▼▼MATCH HIGHLIGHTS▼▼
2022明治安田生命J1リーグ 第25節、カシマスタジアムでアビスパ福岡と対戦した。前半に優磨のシュートで相手のオウンゴールを誘発。先制に成功すると、試合終了間際にエヴェラウドが追加点を奪い、2-0で岩政監督の初陣を勝利で飾った。
岩政監督が就任し、リスタートとなる福岡戦へ向け、チームが一丸となって準備をしてきた。「必ず勝利をつかみ取り、ファン・サポーターの皆さんと喜びを分かち合いたい」と優磨が語った通り、選手たちはアントラーズファミリーのため、勝利のみを追求し、試合に臨んだ。
なお、この試合は「常陽銀行Powerful Match 2022」として、さまざまなイベントが開催された。
先発は、GKがスンテ、最終ラインは常本、関川、ミンテ、広瀬、中盤から前線は、樋口、ピトゥカ、仲間、カイキ、土居、優磨が入った。ベンチには、沖、安西、林、小田、舩橋、中村、エヴェラウドが座る。
立ち上がりからアントラーズはアグレッシブかつエネルギッシュにプレーする。積極的な姿勢で前へ、前へとボールを進めていった。
すると、その勢いが得点につながる。10分、樋口が左サイドから右サイドの常本へ大きく展開すると、これを常本はヘディングで落とす。優磨はトラップで相手の逆を突き、ペナルティエリア内へ進入。キックフェイントで相手を滑らせ、右足を振りぬいた。シュートは枠に飛ばなかったが、平塚に当たってコースが変わり、ゴールネットへ吸い込まれた。優磨はそのままベンチへダッシュ。岩政監督と熱き抱擁を交わした。
得点後も、アントラーズは攻撃の手を緩めることはなかった。ボランチの樋口が左サイドに流れ、数的有利をつくると、相手の視線を集めて、右サイドへ大きく展開。広いスペースで常本や仲間のスプリント能力を活かした。18分には、優磨の縦パスから土居がゴール前での決定機を迎えるなど、再現性の高い攻撃を繰り出していく。
しかし、福岡も前線のジョン マリやルキアン、フアンマ デルガドをターゲットに、徹底したクロス攻撃を仕掛けてきた。27分にはジョルディ クルークスのクロスからジョン マリにポストにあたるヘディングシュートを許してしまう。
ただ、これに対して岩政監督がすぐに動く。前線のポジションを入れ替え、脅威となっていたジョルディ クルークスに対して、守備力のある仲間を対峙させ、相手の攻撃力を抑えていった。
激しい球際の攻防が繰り広げられ、選手が倒れて試合が止まる場面が増えた。ただ、難しい試合展開の中でも、アントラーズの選手たちは集中力を切らさない。リスクマネジメントを徹底し、攻守の切り替えも迅速に行われた。
一方、福岡のセットプレーは脅威となった。ジョルディ クルークスが高精度のクロスを連発し、前半終盤には、コーナーキックからジョン マリに決定的なヘディングシュートを許してしまう。ただ、これもスンテのセーブで凌ぎ、1-0とリードを保ったまま、ハーフタイムへ突入した。
後半から福岡は4バックから3バックに変更してきた。後半立ち上がりはサイドハーフが低い位置まで押し込まれ、やや福岡のペースで試合が進む。
そこで60分に岩政監督が動いた。仲間との交代で安西をピッチへ投入。安西は出場直後からエネルギッシュなプレーを見せ、左サイドを活性化させた。
試合はこう着状態に陥ったが、68分に決定機をつくる。優磨がタメをつくって、オーバーラップした土居を使うと、土居がふわりとしたクロスを送る。これをカイキがフリーでヘディングシュートしたが、惜しくもサイドネットの外に飛び、得点には至らなかった。
72分、樋口、土居、カイキをベンチに下げ、中村、舩橋、エヴェラウドをピッチへ送った。
福岡はシンプルなロングボールでゴール前に迫ってきた。ただ、守備陣を中心に我慢強く跳ね返し、1点のリードを全員で守る。81分には、相手のパワープレーに対して高さを補い、広瀬に代えて林を投入した。
球際の攻防が激しさを増し、両チームの選手たちがヒートアップしていく。ただ、熱くなった中でも、チーム一体となって戦い続け、福岡にチャンスらしいチャンスをつくらせなかった。
すると、後半アディショナルタイムに試合を決定づける得点が生まれる。パワープレーを仕掛けてきた福岡のクロスを優磨が跳ね返すと、クリアボールを相手がヘディング。これがピトゥカに渡ると、背後へ走ったエヴェラウドへスルーパスが出る。相手陣内を独走したエヴェラウドがシュートを放つと、一度は相手GKに止められるも、こぼれ球を自ら詰めて、ゴールネットを揺らした。エヴェラウドのダメ押し点が決まり、ベンチ前で再び歓喜の輪ができた。
そして、このまま試合終了。2-0で岩政監督の初陣を勝利で飾った。
次は中6日で湘南戦に臨む。チームの一体感を大切にしながら準備を行い、アウェイでの勝利を目指す。
【この試合のトピックス】
・エヴェラウドがリーグ戦3ゴール目
・優磨がLIXIL賞を受賞
・ピトゥカは次節出場停止



・サイドから効果的に攻めよう。
・決してペースを落とさず、2点目、3点目を狙いにいこう!
・この2試合含めてやってきたこと、できていたことを自信を持って続けていこう。
・コミュニケーションをとって、残り45分戦いきろう。
A.よく出してくれたし、それくらいの選手たちだということを確認できた。ただ、もっとたくさん出してあげたいし、後半に相手がパワーを持って出てきたときも、さらにいなしながら攻撃のところで相手陣地に入っていきたかったが、その部分はまだまだだったなと思っている。
Q.守備でも堂々と自信を持ってプレーしているように感じた。自信を持たせるために何か伝えたことがあった?
A.モチベーションは自分の中から出すものなので、それを彼らが出してくれたと思う。選手たちは先に型を作ってそれに当てはめると躍動しないものだと思っている。「まず自分の個性や持っている情熱を、出すことから始めてほしい。その上で私が捉えていく」と伝えて練習なり試合を進めてきた。少し選手たちにブレーキがかかっているところを外してあげただけ。彼らが持っているものを出しただけだと思う。
Q.代行のときを経て、監督として初めて勝利した気持ちは?
A.ホッとしているというのが一番です。代行のときは、なんだかんだで期待はされつつも、逃げ道があったような気がする。しかし、今はそれがない状況になった。そこは自分のなかでプレッシャーを感じていたし、そこをうまく乗り切れたというところではホッとしている。ただ、個人的には(代行の)この期間は非常に大きくて、あの期間があったから落ち着いてできた。ピッチ上では皆さんからは見えなかったかもしれないが、かなり自分の中で落ち着いてミーティングなり、試合の準備を進めることができて、手応えがあった。試合前にかなりの確率で勝つだろうという手応えを持つことができていた。一昨日まではあまり眠れなかったが、昨日はぐっすり眠ることができた。それは選手たちにも伝えたが、選手たちが良い準備をしてくれた。それは代行のときの経験が生きたと思っている。
Q.先制点の意味合いについて。
A.先制点は重要視していた。ただ、これは毎試合いろんな人が話すこと。福岡がより重要だというのはあるが、そこまで強調せず、私もそこまで気にせず試合に入った。なぜかというと、今日は我々には、選手のモチベーションがベースにあるが、声出しのサポートがあった。福岡がピッチを変えたと思うが、後半に自分たちの勢いに持っていくことはできると感じていた。たとえ先制点を取られてもやり続けようという話をミーティングからしていて、とにかく今日のポイントになるのは、15分までの戦い方、その後の戦い方、そしてそれを続けられるのか。この3段階で説明をして入った。願ってもない形で先制点を取れたが、それがなかったとしてもいけると思っていた。
Q.先制点の抱擁について。
A.点を取るたびにハイタッチをするのはあまり好きではなくて、儀式になっても仕方がないと思っている。なので、スタッフに「僕はハイタッチしないから」と言っていた。興奮してハイタッチしに行ったら、スタッフも出てきたので。そのなかでハイタッチをしていたら、「大樹、優磨が来てる」という話になってパッと見たら、あれはなんて言うんでしょうか。神戸戦のときよりも痛かった。かなりアゴに直撃して、前半はずっと痛かったですね。勝ったときも2点目のときもそう。選手たちが非常によくやってくれたことが、自分としてもうれしかったし、今後につながるものだった。
Q.試合の進め方で、スタミナ切れと思えば3枚替え、1点を守り切ろうと5バックにしたり、岩政監督らしい采配と見ていた。今日の展開について。
A.今週はいろんな想定のなかで戦略を立ててきた。練習でも今日の3-5-2の形を準備していた。相手が3バックでくる、4バックでくる、どちらも準備をしていた。今日はすべて選手たちのおかげだが、試合展開を準備したなかでプレーができたのは非常に良かった。ただ、システムを変えるのはこれまでアントラーズではやってこなかったこと。私は代行のときもそうだし、選手たちにも求めている。それは、システムを変えることが目的ではなくて、選手たちの個性、そして相手との噛み合わせのなかで、同じものだとうまく活かされないにも関わらず、同じでいく理由が見つからないから変えているだけ。それは選手たちにも説明している。例えば、今日5枚にしたことも、相手のウイングバックに対して1対1で強い選手をぶつけたり、中央のシステムのズレを追うことで、中村亮太朗がフリーになったりというところをいかに使うのか。具体性を持って使った方が、選手たちはわかりやすいと思うし、自分の武器の使い方がすぐに理解できるはず。そのためには、試合中は声が通らないので、システムを変えた方が伝えやすいし早く伝わると思っている。そのためにやっているので、システムを変えることに目的はないが、選手にわかりやすく、そして個性を活かしてくれというメッセージです。
Q.前半の半ばに仲間選手とカイキ選手、その後に土居選手とカイキ選手が入れ替わった。監督の指示だったのか、選手の考えだったのか?
A.あの場面は僕の指示で変えた。流動的に動かしているので、どこに変えようとも形を維持してくれればいい。あの場面では僕が指示をした。クルークス選手からのクロスでチャンスを作っていて、彼らも狙っていたので、どれくらい対応するか。初めに対応してしまうと、選手たちの意識が寄ってしまうので、自分たちの良さが出ているときは我慢をしていた。少し嫌な感じがしたので、また相手に対策していると見せたかったので変えた。カウンターになったときにスピードを活かせるカイキ選手をトップ下に置いて、3枚の並びを変えた。
守備の仕方、そしてチーム全体でどう攻めるか。その部分がより明確になるようにトレーニングしてきた。監督が交代して、またみんなにチャンスがあるという中で、全員のモチベーションは高まっていると感じる。自分も負けずに結果を残したい。
【広瀬 陸斗】
今シーズンの初めに岩政監督に指導されたことを思い出して、これまでの良かった部分を残しながら、良いトレーニングをすることができた。その成果を発揮できるようにしたい。守備が堅い福岡との対戦になるが、相手を良く見ながら、戦っていきたい。
【仲間 隼斗】
思うような成績を残せず、監督が代わるという形にはなりたくなかった。それは選手たちみんなが思っていること。ただ、下を向いても仕方がない。結果をしっかりと受け止め、リスタートする試合になる。前を向いて、上を目指して戦う。
【鈴木 優磨】
岩政監督の初陣ということで、非常に重要な試合になる。そして、まだ声出し応援運営検証対象試合で勝利できていないという状況。必ず勝利をつかみ取り、ファン・サポーターの皆さんと喜びを分かち合いたい。
【安西 幸輝】
岩政監督のもとで、いいトレーニングができているし、初陣を勝利で飾りたい。前線には強力な選手が揃っている。そこはDFとしてしっかり抑えないといけない。まずは1勝できるようにしたい。
今週は非常に良い練習ができて、自信を持って試合に入れた。試合前に岩政監督が相手の分析をし、そのような事象が実際に起きていたのでプレーしていて楽しかった。苦しい時間帯もあったが、良い試合ができたと思う。岩政監督からの信頼をピッチ上で示し、この一戦のような熱量でこれからも戦い続けたい。
【土居 聖真】
勝てたことにホッとしている。岩政監督から「自信を持って、楽しんでこい」という言葉をかけてもらい、それを全員が体現できた。(サポーターの声援は)本当にありがたくて、心にしみた。歳を重ねると涙腺が弱くなってくるので泣きそうだったけれど、涙はまだ見せられない。次の試合に向けてまた準備したい。
【ディエゴ ピトゥカ】
まずは結果がついてきたことをとてもうれしく思う。今日は特にファン・サポーターの皆さんがすばらしい雰囲気を作り出してくれて、自分たちにモチベーションを与えてくれた。結果だけではなく、内容としてもしっかりと試合をコントロールできて良かった。ここから一度体を休めて、また次の試合の準備をしていきたい。
【広瀬 陸斗】
自分たちのやりたいサッカーをこの1週間で整理できた。今日は良い攻撃ができた実感もある。また、守備のやり方も練習してきたことで改善でき、複数得点、無失点での勝利につながったと思う。今日、勝ったからといって満足することなく、天皇杯を含めて残りの12試合に全部勝ってタイトルを獲りたい。
【エヴェラウド】
(得点シーンは)ピトゥカがとても良いパスを出してくれた。最初はループシュートを狙ってうまくいかなかったが、こぼれ球をしっかり決めて勝ち点3を手繰り寄せられて良かった。我々にとって意味のある結果は勝利しかない。タイトルの可能性がある限り、それを信じて戦い続けたい。
【林 尚輝】
短い出場時間ではあったが、まずはチームの勝利に貢献できて良かった。今季は怪我をしたりしてなかなかサッカーができない状態だったが、今日、サポーターの声援を受けながらピッチでプレーすることができ、改めてアントラーズの一員であると感じられた。特別な時間だったし、サポーターにも感謝したい。