直売所を巡る〜道の駅たまつくり 行方市観光物産館こいこい〜

2020.08.12(水)
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今回は、道の駅たまつくりにある「行方市観光物産館こいこい」へお邪魔しました。その名のとおり、お客様を招き入れようとするホスピタリティが感じられます。ここは行方市と、かすみがうら市を結ぶ霞ヶ浦大橋のたもとにあり、古来より人の往来が盛んな場所で、江戸時代には対岸へ渡るための渡船場が置かれていました。

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霞ヶ浦は琵琶湖に次いで日本で2番目に大きい湖(湖面積約220㎢)ですが、湖岸延長は約260㎞で国内第1位です。また、霞ヶ浦の平均水深は約4m、最大水深は7mと、広くて浅い湖ですが、こちらの直売所は広くて奥の深い商品が並んでいます。

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店内は開放的で、新鮮な野菜がお出迎えしてくれました。また、生産者さんが商品の品出しをしていました。生産者が直接品出しをしている姿は、野菜の新鮮さを背中でアピールしているようで、そこがまた直売所のいいところ。

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6次産業化商品や特産品連携商品のコーナーがありました。行方市の特産品である甘藷(サツマイモ)のお菓子やお酒の加工品はもちろんのこと、北海道登別市や網走市、大阪府泉佐野市の商品も並んでいます。北海道や大阪に行かずとも、ここで特産品が買えるなんて予想だにしていませんでした。

その一方で予想していたこともありました。水産物はあるだろうと。霞ヶ浦を目の前にして山の幸があることはなかろうと。

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ありました。ありました。ワカサギ、シラウオ、カワエビ、ハゼの佃煮や煮干。

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ありました。ありました。鯉の甘煮。郷土料理としてお祝いごとに出されることもあります。

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ありました。ありました。コイのお刺身。え、鯉のお刺身!? 珍しい。

霞ヶ浦では天然のコイも生息していますが、小割式養殖(網いけす養殖)という方法で食用コイを養殖しています。ちなみに茨城県の平成28年度の養殖生産量は日本一、そのほとんどが霞ヶ浦で養殖しています。

また、ワカサギ・シラウオの漁も盛んで、今年は7月21日からワカサギ・シラウオ漁が解禁になりました。ワカサギは江戸時代に麻生藩(行方市)から将軍家に焼きワカサギを献上したところ、大変喜ばれ、将軍家御用達の魚というこで「公魚」と書くようになったと言われています。特に夏のワカサギは「ナツワカ」と呼ばれ、1年の中で最も脂がのっていて、EPAやDHAといった不飽和脂肪酸が多く含まれているのが特徴です。

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ありました。ありました。ナツワカ! 輝いてますね! シラウオは霞ヶ浦のダイヤモンドとも呼ばれているらしいです。

忘れてならないのは、ここでしか食べられない「行方バーガー」。なめパックン、鯉パックン、豚パックン、鴨パックンと4種類あります。

なめパックンは、ナマズをパテにしているというから驚き。しかも今はナマズの貴重な部位をパテにしており、入荷が不安定のため、1日10個限定販売とのこと。すぐに完売してしまうという、非常にレアな商品。食べないわけにはいきません。

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霞ヶ浦を見渡せるカウンターで待つこと数分でお目当ての品が。それにしても眺めがいい。この日はあいにくの曇天でしたが、観光物産館こいこいから眺める筑波山と夕日が沈むさまも絶景とのこと。

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臭みが全くなく、肉感あり。ナマズを食べてるとは思えない。バンズあったかい。野菜シャキシャキ。あ、美味しい。

後から思案すると、観光物産館こいこいの「こい」は「鯉」にもかかっているのだろうと気づきました。現代の食文化において川魚を食べる習慣は決して多くはありませんが、地産地消、食文化の継承といった地域のアイデンティティーの形成の場としても、直売所の存在意義を感じとることができました。

まさに、直売所は地域の縮図。

文・写真:関口(地域連携チーム)

道の駅たまつくり 行方市観光物産館こいこい 
茨城県行方市玉造甲1963-5
TEL 0299-36-2781