ACL特集 広州恒大戦前日トレーニング(公式練習&公式記者会見)

2015.03.17(火)
AFCチャンピオンズリーグ2015 グループステージ第3節広州恒大戦を明日に控え、選手たちは試合会場の広州天河体育中心で前日練習を行いました。なお、メディア向けに公開されたのは、冒頭15分間のみです。

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グラウンドへ向かう土居選手


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今日の広州は気温が上がって暑くなりました。曇り空の下、選手たちはウォーミングアップをした後、パス練習などを実施しました。

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笑顔を見せる柴崎選手


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メディア向けに公開された冒頭15分間のトレーニングでは、選手たちはリラックスした表情を見せていました。

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キャッチング練習をする曽ヶ端選手


約1時間で前日練習を終えた選手たちは、宿舎に戻って試合に向けた準備を進めています。

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スタジアム前で取材を受ける金崎選手


また、16時頃からは公式記者会見が開催され、トニーニョ セレーゾ監督と西選手が出席しました。

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セレーゾ監督:
まず、グループステージの現在の順位を考えれば、広州恒大には良い選手が揃っている。技術的にも高いものがあり、代表歴があったり、現代表であったりする選手も多く、外国籍選手も優秀だ。そして最も重要なのは、彼らの決定力の高さだと思う。ボールを保持すれば、どこからでも得点できる。また、監督も優秀だ。(カンナヴァーロ監督の前のリッピ監督から)イタリア人監督がいて、そのスタイルにチームが慣れている。コンビネーションの精度も高く、ピッチ上で誰がどこにいるかを全員が把握している。ここが強さのポイントであり、私もイタリアでプレーしていたので、イタリア人監督が選手たちに何を望むのかを知っている。どんな戦術なのかも把握しているし、それが広州恒大の強さだと思う。ただ大事なのは、自分たちは自分たちのなすべきことに集中するということだ。(アントラーズのグループステージ)2試合は、どちらも悪くない内容だったと思う。どちらもチャンスが多かった。だが不運にも多くあったチャンスでゴールを決められなかった。ここが変われば、状況は大きく変わると思う。これは練習が少ないなどといった理由で起きているわけではない。選手たちは日々、努力している。時が来ればゴールは入るし、そうすれば状況は変わる。内容は悪くないので、ゴールが決まれば、おのずと順位も上がってくると思っている。また広州恒大には2人の優れたストライカーがいる。それは我々との違いだ。(広州恒大のリカルド グラールについて)彼に関しては、ゴイアスやクルゼイロでプレーしていたのは知っているし、非常に優秀な選手だと思う。2トップの後ろやサイドに流れてプレーするが、最も怖さを持っているのは、後ろから入ってくる時。クロスの際に状況判断をして、どこにスペースがあるのか、どこでスピードアップするのかを理解している。カウンターをする時の起点にもあるし、スピードも体格も備えている。広州恒大にとっては非常に良い獲得だったのではないかと思う。中国スーパーリーグのことに関しては、そう多く語ることができない。なぜなら、私はここで仕事をしているわけではないから。(対戦相手である広州恒大以外の)他チームのレベルを把握しているわけではない。ただ、他チームもACLのグループステージでいい結果を出していることは知っているし、それが今年だけではなく、過去もそうだったことを知っている。しかし中国だけではなく、各国リーグのレベルが上がってきていると思う。招聘されている監督や外国籍選手もハイレベルだ。彼らはチームに良い影響を与え、どのようにすれば勝てるのかを教えてくれる。そうやってチームが成長していく。そういう意味で、アジア各国はできるだけ良い指導者や選手を外国から呼んで、競技面での成長を促すべきだ。またそうなることでメディアの注目も集まり、商業的にも魅力的になり、観客数も増える。中国スーパーリーグの成長はアジアサッカーにとって素晴らしいことだし、サッカー界全体のメリットと言える。クラブの財務規模を考えてもそうだ。広州恒大にいる選手の何名かは、ヨーロッパのクラブが獲得しようと試みた選手たちだ。だが、広州恒大のオファーを超えるような金額を出すことはできなかった。つまり彼らは、ヨーロッパでプレーできなかったから中国に来たわけではなく、ヨーロッパでプレーする実力を持ちながら中国サッカーの発展のためにここへやって来た。そして中国のクラブは、そういった選手に投資する力を持っている。それは素晴らしいことだ。私自身もブラジルからイタリアに渡り、所属したクラブ、そしてリーグのために情熱を持ってプレーした。それは、何かをもたらしたいという気持ちが強かったということ。それが海外でプレーするということだし、中国でプレーしている外国籍の選手たちが持っている気持ちだと思う。

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西選手:
Jリーグと比べて、ACLではホームとアウェイでの戦い方を極端に変えてくるチームが多いと思う。この広州恒大というチームはサポーターの力もある。相手が勢いを持ってやってくる中で、自分たちは落ち着いて自分たちの戦いができるかどうか。勢いのある相手に流れを合わせるのではなく、自分たちのリズムで試合を運べれば良いと思う。

広州恒大からは、ファビオ カンナヴァーロ監督とチェン チー選手が出席しました。会見場では、セレーゾ監督とカンナヴァーロ監督が談笑するひとコマも。世界的なビッグネームの、豪華2ショットが実現しました。

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カンナヴァーロ監督:
ビデオを見たりして研究をしてみたが、鹿島は良いチームだと思う。現在、順位は下であるが、例えば、ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ戦を見た印象では、彼らは10~12回のビッグチャンスを作っていた。この内容から分かるように、鹿島は結果こそ伴っていないが、非常に強い相手だ。明日の試合も警戒すべきだと思う。(リカルド)グラールの活躍は素晴らしいが、もっとできると期待している。運動量もあるし、チームメートを助けることもできる。もっともっと良くなるだろう。(グループステージの)先の2試合は、もう既に過去のことだ。明日の試合に向けて集中しなければいけない。チームは非常に良い状態。団結力も強いので、明日は良い試合になることを期待している。エウケソンはチームにとって重要な選手だ。ゴールこそないが、他の選手のゴールをアシストしている。彼の実力を疑うことはない。過去3シーズン、多くの得点を生み出したことは実力の証だ。コンディションを心配してはいない。今は新しいポジションに慣れることが必要だろう。時間と忍耐が必要だし、またゴールを量産してくれると思う。(セレーゾ監督について)彼はかつて、イタリアでプレーしていた。アジアで彼に会い、戦うということは、私にとってとても特別なことだ。

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チェン チー選手:
それぞれが特長を持っていて、大切なのはチームとして、いかにまとまるかということだと思う。私が考えるのは、グラールをはじめ、外国籍の選手たちの良さをいかに引き出すかということ。そして、他のチームメートとのコンビネーションを高めていくことだ。チームとして、もっともっと良くなると確信しているし、大切なのは勝つことであって、誰が得点することではない。中国人選手も外国籍選手も全員がチームのためにプレーしているし、それが全てである。まずは疲れを取ることが大事だと思う。中国スーパーリーグでの戦いぶりは安定しているとは言えないかもしれないが、ベストを尽くしている。多くの人が、我々が3-0、4-0と大差をつけて勝つことが当たり前だと思っている。しかし、全ての試合はそれぞれ難しいものであり、常にベストを尽くさないといけない。少々波があり、苦戦するときもある。ACLでは、2試合で6ポイントと良い状況にある。もっと努力して、この状況を続けるようにしたい。

そして今日は、高崎選手の29回目のバースデーです。夕食後、サプライズでのお祝いが行われました。高崎選手は「連敗中ですが、自分が点を取って勝ちたいと思います」と、挨拶。良い雰囲気で、決戦に挑めそうです。

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試合は明日、日本時間21時キックオフです!