▼▼MATCH HIGHLIGHTS▼▼
2022明治安田生命J1リーグ 第33節、IAIスタジアム日本平で清水エスパルスと対戦した。J1残留がかかった清水に苦しめられたアントラーズだが、後半に三竿が執念のゴールを決めて、先制に成功。これが決勝点となり、リーグ戦8試合ぶりの勝利をつかみ取った。
磐田戦を終えたチームは、リーグ戦の中断期間に突入した。8月に岩政監督が就任して以降、公式戦の試合間隔が3週間も空いたのは初めてのこと。チーム力の底上げを目指して、内容の濃いトレーニングを行った。

清水戦の先発は、GKが早川、最終ラインは常本、関川、ミンテ、安西、中盤から前線は、三竿、ピトゥカ、舩橋、仲間、優磨、松村が入った。ベンチには、沖、ブエノ、荒木、和泉、カイキ、名古、エヴェラウドが座る。

立ち上がりはアントラーズがテンポよくボールを動かし、主導権を握った。しかし、すぐに清水に流れを引き戻され、ボールを保持される展開となった。守備ブロックを崩される場面はなかったが、ボールを奪ってもサポートが少なく、なかなか攻撃に転じることができない。
すると、清水に攻め込まれる場面が増えていく。早川の好セーブで失点には至らなかったが、危険なシュートを許してしまった。
流れの中でなかなか清水を崩せないアントラーズだったが、22分にチャンスをつくる。松村が優磨とのコンビネーションで中央へ侵入し、ドリブルから右足でシュートを放った。しかし、これは惜しくもボールに力が伝わらず、相手GKの正面でセーブされた。
一進一退の攻防が続くと、アクシデントが起きる。中山と競り合った安西が肩を負傷し、プレー続行不能となる。そこで28分に安西との交代で和泉をピッチへ送った。
不運に見舞われたアントラーズだが、交代直後にチャンスをつくる。松村の落としを常本がダイレクトでクロスを入れると、優磨がヘディングシュート。これは相手GKの好セーブに阻まれたが、ゴールまであと少しのところまで迫った。
アントラーズが攻勢に試合を進めていたなかで、今度は清水にアクシデントが起きる。北川が負傷交代を余儀なくされ、38分に乾が投入された。
この交代により流れは清水に傾いた。自陣深くまで攻め込まれる場面が増え、危険なシュートも許してしまう。
ただ、前半は両チームともに決め手を欠き、スコアレスでハーフタイムに突入した。
後半は互いに一歩も譲らず、緊張感の漂う展開が続いた。ただ、アントラーズは徐々に立ち位置で優位を取り、効果的にボールを前進していく。
すると、相手陣内深くまで攻め込んでコーナーキックを獲得。コーナーキックの流れからこぼれ球を三竿がダイレクトでボレーシュートを放つと、ボールは相手に当たって、再び三竿のもとへ。中山がクリアを試みたところ、三竿が足を出すと、クリアは三竿に当たって、ゴール方向へ。幸運にもボールはゴールネットに吸い込まれた。三竿の今季リーグ戦2点目でアントラーズが先制に成功した。
得点後の64分、舩橋と仲間をベンチに下げ、カイキと名古を投入した。残留を目指す清水は同点に追いつくべく、攻撃の圧力を強めてきたが、アントラーズは冷静に対応し、重心を下げることなく、戦い続ける。
77分にはカウンターから決定機をつくる。連動して相手に制限をかけて、三竿がパスカット。ピトゥカから名古への斜めの縦パスが入り、名古は優磨へパス。右サイドでフリーになった松村が、これをダイレクトで狙った。惜しくも枠を捉えることができなかったが、イメージを共有して、精度の高いカウンターを繰り出した。
また80分にはコーナーキックから決定機。ピトゥカのクロスをニアサイドで優磨がヘディングシュートを放つ。これを相手GK権田が弾くと、バーに跳ね返って、惜しくもゴールインとはならず。こぼれ球を和泉が狙ったが、枠を捉えることはできなかった。

清水は必死で同点を狙ってきた。そこで90分には優磨との交代でエヴェラウドをピッチへ送り、前線の強度を補強。清水は後半アディショナルタイムに入ると、明確にパワープレーを仕掛けてきたが、アントラーズは集中を切らさず、最後まで強度を保って戦い続けた。
そして、試合終了のホイッスル。1-0で清水を下し、リーグ戦8試合ぶりの勝利をつかみ取った。
次は最終節、ホームでG大阪と対戦する。勝利のみを目指して、チーム一丸で最善の準備を尽くす。
【この試合のトピックス】
・三竿が今季リーグ戦2点目
・J1アウェイ通算250勝を達成



・我慢するところ、前へ出て行くところのメリハリをつけよう。
・決して受け身にならずに戦い、ここからこれまでの自分たちを乗り越えよう。
・1対1で負けないことと、カバーリングをしっかり。
・最後まで焦れずに辛抱強く全員で戦おう!
試合自体は長く感じた。勝利がなかった期間も私はあまりプレッシャーを感じていなかったが、ようやくここで勝つことができて良かった。
Q.三竿選手の評価は?
A.リーダーの1人。できるだけピッチに立たせておきたい選手の1人だと思っている。どんな時も僕の意向を汲みながら、チームを引っ張ってくれる。そういう姿勢が最後のところでボールを掻き出したり、今日のようなゴールに結びついたりしていると思う。他の選手への影響もある選手だと思っている。
Q.前半の立ち上がりは戸惑っているような場面もあった。足りない部分は?
今日に関しては、想定していた通りだった。4-1-4-1の守備は一度だけ確認していた。もしかしたら、そのやり方でやるかもしれないと選手たちには伝えていた。そのやり方を突然今日やったので、戸惑いがあったと思う。それは想定していたので、今日のような構える形になるだろうと思っていた。
0-0で耐えながら進めていくなかで、今日のようにプレスの掛け方を見出していって、試合を進めていくという、描いていた展開となった。
途中で試合前に伝えていたプレスのかけ方を変えた。変えたことによって、選手たちとイメージが共有できて、守備がハマっていった。試合前の僕の準備や想定が失敗だったのかもしれないし、少し慎重に入らせたところもある。どちらがいいのかというのは、もう一度考えていかなければいけない。
Q.さまざまな面で、優先すべきことはたくさんあると思うが、昨日の会見で話していた守備の順番をわかりやすく教えてほしい。
すごく単純なこと。ボールが自分達のどちらのサイドにあるか。ボールサイド側に意識を向けるのが、守備の原則。相手がいたり、展開が早くなってくると、マークをしなければいけないという意識の中で、逆に向いてしまうことがよくある。それはしっかりと共有していかないと目まぐるしく展開が変わる試合の中で、順番をはっきりしておかなければブレてしまう。そこが穴になって、相手に裏を取られてしまう。
言葉にすれば簡単だが、ピッチの中にいる選手は簡単ではない。それをトレーニングのなかで、選手たちに言い続けて刷り込んでいく。1週間の準備期間では難しいので、試合間隔が3週間空いたこのタイミングで行った。今日はすごくよくやっていたし、その積み重ね。
試合前に選手たちにも伝えたが、スコアというのは最後の結果でしかない。FC東京戦や甲府戦は「勝ちたい」、「勝ちたい」という思いから試合に入っていた。それは「鹿島は勝たないといけない」、「結果、結果」と言われ続けてきたなかで、やるべきことが失われていった。ポジションの取り方やリラックスしてシュートを打つこと、ボールコントロールのときに周りを見ておくことなど、いろいろなことが抜け落ちていくのは、プレッシャーのなかではよくあること。
それを順番を逆にしようと選手たちには伝えた。一つひとつの瞬間でやらなければいけないこと、意識しなければいけないことがある。それを一個、一個、積み重ねていけば、最終的に結果になってくる。その意識を統一した結果が、今日はプレーによく出ていたと思う。
試合後に選手たちにも伝えたが、この感覚を忘れないでほしい。こういう風に、丁寧に丁寧に積み重ねていくことで、穴が空かなくて、最後に相手に押し込まれても、体に当てられる。これを繰り返していけば、たとえ負けたとしても、相手はかなりの労力を使って勝たないといけなくなる。その意思統一をしっかりとできた試合になったと思う。
前半に北川という非常に重要な選手を失い、とても痛手となった。そのなかでも、チームとしてまとまって試合を進めることができていた。失点は、非常に悔しい形だった。
ただ、まだ可能性が残されている以上、あきらめずに戦っていくことが大事だと思う。
中断期間でセットしてからの守備とプレスに行くときの守備、どちらの状態でも相手に得点を許さないように取り組んできた。清水には前線に強力な選手もいるので、コミュニケーションを取りながら無失点に抑えて、勝利したい。
【常本 佳吾】
失点が続いているので、中断期間に選手間の距離や最後の最後でゴールを割らせない部分は意識して取り組んできた。みんなでコミュニケーションを取りながら、まずは無失点に抑えて、勝利に貢献したい。
【舩橋 佑】
中断期間で攻撃のバリエーションや全員で守って、攻撃に出ていく部分に取り組んできた。自分自身もチャレンジしながらプレーできている感覚はある。個人のプレーよりも、チームを勝たせられるように意識してプレーしたい。
【松村 優太】
清水は残留がかかっているので、必死で勝ち点3だけを取りにくると思うし、シーズン途中に補強して、調子が良かったときもあった。簡単な試合にはならない。クオリティの高い選手も多いので、注意して戦っていく必要がある。
【名古 新太郎】
内容も求めなければいけないが、まずは勝利しなければいけない。清水は残留がかかっているので、高いモチベーションで試合に臨んでくると思う。試合に向けて、いい準備はしてきたので、しっかり勝てるように頑張りたい。
相手は残留にかける思いがあった試合だった。自分たちは優勝も逃し、残留も決まっている状況。ただ、難しい試合だったけれど、やるべきことは変わらなかったし、やるべきことをやれたことが、結果につながったと思う。
【和泉 竜司】
出るタイミングは急だったけど、今週の練習で準備していた部分もあったので、練習通りにプレーできた。どのポジションで出場しても、チームのために戦うことは変わらない。だから、落ち着いて試合に入れたと思う。
【松村 優太】
個人としてもチームとしても重要な一戦だった。中断期間の3週間でやってきたことを各所に出せたと思う。勝利から遠ざかっていたなかで、勝てたことは良かったし、形もつくれてきた。流れのなかで得点を取ることができれば、これからもっと良くなっていくと思う。
【鈴木 優磨】
我慢して泥臭い勝ち点3だけど、勝利できて良かった。相手が死に物狂いで戦ってくることはわかっていたし、このところ、残留争いをするチームが上位に勝つことも多かった。難しい試合になることがわかっていたなかで、勝利できて良かったと思う。
【早川 友基】
シュートストップや守備の部分は問題なくプレーできたと思うが、前半はキックでうまくいかなくて、芝の感覚もうまくつかめなかった。ただ、後半に相手が前からこなくなったときに、うまく動かせたので、そこで自分もビルドアップに参加して、いいリズムができたと思う。
【三竿 健斗】
相手も残留がかかっているので、必死に戦ってきたなかで、自分たちが3週間取り組んできたことを出すということは大前提だけど、それよりもまずは、うまくやろうとしすぎずに、泥臭く走って戦おうということは、みんなで意識して、声をかけてやっていた。そこがあって、初めて戦術が成り立つと自分は思っているので、そうした姿勢を90分間、出せたことは良かった。これを毎試合当たり前にできるようになることが強いチームになるということだと思うので、次もまたその姿を見せたいと思う。