アントラーズは、明治安田J1第14節でガンバ大阪と対戦した。前半早々に先制される苦しい展開となったが、43分に相手の一瞬の隙を突いて、土居が見事な同点弾を奪取。後半に入ると、アントラーズが怒涛の攻撃で相手を圧倒したものの、追加点は奪えず。中断前、最後の試合を勝利で飾ることは出来なかった。
▼▼DAZN MATCH HIGHLIGHTS▼▼
6日前の鳥栖戦。リーグ3連勝中と勢いに乗るアントラーズは立ち上がりから積極的にプレスをかけ、ボールの出所を抑えに行った。しかし、鳥栖のロングボールを多用したスタイルに苦しみ、アントラーズの前線からのプレスはほとんど機能しなかった。拮抗した展開のまま迎えた後半アディショナルタイム、カウンターから痛恨の失点。降格圏に沈んでいた鳥栖を相手に、まさかの敗北を喫してしまった。
内容では負けていなかったが、掴みきれなかった勝ち点。攻撃陣を牽引した土居は、「良くも悪くも相手に合わせてしまったと思う。それだと難しい試合になってしまう。90分間頑張っていたのに、最後にやられてしまったのはもったいなかった。チームとして止めないといけないところだった 」と悔しさを滲ませた。
だが、落ち込む暇はない。中断期間前の最後の試合が待ち受けている。指揮官も「この暑さの中で、選手たちも非常によく戦ってくれた。ただ、自分たちが最後に非常に受け入れられない失点をしてしまったというところは、しっかり改善して、前進していきたい」と、選手たちを労い、すぐに次戦へと意識を切り替えていた。
1日のオフを経て、心身のリフレッシュを図ったチームは、5月28日にクラブハウスに再集合した。練習再開の前にミーティングを実施し、中断期間前の最後の試合に向けて集中力を高めた。絶対にアウェイで勝ち点3を持ち帰る。その覚悟を持って、G大阪戦への準備を進めた。29日には午前と午後の2部練習を実施。鳥栖戦で出来ていたこと、出来ていなかったことを振り返り、攻守両面で課題改善を目指したトレーニングを行った。試合前日はセットプレーの確認などを行い、調整を終えた。
そして、迎えた6月1日。キックオフ2時間前に注目の先発メンバーが発表された。GKはクォンスンテ、最終ラインは前節と変わらず、右から山本、チョン スンヒョン、犬飼、安西が入った。ボランチは久々に三竿と永木のコンビ。サイドハーフは右に今季リーグ戦初先発となる中村、左に白崎が入り、前線は土居とセルジーニョが2トップを組んだ。ベンチには曽ケ端、町田、レアンドロ、遠藤、名古、安部、金森が座る。
一方、G大阪は予想通り、前節と同じ3-1-4-2の布陣で臨んできた。しかし、出場が予想されたファン ウィジョ、菅沼駿哉はベンチとなり、代わりに食野亮太郎、キム ヨングォンが先発出場した。
背番号12がパナソニックスタジアム吹田へ続々と駆けつけた。ビジタースタンドをアントラーズレッドに埋め尽くし、試合開始時刻が迫るにつれて、ボルテージが高まっていく。選手たちがウォーミングアップで登場すると、青黒を凌駕する熱量がピッチへと降り注がれた。アントラーズファミリーの期待に応える勝利を。決意と覚悟を持ってこの一戦に臨んだ。
そして、19時3分。キックオフのホイッスルが鳴った。
立ち上がり、アントラーズは両サイドを広く使ったG大阪の攻撃に苦しむ。4-4-2の守備ブロックを敷いたものの、選手間のスペースでボールを引き出され、効果的なプレスをかけられず。フルパワーで試合に入ったG大阪の圧力に押され、主導権を握ることが出来なかった。
すると、13分。アントラーズが恐れていた事態が起こる。左サイドから突破を許すと、ゴール前で混戦を生み出され、最後は食野にゴールネットを揺らされてしまった。0-1。アントラーズは、欲しかった先制点を奪われ、早い時間でビハインドを負うこととなった。
反撃に転じたいアントラーズだったが、失点後もなかなか主導権を握れない展開が続く。G大阪の素早いプレスと正確なボール回しに苦しみ、思い通りのプレーが出来ない。ほとんどチャンスをつくれないまま、時計の針が進んでいった。
それでも、苦しい時間帯を耐え抜いたアントラーズに決定機が訪れる。43分、永木からのサイドチェンジで相手DFと入れ替わった安西は、左サイド深くまでドリブルで進入し、土居へラストパス。ボールを流しながらトラップし、見事に相手DFを交わした土居は、相手に寄せられながらも、右足でシュート。鋭く低い弾道のシュートは、見事にゴールネットを揺らした。1-1。数少ないチャンスをものにして、アントラーズが同点に追いついた。
前半はこのまま1-1で終了。ハーフタイムに指揮官は、「相手のプレーにあわせず、ピッチで自分たちのプレーを表現しよう」、「連係して相手を追い込み、ボールを奪おう」、「立ち上がりからギアを上げ、相手を圧倒しよう」と、選手たちへ自分たちのスタイルを貫くことを求めた。逆転勝利へ。決意と覚悟を持って後半に臨む。
指揮官の指示通り、後半は立ち上がりから積極的なプレスと果敢な攻め上がりでG大阪を圧倒していく。攻撃は先制点を奪った好調の土居を中心に組み立て、G大阪のゴールへと迫っていった。
65分、指揮官が一人目の交代カードを切る。中村に代えて安部を投入。中央を固めるG大阪の守備陣を崩すべく、サイドからの圧力を強めた。
完全に試合の主導権を掌握したアントラーズは、ここから怒涛の攻撃を仕掛けていく。70分にはセルジーニョが枠をかすめるミドルシュート、71分には安部がペナルティエリア内へドリブルで進入してからシュートを放つ。どちらも枠を捉えられなかったが、追加点への機運が高まった。
しかし、G大阪を自陣に押し込み、ゴール前で立て続けにチャンスをつくっていくアントラーズだったが、あと一歩のところでゴールを奪えない。
74分、指揮官が再び動く。山本に代えて町田を投入。町田が左サイドバックに入り、安西が右サイドへポジションを移した。
この交代によって右サイドがさらに活性化する。右サイドバックにポジションを移した安西、途中出場の安部、前線の土居らがボールに絡み、流動的な動きでG大阪の守備陣を翻弄した。
だが、攻撃の勢いはさらに増したものの、G大阪の粘り強い守備をなかなか攻略出来ない。
83分、指揮官が最後のカードを切る。永木に代えてレアンドロを投入。両サイドにドリブラーを配し、サイドからの圧力を強めた。
すると84分、アントラーズに決定機が訪れる。右サイドで高い位置を取った安西がクロスを入れると、ファーサイドで町田が飛び込み、高い打点でヘディングシュートを放った。しかし、これは惜しくもゴールバーに阻まれ、追加点には至らなかった。
猛攻を仕掛けるアントラーズ。90分には、カウンターからレアンドロが左サイドを駆け上がり、数的優位をつくってゴール前でラストパス。土居、セルジーニョが中央で待っていたが、パスは通らず、ゴールを奪うことは出来なかった。
怒涛の攻撃も実らず、このまま試合終了のホイッスルが吹かれた。1-1。中断前、最後のゲームで勝ち点3を奪うことは出来なかった。
次戦は6月14日、ホームで迎えるC大阪戦だ。準備期間は2週間残されている。現実と向き合いながら、課題を一つ一つ修正していかなくてはいけない。次なる戦いで必ず勝利を掴み取るために、中断期間で最善の準備を進めていく。
【この試合のトピックス】
・中村が今季リーグ戦初先発
・土居が公式戦6試合ぶりの得点
・土居の得点でアントラーズはアウェイ通算700ゴールを達成


・連係して相手を追い込み、ボールを奪うこと。
・立ち上がりからギアを上げ、相手を圧倒しよう。
・前線のサポートを早く。
・カウンターの準備をしっかりしておく。
Q.立て直した後半は、どのような部分がよかったか?
A.前半は、相手のボールの動かし方に対して、自分たちが同じように動いてしまい、相手にスペースを与えてしまっている場面が多々あった。後半は、コンパクトに守備ができていたし、しっかり攻撃につなげることができていた。
連敗はできないし、もう一度連勝を続けていくために大事な試合になる。G大阪は前節の鳥栖と同様に、あまりうまくいっていないところから勝ち点を積み重ねてきて、調子も上向きになってきている。前回と同じ失敗を繰り返さないように強い気持ちをもって試合に臨むことが大事になってくる。
【三竿 健斗】
相手は前から激しくプレスをかけてくるし、ホームだとさらに激しさが増す。相手を見て、どのようにプレーするかという判断の切り替えを全員で出来れば問題ないと思う。守備の部分や攻撃の部分の両方で、自分のプレーの幅を広げていきたい。
【山本 脩斗】
映像を見る限り、守備は3バックでくるのかなと思う。そのシステムで結果を残している。カウンターなど、一発を狙ってくることもあると思う。スピード、テクニック、シュート力のある選手がいるので、攻めているときのリスクマネジメントをしっかりチームとして意識していきたい。
【犬飼 智也】
注意するべきところは、相手の2トップだと思う。攻めているときのリスクマネジメントはしっかりやっていきたい。相手のシステムに対してのやりにくさはないし、ボールを持てる感じもある。なるべく自分たちでボールを保持して、自分たちのペースで試合を展開していきたい。
【安西 幸輝】
相手のチーム状態もあまりよくないと思うので、G大阪戦では、もう少しボールを速く回して、相手を大きく揺さぶっていきたい。アウェイでの試合が続くが、しっかりアウェイで勝ち点3を取って中断期間に入りたい。
立ち上がりの失点の場面は、反省しないといけない。ボランチがどこまでプレスをかけに行くのかというのが、はっきりしなかった。話しながらやっていたが、少し戸惑った部分もあった。行くところと行かないところの判断がうまくできてからは、そこまで危ないシーンがなくできた。
【永木 亮太】
前半は前線からプレスをかけに行くと話していたが、なかなかそれがハマらなかった。しかも、失点をしてしまう展開だった。そのあとは、バイタルエリアでボールを回す回数も増えたし、そこでサイドチェンジも入れながら、いい流れで1点を取れたのはよかった。
【山本 脩斗】
前半の最初に失点してしまったが、そのあと焦れずに1点を返して後半を迎えることができた。相手は、後半に体力が落ち、自分たちのペースになると思っていた。ただ、最後まで2点目を取ることができなかった。勝ちたい試合だった。
【安西 幸輝】
前半の最初はポゼッションのところでミスが増えて、なかなかボールか来なかった。すごく難しい展開だったが、1点返して相手がアグレッシブに来られなくなったところでボールを回せるようになった。ただ、もう少し早く対処しなければいけなかったと思う。
【三竿 健斗】
前半は、相手のシステムにうまく対応できなかった。ハーフタイムにそこを修正して、後半はうまく守れていた。次回、今日のようなシステムの相手と対戦した時はしっかり対応していけると思う。