直売所を巡る〜道の駅いたこ 新鮮市場伊太郎〜

2020.08.08(土)
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今回は、道の駅いたこにある新鮮市場伊太郎に足を運びました。伊太郎というのは、橋幸夫さんの名曲「潮来笠」や「伊太郎旅唄」にちなんだもので、潮来市民のみなさんにとっては非常に馴染み深い名前です。

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店内に入るとさっそく、茨城県伝統工芸品の「あやめ笠」のお出迎え。

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平日の午前中にもかかわらず、この賑わい。

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地元生産者のみなさん、おはようございます。生産者の顔が見えるのは素敵です。

給前チーフマネージャーにこの直売所のおすすめを聞いたところ、漬物が人気であるとのこと。生産者が自分でつくった野菜を加工して、販売を行っているそうです。そう、まさに付加価値を生み出す6次産業化。固定客もついていらっしゃるほど、人気とのことでさっそくチェックしてみます。

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はい。これは間違いないですね。なす、うり、白菜、美味しいに決まってますね。「農家のお母さんの作る漬物」という響きだけで、ごはん2杯はいけますね。

はい、次は米です。

水郷潮来といえば、江戸時代には下総の佐原と並ぶ水運の要所で、東北の諸藩から江戸へ運送される米・海産物・材木・その他の物資は潮来を経由して運ばれていました。その一方で新田開発によって広大な農地と村落が形成され、今では全国有数の米どころとして有名になりました。東関東自動車道下りの潮来ICに差し掛かる道中には、田園風景のパノラマが広がっています。

米のことわざといえば、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」。稲が成長すると実をつけ、その重みで実(頭)の部分が垂れ下がってくることから、立派に成長した人間、つまり人格者ほど頭の低い謙虚な姿勢であるという意味です。自戒の念を込めて。

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「潮来あやめちゃん」、おはようございます(謙虚に)。

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美味しいお米さん、こんにちは(誠実に)。

特に有名なのが、茨城県が育成した極早品種の「一番星」。お盆の前に新米が食べられるなんて、生産者さんたちのたゆまぬ研究努力の結晶ではないでしょうか。こちらはまた後ほど取材してみたいと思います。

伊太郎では米だけではなく、米の加工品も数多く販売されています。かきもち、もちなど、その中でもひと際際立っていたのが、米粉麺のフォーです。フォーはベトナム料理に用いる、米粉で作った平打ちの麺のことです。お店の外にキッチンカーがあり、そこでフォーが食べられます。筆者も人生初体験です。

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11時オープンで米粉麺モット・フォー(500円税込)、味は3種類(チキン、ビーフ、カレー)、生春巻きセット(650円税込)とおにぎりセット(600円税込)があります。

チキン、生春巻きセットを店員さんに注文。

店員さん「パクチーはかけても大丈夫ですか?」

筆者「お気の召すままに!」

好みもありますから、選べるようですね。

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ほどなくして、着丼。平打ちのフォーと牛骨ベースのあっさりとしたスープ、チキン、もやし、ネギ、オニオン、そしてパクチーのコンビネーション抜群ですね。これは美味しい。ここはベトナムかと思えるようなエスニックな雰囲気を感じられました(ベトナム行ったことないですけど)。

レモン、ナンプラー、チリソースなどの調味料もあり、味の変化も楽しむことができました。ご馳走様でした。

なんと、この米粉麺自宅でも味わえるそうです。伊太郎では冷凍のフォーが販売されています。

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給前チーフマネージャーにお話を伺うと、このフォー、自社で作っている生麺であると。道理で美味しいわけだと。図々しくも米粉麺をつくっている機械を見せていただきました。

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おおー本格的。想像よりも大きい。本場ベトナムから直送の機械だそうです。商品化までにはベトナムに何回か足を運んで、作り方などを研究されたとのこと。ベトナムのようなエスニックな雰囲気が感じられたのにも納得です(ベトナム行ったことないですけどね)。

6次産業化の本質は、単に、生産、加工、流通することで高付加価値化を目指すだけにとどまらず、原料そのものの付加価値、ブランド化を図ることとされています。米の消費量が落ちている昨今、潮来の米のブランド化を図り、消費拡大に向き合う取り組みには自然と頭を垂れる筆者でありました。

まさに、直売所は地域の縮図。

文・写真:関口(地域連携チーム)

道の駅いたこ 新鮮市場伊太郎 
茨城県潮来市前川1326
TEL 0299-67-1161