2023明治安田生命J1リーグ 第8節、カシマスタジアムでヴィッセル神戸と対戦した。神戸に3失点を喫したあと、優磨のゴールで2点差に迫ったが、さらに2失点を喫して、1-5で敗れた。
前節の柏戦は、非常に悔しい敗戦となった。ただ、試合翌日のオフで気持ちを切り替えた選手たちは、また火曜日から神戸戦へ向けた準備を進めた。
なお、この試合は「クリーニング専科スペシャルマッチ」として、さまざまなイベントが開催された。
神戸戦の先発は、GKが早川、フィールドプレーヤーは広瀬、植田、関川、安西、樋口、ピトゥカ、荒木、松村、知念、優磨が入った。ベンチには、沖、昌子、溝口、藤井、カイキ、中村、垣田が座る。
雨が降りしきるなか、アントラーズのキックオフで前半が始まった。立ち上がりは神戸のセットプレーが連続したが、しっかり集中して守り、無失点で凌ぐ。その後は、ロングボールからセカンドボールの奪い合いになり、互いに鋭いカウンターから素早くゴールに迫るスリリングな展開となった。
7分にはピンチを迎える。アントラーズの右サイドからアーリークロスを供給されると、ピンポイントでゴール前の武藤へ通る。武藤がうまく合わせられず、失点には至らなかったが、ヒヤリとする場面だった。
ピンチを凌いだアントラーズは、その後、攻撃の時間帯をつくった。スペースへ走りこんだ選手をシンプルに使い、後方の選手もしっかり押し上げていく。そして、立て続けにセットプレーを獲得し、攻撃の圧力を強めていった。アントラーズが試合の流れを徐々に手繰り寄せていく。
しかし不運なファウルがあり、すぐに流れを神戸に引き戻される。大迫をターゲットとした神戸のセットプレーは、アントラーズにとって脅威となる。
すると、そのセットプレーから試合が動いた。24分、初瀬が蹴ったコーナーキックをゴール前で大迫にヘディングされ、ゴールネットを揺らされてしまった。0-1と神戸に先制を許す。
失点後、神戸の勢いが増すと、27分には再びピンチが訪れる。アントラーズのプレスを回避されると、大迫が絡んでサイドに展開され、初瀬からゴール前へクロスが入る。中に飛び込んだ神戸の選手は触れられず、ボールはそのままゴール方向へ。雨を含んだピッチにバウンドして難しい処理となったが、早川が見事にこれをセーブし、辛うじて失点を免れた。
嫌な時間帯を追加点を許さずに凌ぐと、アントラーズが流れを引き寄せる。オフザボールのアクションが多く、流動的に攻撃を仕掛けていく。しかし、ボールを前進させることには成功するも、狭いスペースを攻略できず、強度の高い神戸の守備に苦しめられた。
その後、アントラーズの攻撃の勢いが吸収されると、再び試合は神戸のペースで進んだ。ゴール前に何度もクロスを入れられ、再三のピンチが訪れる。ただ、早川のビッグセーブでなんとか追加失点を免れた。
しかし、我慢強く守り続けていたが、前半アディショナルタイムにゴールを許してしまう。大迫に粘り強くボールをキープされると、アントラーズの右サイドに流れた齊藤へパスが渡る。齊藤にクロスを入れられると、ゴール前で武藤に高い打点でヘディングシュートを許し、ゴールネットを揺らされてしまった。0-2とリードを広げられてしまう。
前半はこのまま終了。早川の再三のビックセーブがあったものの、神戸に2点差をつけられて、ハーフタイムに突入した。
後半開始直後に試合が動いた。中盤でボールを失うと、カウンターを喰らう。大迫にペナルティエリア内でキープされ、クロスを入れられると、ファーで山口に頭で折り返された。これを植田がクリアすると、こぼれ球に樋口が反応。相手よりも先に触るが、腕に当たってしまい、神戸にPKが与えられた。48分、このPKを大迫に決められ、3点差に広げられてしまった。
死に物狂いで反撃するアントラーズだが、再びパスミスでボールを失い、神戸のカウンターを喰らう。53分、汰木からのクロスが上がると、武藤が安西の上から高い打点でヘディングシュートを放つ。早川のビッグセーブに助けられたが、2失点目と同じ安西と武藤の高さのミスマッチを使われてしまった。
54分、松村と広瀬をベンチに下げ、藤井と昌子を投入した。3バックに変更して、相手との嚙み合わせに変化を加える。
するとこの交代が功を奏し、61分に試合が動く。知念が左から入れたクロスは優磨に合わず、相手GKがパンチング。こぼれ球がフリーの藤井のもとへ転がると、藤井は樋口へラストパスを送る。樋口がゴール方向へ蹴り込むと、優磨がコースを変えて、ゴールに押し込んだ。1-3と2点差に迫る。
得点後、ようやくアントラーズの攻撃に勢いが出る。ロングボールを放り込み、空中戦の勝負に持ち込んだ。しかし、確実性の低い攻撃は長続きせず、ショートパスは微妙にズレてつながらなかった。
70分に安西、荒木との交代で、溝口、中村が投入された。溝口はこれがリーグ戦デビューとなった。
しかし、72分に再び失点を喫してしまう。シンプルなロングボールで武藤に最終ラインの背後を簡単に取られ、キープされると、武藤にアーリークロスを入れられる。このクロスを関川の後ろで佐々木にヘディングシュートされ、ゴールネットを揺らされてしまった。1-4とリードを再び3点に広げられた。
75分にピトゥカとの交代で垣田を投入した。前線に人数をかけて、ロングボールを放り込み、諦めずに攻撃を仕掛ける。
前がかりになったところでまた失点を喫してしまう。85分、中盤でボールを失うと、ジョアン パトリッキにドリブルで前進され、中央の山口にパスが通される。山口は後ろから駆け上がった酒井をシンプルに使い、酒井はダイレクトで中央へ。これを武藤に決められて、スコアは1-5になった。
失点後も再びピンチが訪れた。ペナルティエリア内からジョアン パトリッキにフリーで決定的なシュートを放たれる。ただ、これはまたしても早川のビッグセーブで失点を防いだ。
その後、選手たちは最後まで諦めずにプレーしたが、決定機をつくることができず、このまま1-5で試合終了を迎えた。
次は中3日でルヴァンカップのアウェイ福岡戦へ臨む。ただただ、チーム一丸で準備を尽くす。
【この試合のトピックス】
・安西がJ1通算100試合出場
・溝口はJ1デビュー



A.申し訳ないと。あと一番は、選手たちがよく戦ってくれていたので、選手たちを励ましてくれと。今日のファン・サポーターの皆さんは素晴らしかったということを伝えた。
Q相手が想定を上回ってきた.?
A.やはり個人能力が高いという印象があったし、ゴールシーンも大迫選手、武藤選手も要注意というのはわかっていたが、非常に質の高いゴールだったと思う。時間帯も含めて勝負どころを抑えられてしまった。
Q.相手のやろうとしていることははっきりしていて、今のアントラーズと対照的だなと見ていた。相手の方が気持ちよくプレーしていて、選手がつながりながらプレーしているように見えた。その相手と対戦して思うことは?
A.いくつもあるが、前半戦の勝ち負けでかなり自信の面やこの選手はここにいるだろうというつながりの面は、やはり勝つことでの成功体験で植え付けられるものがかなり大きい。自分たちの戦いの核心に大きな差があるからこそのゲーム内容だった。そこは前半は想定内で、神戸の方が力があり、押し込まれるのは仕方がない。そこをどのように相手陣地に入ったところでサッカーをするかは、ある程度は描いていたものが出ていた。もう少し五分に持っていかないといけないが、勝つという結果も必要だし、明確な武器を生かすような戦いにしていくことも必要だし、そこは一つではない。
Q.5失点はホームでは歴史的大敗となる。それがおよぼすメンタルの影響、そして選手たちが迷子にならないために必要なことは何だと考えている?
A.失点に関しては、3失点目にスクランブルが出て、4、5失点目はいろんなところがあるが選手を責められない。フットボールではよくあることで、神戸の質が高かったこともある。1失点目がセットプレーだったり、2失点目が後半の最後のプレーであったり、3失点目が後半の最初のプレーだったりというところで、非常に歯車が合っていないときに起こることが一気に出た試合だった。それ以外の作りにも当然課題があるし、ゲームを読むことも課題があるし、いろんな面で今の自分たちに足りないもの、アントラーズが伝統的に持っていたものを失っていると感じる。選手が迷子にならないために、これから分析して考えるが、戦術的なところも選手のメンタル面も必要。すぐにルヴァンカップがあるので、今週の2試合をどう乗り切るかに注力して考えていきたい。
Q.リーグ戦で4連敗。どう受け止めている?
A.いろいろなことを言うことはできるが、僕は2009年に3連覇したとき、5連敗したりといろいろな経験をしてきた。良いとき、悪いときがあってシーズンは進んでいくものだが、シーズン頭にここまで大型の連敗をするのは、かなりの痛手だと思っている。選手たちはいろいろとチャレンジをしているところがあって、よくやってくれているところもあると思っている。そのいい部分を抽出しながら、勝っていけば選手たちが今の枠組のなかでもいい戦いや勝利を持ってこられると思うが、今はそういう時期ではないと思う。今は明確さを持って、対相手も含めていろいろな準備をしないといけないと思っている。
Q.試合前にもファン・サポーターの皆さんへ挨拶をしていたが、どのような話をした?
A.話はしていない。コールをいただいて、ありがとうと示してすぐに戻った。ファン・サポーターの皆さんが、今年は選手たち、そして、僕も含めてかもしれないが、経験の浅い新しくチームを作っている僕たちを支えよう、励まそう、一緒に進んでいこうという気持ちを表してくれている。何度もホームで負けて、そして打ちのめされてもまた勇気と意思を持って、足を運んでくれている。試合前も試合後も、僕たちに熱い声をかけてくれているが、応えられていないのは申し訳ないと思っている。歯を食いしばって越えるしかない。
神戸はチームとして、最後は大迫選手のところにボールを集めてくるし、攻撃の起点にもなる。そこがキーポイントになるので、自分たちDFとしては、やらせてはいけない場面がたくさん出てくると思う。そこの対応をしっかりやっていきたい。
【安西 幸輝】
攻撃でも守備でも対峙する選手に負けないこと。ピッチに立ってみないとわからないことも多いけれど、やるべきことは変わらない。まずは悪い流れを断ち切って、しっかりホームで勝ち点3を取りたい。
【樋口 雄太】
勝てていない状況のときこそ、シンプルにプレーする必要があると思う。勝つことでこの状況は打破できるはず。攻撃の回数を増やして、ゴールを取りたい。チーム全体で戦っていく。
(ゴールシーンは)シュートを狙ったが、良いところに優磨がいてくれたことでゴールにつながった。ただ、PKを与えてしまった場面もあったので、しっかり反省しなければならない。ファン・サポーターの皆さんに今日のような試合を2度と見せないようにこれからも戦っていく。
【溝口 修平】
リーグ戦でのデビュー戦だったことはあまり気にしていない。途中から出場したにもかかわらず流れを変えることができず、チームの一員として勝利に貢献できなかったことが悔しい。次に出場するチャンスが巡ってくるときのために、この経験を無駄にしないで戦っていきたい。
【広瀬 陸斗】
完敗だった。とにかく全部がダメだったと思う。雨のなか、点差を離されても応援し続けてくれたファン・サポーターの皆さんに対して申し訳ない気持ちしかない。
【ディエゴ ピトゥカ】
自分たちのホームで5失点することは恥だとも思っている。謝罪の言葉よりも、「勝利」という結果で示さなければならない。日々のトレーニングから一つひとつ積み上げて、改善していきたい。
【安西 幸輝】
(ファン・サポーターの皆さんに向けては)勝てなくて申し訳ない気持ちしかない。今日の試合は攻撃参加できる場面が少なく、後手に回って守備の時間が長くなった。そこで失点しなければよかったが、2失点目は自分が競り合いに負けてしまい、自分個人の責任なので反省している。
【早川 友基】
前半で2失点を喫し、勝つために後半はリスクを冒してゴールを狙いにいったが、このような結果になってしまった。「新しい鹿島をつくる」ことは簡単ではない。今は苦しい時期だが、ファン・サポーターの皆さんも一緒に戦ってくれていることを感じているので、みんなで乗り越えていきたい。