2023明治安田生命J1リーグ 第19節、カシマスタジアムで京都サンガF.C.と対戦した。両チームともに決定機をつくりながらも、得点は生まれず。スコアレスドローで決着した。
前節のアウェイG大阪戦はリーグ戦では10試合ぶり、公式戦では実に13試合ぶりとなる敗戦を喫した。ただ、選手たちはすぐに気持ちを切り替え、後半戦初のホームゲームへ臨んだ。
なお、この試合は「KANEKA Go with Antlers カネカスペシャルマッチ」として開催された。
スタメンは、GKが早川、フィールドプレーヤーは常本、植田、関川、安西、樋口、ピトゥカ、松村、仲間、荒木、優磨が入った。ベンチには、沖、昌子、広瀬、土居、藤井、名古、エレケが座る。
アントラーズは立ち上がりからアグレッシブに試合へ入った。シンプルなロングボールを放り込み、セカンドボールの攻防で京都を上回る。相手陣内でのプレータイムが長くなった。
5分には初めてチャンスをつくる。関川のスルーパスで左サイドの深い位置へ侵入した仲間がクロスを供給。これを優磨がダイレクトボレーで合わせた。枠を捉えることはできなかったが、スタジアムのボルテージが上がる。
その後もアントラーズが押し気味に試合を進める。ただ、京都のハイプレスを剥がしたものの、効果的に相手陣内へ侵入することはできず、なかなかチャンスをつくれなかった。
それでも26分に決定機をつくり出す。右サイドの松村からのパスを仲間がダイレクトで荒木とワンツーし、中央へ侵入して力強いシュートを放った。しかし、見事な連係でゴールに迫ったが、惜しくも相手GKの正面に飛び、セーブされてしまった。
チャンスのあと、再びこう着状態が続いたが、徐々にアントラーズの守備強度が京都のビルドアップを上回る。
36分には高い位置でボールを奪った優磨が決定的なラストパス。39分に、今度は荒木が高い位置でボールを奪い、ゴール前へクロスを供給。しかし、どちらも精度を欠いてフィニッシュまで持ち込めず、得点には至らなかった。
44分に再び決定機をつくる。樋口の正確なクロスをフリーになった仲間がヘディングシュート。しかし、これは僅かに枠を逸れ、得点を奪うことはできなかった。
前半はこのまま0-0で終了。京都にコーナーキックから2度の決定的なシュートを許したものの、押し気味に試合を進めて、ハーフタイムへ突入した。
後半開始から京都は松田に代えてアピアタウィア 久を投入し、立ち位置を変化させてきた。アントラーズは京都の変化になかなか対応することができず、苦戦を強いられる。ただ、京都の鋭いカウンターに対して、守備陣が粘り強く冷静に対応したことで、苦しい時間帯をなんとか無失点で凌いだ。
アントラーズは京都の戦術的な変化に対応し、徐々に流れを引き戻す。すると、58分に荒木、仲間との交代で土居、名古を投入。土居と名古はうまく中間スペースでボールを引き出し、攻撃にリズムを創り出した。そして、64分には松村との交代で藤井をピッチへ送った。
中盤にスペースが生まれ、グラウンダーのパスをつないでゴールに迫る場面が増える。69分には、流動的なポジションチェンジをしながら、攻撃のイメージを共有し、相手に的を絞らせないまま、ペナルティエリア内へ侵入。樋口のシュートは相手のブロックに阻まれたが、流れるような攻撃でゴールに迫った。
試合を優位に進めるなかで、74分に常本、安西をベンチに下げ、広瀬、昌子を投入した。
しかし、75分にピンチが訪れる。右サイドから福岡にクロスを上げられると、ペナルティエリア内で豊川をフリーにしてしまい、決定的なヘディングシュートを許す。ただ、これは枠を外れて、失点にはならなかった。
残り10分を切ったあたりからアントラーズが猛攻を仕掛け、サイドから積極的にクロスを入れる。しかし、ターゲットになるのは優磨のみ。高さがある京都の守備陣に跳ね返された。
後半アディショナルタイムは5分。酷暑の中で最後までアントラーズファミリー一丸となって攻め続けたが、ゴールを奪うことはできず、0-0で試合終了を迎えた。
次は中6日でアウェイ広島戦。勝利のみを目指して、チーム一丸で準備を進める。
【この試合のトピックス】
・特になし



A.リーグ戦どうこうよりも、今は自分たちの戦いを作っているところなので勝ち点3の方が自信につながる。その意味では、勝ち点3が欲しかった。いずれにしてもホームで勝ち点3を奪えなかったことを悔しく思っているし、ファン・サポーターの皆さんにも申し訳なかったと思っている。
Q.前半20分ごろに後方で相手をかわしてボールをつないだタイミングで選手に拍手を送っていた。ボールをつなぐところと蹴るところで、ロングボールが多い印象だった。そこのバランスについて、どう評価している?
A.試合後の印象と映像を見てからの振り返りで、少し違うことがあるので安易に言葉にできないところがあるが、特に後半のところで、自陣と敵陣でコンセプトを守りながら相手を広げていき、広げたところを戻っていくところが出ていて良かった。ただ、相手のやり方が変わったからなのか、少し攻め込まれる場面が増えたからなのか、相手のプレスを受けると、長いボールを使うというよりも蹴ってしまうシーンが多かった印象がある。そこは今の印象では、まだまだ。もっと自信や成功体験をつけながらやっていかないといけない。今日のようなプレッシャーを外せる準備をしていきたい。
Q.選手交代も3バックへの変更も、試合の流れを見て変えたというよりも、事前準備していたものを出していたように見えた。変更の意図について。
A.準備はしていないし、練習もしていない。用意しなくてもいいものしか採用しないが、十分に対応できるものを使った。相手が間を使ってくる攻撃はうまく抑えることができたが、その分、攻撃のところで前への迫力を出せなくなってしまった。このあたりは人選を含めていろいろなやり方を振り返りたい。
Q.前節から先発4人を入れ替えた。荒木選手を起用した意図は?
A.ケガ人の状況でFWがいないことが一つある。4-4-2だけではない攻撃の形を作っていきたいところもあるので、良いタイミングだったということ。あとは荒木自身も前節の後半に非常にいい姿勢でプレーをしたので起用するタイミングということで使った。前半の彼の姿勢とボールへの関わりはポジティブな要素だったと思っている。
Q.後半に土居選手と名古選手が入り、バランスが整って気持ち良くプレーしていたが、3バックにして変わったように見えた。監督として選手に任せることもいいのではと思ったが、3バックに変えた意図は?
A.そもそも聖真と名古を入れた時点で3バックにした。そこは視点が違う。3バックにして、彼らを2シャドーにした。その後に藤井を入れるタイミングで流れを止められたので、4-2-3-1に戻した。その後は疲労の見えている選手をどうするかというところで3バックにした。そこは相手どうこうというよりは、今日は常本の守備力でかなり抑えてくれていたなか、自分たちが攻撃をするときに陸斗を入れることで特に右サイドの攻撃を活性化したいところを狙って、両サイドの藤井と陸斗の2人の良さを活かしたい意図だった。
選手に委ねることについては、どの意味あいで言うかによって変わると思っている。私は陸斗、名古、聖真、藤井の良さを活かす。それ以外に誰を変えるかといったときに、ピッチに残す選手を最大限に生かすという形を狙った。そして相手をずらすために3-5-2にして、聖真が中央、名古がその間とした。それに関しては、今の時点ではうまくいったと思っている。特にこぼれ球のところで、中盤のズレによってピトゥカや聖真が拾って、最後の5分は相手に攻め込まれないようにできた。
僕も分析をした上で振り返りたいと思うが、何か問題があって3バックにしたというよりも、ピッチに出た選手の組み合わせをどうするかの判断だった。
あとは自分たちがボールを奪えそうになったあとも、まだまだ潰してしまっている場面がある。ただ、トライをしているなかだからこそ、この過程があると思っている。アントラーズとアウェイで引き分けたのは、監督人生でも初めてではないかと思う。ここで勝つことが非常に難しいなか、一つ前進した結果になった。今日の試合に出場した選手、サンガタウンに残っている選手たち全員の力が勝ち点1をもぎ取った。次につなげていきたい。
相手は強度や熱量が強みだと思う。前から来るスピードであったり、圧力を感じると思うので、試合の入りから集中したい。自分たちが前節、見せられなかった強度や熱量の部分を試される試合になる。そこで勝ちたい。
【松村 優太】
久しぶりにチャンスが巡ってきた。個人的には、我慢の時間が長かったというのもあるし、しっかり結果を残さないといけない。自分の力を見せる試合にしたい。
【鈴木 優磨】
最近負けていなかったので、久しぶりに負けたことで、また勝利に飢えている。ここ最近は何試合かいい入りができていない。チームとしてしっかりいい入りをしたい。暑さとの戦いにもなるので、力を使うタイミングを見極めながらプレーする。
前節からの1週間、チームとして、とてもおいトレーニングを積めたのでその成果を発揮するだけだったが、結果がついてこなくて残念に思っている。ただ、今日の試合はもう過ぎたこと。次の試合へ向けてチーム全員で前を向いて、また準備を進めていきたい。アウェイでも多くのファン・サポーターの後押しを受けて、次は勝利をつかみたい。
【土居 聖真】
(試合中に3バックのシステムに変えたが)試合になれば相手が戦い方を変えてくるのは当然のことなので、難しいところはあるが、選手同士で対応していかなければならない。(2試合未勝利で)チームがバラバラになるのが一番良くないこと。選手たちがチームのためにもう一度、一つになることが必要になる。
【常本 佳吾】
リーグ戦ではひさしぶりのスタメン出場となったので「やってやろう」と意気込んで試合に入った。しかし、勝利が求められる試合でチームに勝利をもたらせられなかったので、自分自身の出来はまだまだだと思っている。次の勝利に向けてまた練習に励んでいくので、ファン・サポーターの皆さんには、引き続き熱い声援を送ってほしい。
【早川 友基】
京都には長身の選手が多く、クロスから危ないシーンも作られたが、無失点に抑えたことは自信になる。ただ、攻守のトランジションの部分もまだまだ改善の余地があるし、得点を取るためにもっと攻撃に厚みを持たせることが必要だったと感じているので、勝つために攻撃面にもフォーカスしていきたい。
【松村 優太】
前節に負けていたので、とにかくチームに勢いをもたらすことを意識して試合に入ったが、チームは勝てていないし、個人としてのプレーにも納得していない。攻撃の形をもっと改善していかなければならないと感じている。再び勝利をつかむために、しっかりとチーム一丸となってトレーニングを重ねていきたい。