようにうれしい。名古屋のような堅い相手にもゴールを決める実力がある選手。若い選手からの突き上げに負けないように自分たちも高めていきたい。
【土居 聖真】
勝たなければいけなかった。第2戦はしっかりとホームで勝って気持ちよく、次へ進みたい。
2点目を取ることができれば。そこは反省点の一つだと思う。いいカウンターもあった中で、それを取られて危ないカウンターを受ける場面もあった。シュートで終わるなり、コーナーキックにするなり、カウンターの精度も上げていかなければいけないなと感じる。
中断期間明けからチームの成長や一体感を今まで以上に感じている。いい流れが続いていると思うので、ここで簡単にその積み上げを失ってしまうのではなく、100%をなるべく保って、どんどんプラスの要素を追加していきたい。