
今季カシマでのラストゲームでJリーグチャンピオンの名古屋を破り、天皇杯準決勝進出を決めた。前半早々の7分に興梠が先制点を決めれば、同点にされた直後の78分、大迫が見事な個人技からの決勝ゴールと若いツートップの活躍が目立った試合となった。


今シーズン手にし得る唯一のタイトル、そして大岩のカシマラストゲームとあって、鹿島は序盤から気迫のプレッシングで試合をコントロールする。開始15秒にして興梠がカットしたボールを小笠原が直接ゴールを狙ったシーンがその勢いを象徴していた。また5分にもボール奪取した中田が中盤からそのままドリブルで持ち込み低い弾道のミドルシュートを放つなど、闘莉王、ケネディなど主力選手を欠く名古屋を圧倒した。

そして7分、野沢のダイレクトパスから興梠がうまく前線へ飛び出し、ゴールへと流し込む。この早い時間帯での先制点で勢いに乗った鹿島だったが、その後は名古屋にもボールをキープされる。しかし伊野波、岩政を中心とした最終ラインは安定した守備で名古屋攻撃陣になかなかチャンスを与えない。序盤は完全に鹿島のゲームだった。


しかし25分、不意なアクシデントがピッチ上で起きる。何と最終ラインの岩政が負傷し、自らプレー続行不可能のサインをベンチに送る。その代役として大岩が急きょピッチに送り出され、カシマラストゲームで早くも出番を得た。


今季限りで現役を引退する大岩にとっても不意な出場となり難しい試合の入りとなると思われたが、やはり経験豊かなベテランは動じることなく、岩政の代わりに最終ラインを統率する。結局、前半は1-0のまま鹿島のリードで終えた。

後半に入り名古屋に攻め込まれる場面が増えるも、盟友である大岩のカシマラストゲームを絶対に勝利で飾りたい新井場が、気迫の守備で相手の攻撃をことごとく止める。その新井場の強い気持ちがチーム全体に乗り移ったのか、ここ数試合は疲れが目立ち失速した後半でも鹿島の運動量は落ちない。

76分、小川に同点弾を許すもその2分後にはフェリペ ガブリエルのパスから大迫が見事なステップで相手選手をかわし、左足で見事なゴールを決める。これで2-1と再びリードを得た鹿島は最後まで名古屋の攻撃を防ぎきり、Jリーグチャンピオンに対し今シーズン3連勝という意地を見せた。

残された唯一のタイトルである天皇杯で準決勝進出を決めた鹿島。試合後、感動的な引退セレモニーの主役となった大岩がいみじくも言ったように、戦いはまだ終わっていない。最後の歓喜を得るため、残り2試合、鹿島は勝ち続けなければいけない。



・中盤のマークをしっかりしよう。
・相手のDFの背後を狙おう。
・まだゲームは終わっていない。もっとペースを握ってアグレッシブにいこう。
・スコアするには充分に時間があるので強い気持ちでプレーしよう。
非常によかったと思う。興梠は戦う姿勢が良かったし、しっかりと結果を出すことができた。特に今日の大迫については素晴らしい戦い方をしてくれたし、新たな成長を見せてくれた。
Q:今のチームの状態は?
4日にリーグ戦が終了してから間が空き、25日に天皇杯が行われる形となったが、シーズン終盤になって25日・29日・1月1日と、なぜ短い期間で試合をこなさなければならないのか理由がわからない。終盤になれば選手たちにも疲労がたまっていくなかでリーグ戦が終わって3週間あいて再び試合を戦っていかなければならないというのはコンディション的にも難しい。もっと均等な使い方があるはずなのではないかと思う。
Q:岩政のケガの状況は?また、今シーズン名古屋に3連勝したが特別な思いはあるのか?
岩政については検査待ちのためまだわからない。名古屋戦については、今シーズン3戦3勝ではあるが、名古屋戦だからといってこれといって特別な思いはないが、ただ、名古屋との試合は良い試合が見れるし、試合の内容としても非常にいい内容であったと思う。
Q:今シーズンで引退となる大岩選手へメッセージを。
彼に対してコメントはたくさんある。そのなかでも僕自身は幸運な持ち主だと思っている。それは大岩選手のような素晴らしい選手に出会えたこと、そして彼のような素晴らしい人間性に出会えたということは本当に光栄である。もちろん寂しさはある。彼は本当に素晴らしい人格者である。いい出会いもあり、彼と一緒に過ごしてきた人たちや我々のような関係者にとっては(彼の引退は)残念であるけれども今後も彼は生き続けるわけであって、彼はとても大切な存在。選手としても人間としてもお手本になる。彼が蒔いた種に水をまき、第二世が育っていけるよう、彼の培った経験や人格を含め、しっかりと若手に伝えていって、今後彼を継ぐものが彼をお手本とし、そして僕自身もアントラーズをさらに強くしなければという強い思いを持っている。
久しぶりに点が取れて嬉しかったです。タクさんとは蹴る瞬間に目が合ったし、タイミングよく出してくれた。まだ残り2試合あるので頑張って優勝したい。
【曽ヶ端 準】
2トップがしっかり点をとってくれたので良かった。DFラインが途中で代わったけれど、剛さんは経験もある選手だし問題はなかったと思う。(セレモニーでは)剛さんが珍しく泣いていたし、花束を渡す役が自分だったらヤバかったです。
【フェリペ ガブリエル】
2点目はDFとDFの間に大迫選手が見えたので、そこを狙ってパスを出した。名古屋は主力がいなかったが質は落ちていなかった。難しい展開になることはわかっていたが、いい準備をしてきたので結果を残す事ができた。大岩選手はロッカーが隣なので色々とアドバイスをもらった。いいお手本だし、人として尊敬している。
【岩政 大樹】
怪我はブロックに行く前、走りだした時にやった。1年間、我慢してやってきたので、それが出てしまった。怪我は強いので検査してみないとわからないが、治りは早いと思う。半袖、手袋は皆さんが思うようにとらえてくれたらいい。
【大迫 勇也】
先制してからは落ち着いて攻めることができたが、早く2点目を取りたかった。リーグ戦が不甲斐ない結果だったので、これで波に乗れればいいと思う。同点にされてからは慎三さんと90分で決めようと話した。剛さんにはお世話になったので、まだ一緒にプレーできてよかった。得点した後はありがとうと言われた。
※新井場選手、中田選手の試合後コメントはアントラーズモバイルをご覧ください。