第101回 天皇杯準々決勝、等々力陸上競技場で川崎フロンターレと対戦した。前半にセットプレーから先制点を奪われると、後半立ち上がりに不運な形で失点し、わずか3分後に3失点目を喫する。試合終了間際に荒木のゴールで追い上げたが及ばず、1-3で敗れ、準決勝進出には至らなかった。
3週間の中断期間を経て臨んだ10月23日のFC東京戦は、カイキと上田のゴールで2-1と勝利した。一発勝負の天皇杯準々決勝へ弾みのつく勝利だ。試合後に相馬監督も「選手たちは『勝ちたい』という気持ちを表現してくれたし、チームが一つになっていたと感じる。今後につながるゲームとなった」と話し、「次は天皇杯がある。そこに向けて再びいい準備をしていきたい」と語った。
先発は先のFC東京戦と同じ11人が名を連ねた。GKは沖、最終ラインは右から常本、関川、町田、安西、ボランチはピトゥカと三竿のコンビ、前線はアラーノ、カイキ、土居、上田が入った。そして、ベンチには早川、犬飼、レオ、和泉、荒木、遠藤、エヴェラウドが座った。
立ち上がりからアントラーズは守備の強度を意識して試合に入った。球際で激しく戦い、奪ってから縦に速い攻撃を仕掛ける。守備では川崎Fにゴール前まで迫られる場面もあったが、自陣ペナルティエリア内で身体を張り、得点を許さなかった。
しかし、時間の経過とともに、川崎Fのボール支配率が高まる。中間スぺースで細かくパスを繋がれ、アントラーズの守備陣が収縮すると、逆サイドに展開され、チャンスをつくられた。少しずつボール保持者への寄せられなくなり、セカンドボールの争いでも後手を回るようになる。試合の主導権は川崎Fに渡った。
飲水タイムのあとも、受け身の守備から脱却できない。守備陣の頑張りでなんとか無失点で耐え凌いでいたが、危険な状態が続いた。
すると、32分に試合が動く。コーナーキックを脇坂が蹴ると、ニアサイドでマルシーニョと町田が競り合った。町田に当たったボールはオウンゴールとなり、先制点を奪われる。
リードを許したあと、少しずつボールを支配できるようになったアントラーズだが、攻撃の糸口を見出せない。40分には、相手の背後を突いた1本のロングボールからチャンスをつくったが、シュートまで持ち込めなかった。前半はこのまま最後まで川崎Fのペースで終わった。
後半開始からアントラーズは積極的に攻撃を仕掛けた。しかし、全体の意識が前がかりになり、バランスが崩れる。すると、48分に試合が動く。マルシーニョからのパスを受けた脇坂にシュートされると、これが旗手に当たってコースが変わり、ゴールネットに吸い込まれてしまった。アンラッキーな形で2失点目を喫する。
さらに51分、前がかりになったところをカウンターで狙われた。家長からのパスを受けた脇坂にペナルティエリア手前から左足を振り抜かれ、強烈なシュートを決められてしまう。得点差は3点に広がった。
状況を打開すべく、54分にアラーノとカイキがベンチに下がり、荒木と和泉がピッチに立つ。荒木は投入直後から中間スペースでボールを引き出し、攻撃を活性化させた。
しかし、ボール支配率は高まったが、効果的な攻撃を仕掛けられない。感覚的なプレーでチャンスをつくる場面はあったが、中間スペースにボールを入れられず、川崎Fの組織的な守備を崩すことができなかった。
すると相馬監督は77分に土居と上田をベンチに下げ、遠藤とエヴェラウドを投入した。両サイドからのドリブル突破でペナルティエリア内へクロスを入れたが、川崎Fの守備陣を動かせず、中央で跳ね返され続けた。
それでも諦めずに攻め続けると、90分に得点が生まれた。和泉からのパスを受けた安西がゴール前へパスを送ると、これが相手選手にクリアされる。このクリアボールに荒木がうまく反応し、頭で合わせると、ヘディングシュートはゴールへ吸い込まれた。
しかし、反撃もこの1点に終わり、そのまま1-3で試合終了を迎えた。この結果、天皇杯での敗退が決定した。
次はリーグ戦へ戻り、アウェイで広島と対戦する。来季のACL出場権獲得に向けて、エディオンスタジアム広島で勝ち点3獲得を目指す。
【この試合のトピックス】
・荒木が天皇杯で初ゴール



・ボールを奪った後のプレーを正確にしよう。
・勇気をもって前を向いてプレーしよう
・セカンドボールの処理をしっかりと。
・攻めは中と外をうまく使って。
・2点目、3点目を取りにいこう。
天皇杯は、われわれに残された最後のタイトルだった。今シーズン、2敗している川崎F相手に、勝利できるよう準備してきたが、良い結果とはならなかった。
本来であれば、自分たちがスタートから勢いを持ってプレーしていかなければいけなかった試合。リードを奪われてからギアを上げるという形となってしまった。
最後まであきらめることなく、戦ってくれた選手たちには感謝したい。ただ、このような大事な試合で結果を出すことができなかった。私の力不足だと感じている。
残る試合は、リーグ戦の5試合。しっかり戦っていきたい。
Q.どのようなゲームプランを持って試合に入った?
A.直近のFC東京戦のようにチーム全体の重心を前にしていきたかったが、うまく試合に入ることができなかった。守備の部分でも、思った以上にブロックが下がってしまった。川崎Fの攻撃を我慢して守り切ることができれば良かったが、我慢できず失点してしまった。立ち上がりは、自分たちから主体的にボールを運ぶシーンが少なかった。それによって相手に主導権を握られてしまった。
Q.重心が後ろに重くなってしまった要因は?
A.選手たちにはボールを奪ってから前にはやくボールを運ぶという部分を意識してもらった。しかし、ボールを受ける準備が遅かった。
Q.川崎Fとの差は?
A.パスの精度だったり、戦術の浸透度だったりと色々なものが高いレベルにあった。川崎Fの攻撃を我慢して守り切りたかったが、それができなかった。
自分が前線の起点を作らせない。そして、自分一人で守るのではなく、チーム全体でコンパクトに守っていく。ここ数年、川崎Fに勝つことができていない。この悔しさは、みんな持っている。その反骨心や悔しさを天皇杯でぶつけていきたい。
【アルトゥール カイキ】
川崎Fは、チームとしての完成度が非常に高い。ただ、チームとしても選手個人としても、僕たちがクオリティの部分で負けているとは思わない。しっかりとそれをピッチで表現し、川崎Fが焦るようなプレーをして、必ず勝利を掴みたい。
【荒木 遼太郎】
川崎Fは、あまりスキがないチーム。少しのスキをなんとかかいくぐり、ゴールにつなげていきたい。リベンジをするという気持ちが強くある。絶対に勝つ。すべてをかけて戦っていきたい。
選手、スタッフ含め、この大会に懸ける思いは非常に強かった。ただ、勝利することができず、非常に悔しい結果となった。立ち上がりの15分で川崎Fに対してプレッシャーをかけていきたかったが、圧力をかけることができず、逆に打開されてしまった。そこが勝てなかった要因だと感じている。
【荒木 遼太郎】
天皇杯がタイトルをとることができる最後のチャンスという中で、勝つことができず、非常に悔しい。いつも僕たちを応援してくださるファン・サポーターの皆さんに対して、本当に申し訳なく思っている。残りのリーグ戦では、ACL出場圏内に入ることができるよう、全力でプレーしていきたい。