アントラーズは、明治安田J1第15節でセレッソ大阪と対戦した。前半はC大阪に幾度となくチャンスをつくられる苦しい試合展開となったが、後半に入ると、50分にセルジーニョがPKを決めて先制に成功。72分には、白崎が強烈なミドルシュートでゴールネットを揺らし、追加点を奪った。2-0。中断明けの一戦を勝利を収めた。
▼▼DAZN MATCH HIGHLIGHTS▼▼
国内タイトル奪還、アジア制覇に向けた戦いが再び始まった。ここまでの戦績は公式戦21試合を戦って11勝4分6敗、リーグ戦の順位は5位、ACLではグループE2位でノックアウトステージへの進出を決めた。変革期の1年目、シーズン前半戦の成績としては、最低限のノルマは達成したといえるだろう。
だが、リーグ戦では首位FC東京と勝ち点を「9」離されてしまった。ここからは前半戦で得た自信を糧にして、これまで以上のペースで勝利を重ねていく必要がある。
チームは、アウェイG大阪戦から3日間のオフを経て、再びクラブハウスに集結した。練習前にはミーティングを実施。現在の課題を再確認し、修正すべき点を明確にする。これから待ち受ける過酷な連戦に向けて、コンディションを調整しながら、課題の修正、C大阪戦に向けての準備を進めた。
対戦相手のC大阪は、代表戦開催による中断期間前、リーグ戦直近5試合で4勝1敗と勢いづいている。指揮官も「C大阪はフォーメーションを固めてから、ここ最近いいゲームが続いていると感じる。色々なことを、試合の中でやってくるだろう。弱みはあるので、そこを突いていくことが我々のやるべきこと。その中で、お互いせめぎ合いになると思うので、そのための準備はしていきたい」と警戒を強めていた。
そして、迎えた6月14日。キックオフ2時間前に注目の先発メンバーが発表された。GKはクォンスンテ、最終ラインは右から永木、チョン スンヒョン、犬飼、安西。ボランチは、三竿と名古のコンビ。名古は明治安田J1初先発となった。サイドハーフは右にレアンドロ、左に白崎が入り、前線は土居とセルジーニョが2トップを組んだ。ベンチには曽ケ端、小池、町田、レオ シルバ、遠藤、金森、山口が座る。
約3週間ぶりのホームゲーム。カシマでの試合を待ちわびた背番号12が続々とスタジアムに詰めかけた。19時3分。キックオフの笛が吹かれた。
試合序盤、アントラーズは劣勢に立たされた。9分、右サイドからクロスを入れられると、ファーサイドでフリーになった奥埜に繋がってしまう。決定的な場面となったが、奥埜がワントラップした瞬間、クォンスンテが素早くボールに寄せてシュートをブロック。守護神の好セーブでなんとかピンチを凌いだ。
その後も、アントラーズは主導権を掴めない。19分、左サイドからクロスを入れられると、ゴール前で立て続けにシュートを許してしまう。これはクォンスンテ、永木亮太の身体を張ったブロックでゴールを許さなかったが、肝を冷やす場面をつくられてしまった。
C大阪の決定機をなんとか凌いだアントラーズは、20分を過ぎたあたりから、徐々に攻勢を強めていった。
まずは22分、ペナルティエリア手前で安西が、相手DFに後ろから倒され、絶好の位置でFKを得る。キッカーは永木。直接狙ったシュートは、壁を越えてゴールに迫ったが、惜しくも枠を外れた。
さらに27分、中央から右サイドに流れたセルジーニョが絶好のクロスが送る。タイミングを合わせて後方から走りこんだレアンドロがヘディングシュートを放ったが、これは相手GKの好セーブに阻まれてしまった。
攻勢を強めていたアントラーズだったが、前半終盤は再びC大阪に押し込まれる展開となった。ポジションをうまく変えながら、左サイドを攻め込んできたC大阪に対し、アントラーズはなかなかピッチ上で解決策を見つけることが出来ない。
このまま前半は0-0で終了。相手の決定力不足にも助けられ、失点には至らなかったが、課題が残る内容で前半を終えた。指揮官はロッカールームで「自分たちが奪ったあとの攻撃への切り替えを早くしていこう」、「セットプレーのマークは必ず声をかけて確認すること」、「 次のプレーを早めに予測し、常に相手の守備を上回る攻撃をしよう」と警戒すべき点を伝え、選手たちを送り出した。
迎えた後半、アントラーズは指揮官の指示通り、C大阪をトランジションの早さで圧倒的に上回り、主導権を掌握した。ボールを奪うたびにスタジアムが沸く。スタンドからの声援を力にかえて、選手たちは2次攻撃、3次攻撃へ繋げていった。
50分、試合が動く。逆サイドから流れたクロスを拾った永木は、再びゴール前へクロスを入れる。するとゴール前で混戦となり、レアンドロが相手DFに後ろから倒された。ホイッスルが鳴り、アントラーズにPKが与えられた。ボールをセットしたのはセルジーニョ。スタジアムの緊張が一気に高まる。セルジーニョはゆっくりとした助走からゴール右下を狙ってシュート。相手GKに方向を読まれていたが、コースの正確性で上回り、ゴールネットを揺らした。1-0。貴重な先制点を記録した。
リードを奪ったアントラーズは、その後も主導権を譲らずに時計の針を進めていく。
65分、アントラーズが1人目の選手交代を行う。先発デビューを果たした名古に代えて、レオシルバを投入した。
途中出場のレオシルバは中盤にエネルギーを注入。アントラーズがさらに試合を支配する。
すると72分、再び歓喜の瞬間が訪れた。白崎が高い位置で相手GKのパスをカットすると、ボールを受けた土居はDFを引き付けて、後方へパス。後ろから走りこんだ白崎は、タイミングを合わせてダイレクトで右足を振り抜いた。強烈なミドルシュートが一直線にゴールネットへ突き刺さった。2-0。欲しかった追加点が決まった。
2点のリードを奪ったアントラーズは、77分に白崎との交代で明治安田J1初出場となる小池、88分にレアンドロとの交代で山口を投入。スタンドからの大歓声を受けた選手たちは、最後まで試合を支配し、素早い攻守の切り替えでC大阪を圧倒した。
試合終了を告げるホイッスルが鳴った。2-0。中断期間明けの一戦で、幸先の良いリスタートを切ることが出来た。だが、喜びに浸る時間は残されていない。サンフレッチェ広島と勝負の3連戦を控えている。まずは、ACL ラウンド16 ホーム広島戦、中3日と限られた時間で、最善の準備を進めていく。
【この試合のトピックス】
・名古がリーグ戦初先発
・小池がリーグ戦初出場
・白崎 凌兵がLIXIL賞を受賞


・セットプレーのマークは必ず声をかけて確認すること。
・次のプレーを早めに予測し、常に相手の守備を上回る攻撃をしよう!
・前半はすごく良かった。後半も続けてチャンスを多く作ろう。
・全員が集中してハードワークしよう。
Q. 後半は、具体的にどのあたりを修正したか?
A. 主に守備のところを修正した。自分たちの立ち位置、スタートライン、スイッチの入れどころを明確にしたことで、スペースを消すポジショニングであったり、相手にスペースを与えないプレーができていた。
Q. 広島との3連戦に向けて、意気込みは?
A. 日程に関しては、広島も同じ条件でやっている。しっかりとしたリカバリーをして、準備をしたいと思う。ACLでは2試合を180分のゲームとして、昨年の経験を踏まえてしっかりフォーカスして向かっていきたい。
Q. リーグ戦で初出場となった名古選手、小池選手を起用したが、手応えは?
A. 手応えというか、彼らは中断期間のトレーニングで非常にいい動きをしていた。当然、新加入選手としていろいろなものを背負っていたと思うが、このチームに溶け込んできたと感じている。プロのスピードであったり、強度であったり、しっかりとアジャストしてきたのではないかと感じていた。今日のプレーぶりには決して驚いていないし、満足もしていない。彼らのスタート地点という意味では、非常にいいゲームだったと思う。
Q. 小池選手を入れたとき、白崎選手のポジションにそのまま入れたが、その狙いは?
A. トレーニングマッチでも同じポジションでやっていて、非常にいいパフォーマンスを見せていた。安西と小池にとって、それぞれがやったことあるポジションで、お互いがしっかりとコミュニケーションをとって、いいコンビネーションだったと思う。今日はこの形だったが、今後はいろいろな形でプレーできるように、選択肢を持ちたいと思う。
C大阪は、サイドバックが起点になって前線にボールが配給される。それに対して、前線の選手もいい動き出しをしてくる。なので、自分たちが前線から制限していって、いいボールを配給させないようにしていく。もし配給されたとしても、しっかりプレスをかけていけば、抑えられると思う。
【永木 亮太】
今年から監督が代わって、緻密になっているなという印象を持っている。今、調子が上向きになってきていて、すごく手強いチームだと思う。自分たちは、今年ホームで調子がいい。ただ、ここ2試合いいゲームができていないので、C大阪戦は絶対に落とせない試合になる。
【名古 新太郎】
C大阪は、対戦相手の良さを消そうとしてくるチームで、研究もだいぶしてくると思う。技術の高い選手が多いし、しっかりビルドアップもしてくる。連勝して勢いのあるチームだと思うが、その相手にここでしっかり勝って、自分たちが勢いづけれるようにしていきたい。
【安西 幸輝】
相手のロティーナ監督は、細かい戦術を持っている監督で、セットプレーの種類も豊富。そのやり方で、今C大阪は勝ち点が取れてきているし、非常に嫌なサッカーをしてくる。それを上回るようなプレーをしていきたい。
【犬飼 智也】
2週間空いて、久々の試合なので、しっかり勝ってまたいい流れを掴みたい。前線にはうまい選手が揃っているし、一発で仕留められる選手がいるので、いつも通りしっかりリスクマネジメントをしていきたい。
前半は、前線でイージーなミスがたくさんあり、そこで起点を作ることができなかった。相手のカウンターでも、上手くやられていた。後半は少し低い位置から守備をしようと話して、それがうまくハマった形となった。
【安西 幸輝】
前半はボールが回らなかったが、我慢できたのが勝因だった。試合運びとしてはよかった。後半の立ち上がりに相手のプレスがゆるくなったところを、コンビネーションでうまく崩せた。こっちから動き出さないと相手も動かない。一人抜ければついてきたので、シラくんと聖真くんと3人で、意識してやれた。
【名古 新太郎】
相手に持たれる時間もあったけど、持たせている感覚だった。前半のような戦いは、シーズンを通して考えれば必ずあること。よく我慢してできた。後半は、どこで奪うかをうまく修正できた。立ち上がりにいいテンポで回せて、個人的にもボールにさわるようにして、テンポが上がった。1試合を通してやれるようにしたい。
【三竿 健斗】
内容はよくなかった。しかし、ピンチもあった中で全体的に我慢していこうという話はしていた。ハーフタイムで守備のところを修正して、後半は押し込んだり、いい形で守備はできていた。みんなで我慢していこうという意思疎通ができていたところはよかったと思う。
【土居 聖真】
今日は、前半の前半で解決ができなかった。ただ、前半の中でもし悪かったら改善していくという、もう一段階上の改善方法を見つけてそれをやっていけば、90分間を通してもっといい形を作っていけると思う。