▼▼MATCH HIGHLIGHTS▼▼
YBCルヴァンカップ グループステージ第3節、カシマスタジアムでアビスパ福岡と対戦した。立ち上がりから福岡を圧倒すると、荒木が先制点を奪う。その後、追加点こそ奪えなかったが終始試合を支配し、1-0で勝利した。
リーグ第6節の広島戦から中3日。すぐに次のルヴァンカップ福岡戦へ準備を進めた。
スタメンはリーグ戦から9人を入れ替えた。GKが沖、フィールドプレーヤーは、広瀬、植田、関川、溝口、佐野、ピトゥカ、荒木、松村、垣田、師岡が入った。ベンチには、早川、ミンテ、安西、土居、樋口、知念、優磨が座る。
アントラーズは、立ち上がりから高いテンションで試合に入った。遠い位置からでも積極的にシュートを放ち、アグレッシブな姿勢をチーム全体で示す。攻勢に試合を進めた。
しかし、16分にピンチが訪れる。右サイドを田中に突破されると、ゴール前へ決定的なクロスを供給された。失点には至らなかったが、肝を冷やす場面だった。
ただ、その後、ピンチに動じることなく、アントラーズが攻勢に試合を進める。オフザボールのアクションが多く、能動的にボールを動かしていった。ただ、福岡の守備ブロックが非常に堅固で、なかなか中央へ侵入できない。外回りでボールを動かすことが多くなった。
それでも30分にチャンスが生まれる。左サイドから荒木がカットインして右足を振り抜く。相手GKのビッグセーブに阻まれたが、シュートは綺麗な軌道を描いて、ゴール右上隅に飛んだ。
するとこのプレーで勢いに乗った荒木が、福岡の堅守をこじ開ける。32分、ハーフスペースに侵入した溝口へ佐野からの縦パスが通ると、溝口は混戦のなかで荒木へパス。ボールを受けた荒木は垣田が空けた狭いスペースを利用して、抜群のアジリティとテクニックを披露した。細かいボールタッチでゴール前を突破すると、フェイントを入れて鋭く右足を振り抜く。力強いシュートはゴールネットに突き刺さり、アントラーズが先制に成功した。
アントラーズは得点後も勢いを落とさず、果敢に攻撃を仕掛けた。各選手が近い距離を保って、テンポよくボールを動かし、相手にプレスの的を絞らせない。守備から攻撃の切り替えの局面でも、相手のプレスをうまく剥がして、安定したボール保持へつなげた。アントラーズが完全に主導権を掌握する。
前半終盤になっても、狭いスペースで複数の選手が連動し、テンポよくボールを動かして相手を翻弄した。これまで我慢強く取り組んできた攻撃のイメージの共有が、ピッチ上で表現されていく。徹底して守備を固める福岡を相手に追加点こそ奪えなかったが、前半は終始圧倒し、1-0でハーフタイムに突入した。
後半立ち上がりも集中力を欠くことなく、アグレッシブかつ慎重に試合へ入った。シンプルに背後を狙いつつ、セカンドボールの攻防で競り勝ち、二次攻撃、三次攻撃につなげていった。特に前半から存在感が際立っていた佐野が、攻撃から守備、守備から攻撃の両局面で、圧倒的な違いを見せつけた。
するといい流れのなかで、54分に決定機が訪れる。右サイドから広瀬が絶好のクロスを供給すると、ファーサイドでフリーになった師岡がヘディングで合わせる。しかし、地面に勢いよく叩きつけたシュートは、惜しくも枠を捉えられず、シュートに反応した垣田も触ることができなかった。
決定機を逸したアントラーズだが、その後も強度の高い守備を続けて、試合を支配する。福岡のビルドアップに対しては、垣田が連続追いでボール保持者に自由を与えない。そして、守備から攻撃への切り替えも迅速で、ボール保持時もリスクマネジメントを徹底して行った。福岡に全く攻撃の起点をつくらせない。
65分、先制点をアシストした溝口、ハードワークを続けた垣田に代えて、安西と優磨を投入した。そして、72分にはアグレッシブなプレーで力を出し切った師岡との交代で知念をピッチへ投入した。
ゴール裏からの大声援を受けて、選手たちが個性を伸び伸びと発揮し、躍動した。76分には関川の正確なロングフィードから松村がスピードを活かした斜めのランニングでラインブレイクし、ゴール前でのチャンスを迎えた。さらに79分には、カウンターで自陣から優磨がドリブルで持ち運び、ラストパスを受けた荒木がシュートを放つ。追加点は奪えず、得点差は1点のままだったが、福岡を支配する圧倒的な試合展開だった。
84分、広瀬、荒木をベンチに下げ、ミンテと土居を投入。土居は荒木に代わってそのままトップ下に、ミンテはボランチへ入り、佐野が右サイドバックにポジションを移した。
後半アディショナルタイムは4分。空中戦に強い福岡のパワープレーは脅威となったが、全員が勝利への執念を示し、チーム一丸で時計の針を進めた。そして、待ちに待った試合終了を告げるホイッスルが鳴ると、カシマスタジアムは歓喜に包まれた。1-0。待望の今季ホーム初勝利をつかみ取った。
ただ、勝利の余韻に浸る時間はない。次はリーグ戦に戻り、中3日で柏とアウェイで対戦する。課題と収穫を整理して、チーム一丸で準備を進めていく。
【この試合のトピックス】
・師岡がプロ初先発
・荒木が今季初ゴール、LIXIL賞を受賞



A.これぐらいやって当然の選手だと思っている。彼の復活というのは今年のテーマでもあるので、やっとその一歩を刻めたと思う。これを続けてほしい。
Q.この1勝がチームに与える影響は?
A.続けるだけ。
Q.この試合の勝因は?
A.続けているだけ。それで勝ったり、負けたりしているし、別に何かが変わったわけではないが、良い結果が出るときと悪い結果が出るときがあるだけの話。大事なのは僕たちが続けられるかどうかだと思っている。
Q.追加点を取る場面もあったが奪えなかった。今後、取っていくためには?
A.おそらくそれはいろいろな呪縛があり、1-0の結果になったと思っている。フットボールの神様はいろいろな形で私たちを試してくる。私はいつもそういう捉え方をするが、1-0で終盤を迎えて勝ち切る経験を“お前たちは乗り越えられるのか”ということを突き付けられた試合だったと思う。
これは勝っていくことで流れが変わって、今日、荒木の初ゴールも生まれたが、そうして点を取れた選手がどんどん自信をつけていけば2点目、3点目は取れると思っている。ただ、今日の試合に関して言えば、福岡があれだけ前半は特に失点をしなければいいという展開になると、ハイペースな展開は望めず、少しチャンスを作りづらく感じてしまうところがある。そのなかでも試合前にみんなで共有した、自分たちが狙いたいスペースをしっかりとつきながら、相手を崩して得点まで結びつけることができた。これをまた自信をつけていけばいいと思っている。
グループステージ突破に向けて、勝たないといけない試合。アピールしてリーグ戦にも絡んでいきたいが、まずはチームを勝たせないといけない。対人の部分で勝つこと、ビルドアップで良さを出すことが必要になる。
【ディエゴ ピトゥカ】
ボールを支配しているときに攻め急いで、得点を決めきれない状態が続いているので、我慢しながら攻撃し続けて、少ないチャンスをしっかり決めきりたい。それが出来れば、自然と結果はついてくると思う。
【荒木 遼太郎】
サイドに人数をかけて崩し切って、クロスを決めきりたい。サイドに人数をかければ、CBも出てくると思うし、それで中央が薄くなったら、真ん中を崩せる。プレッシャーはそこまで感じていない。できるプレーを最大限して、とにかく勝ち点3を取りたい。
ホームのサポーターの前で、自分がゴールを決めて勝てたことがうれしい。(ゴールシーンは)ボールを受けたときは冷静だった。空いているコースを狙うというより、力を込めてシュートを打った。ゴール前でのプレーは自分の持ち味でもある。そこでもっと結果を残していきたい。
【関川 郁万】
やっとホームで勝てたことが大きい。危ない場面は大きくクリアするなどのプレーを心がけていた。チームの結果が出ていないなか、この試合に出ると決まってからは、自分が出た試合に勝たないともうチャンスがないと思って臨んだ。その意味でも勝てて良かった。
【沖 悠哉】
ホームのサポーターの前で勝利し、ともに喜びを分かち合えたのはすばらしいこと。ルヴァンカップもリーグ戦も続いていくので、この4月の連戦をチーム一丸となって乗り越えていくことが重要になる。この勝利に満足することなく、次の柏戦に向けて、また準備していきたい。
【溝口 修平】
勝てて良かったが、荒木選手のゴールに絡んだ場面以外は何もできなかった感覚なので、自分の出来にはまったく満足していない。アントラーズには普段から強度の高い練習環境があるが、公式戦では雰囲気も違うので、もっと実戦に慣れて自分の良さを出し、リーグ戦での出場も目指したい。
【師岡 柊生】
(プロ初スタメンは)正直、緊張した。後半に競り合いの場面で足をつって交代となったが、試合中に足がつったことは初めて。得点を取れる場面もあったので、次はゴールを決められるようにしたい。チームが苦しいときに点を取らないといけないポジションなので、これからもっと練習してチームに貢献していきたい。