鹿島アントラーズ誕生物語
DRAMA Vol.05 2000年のビジョン
実は、この年の3月に住友金属は「2000年ビジョン」なるものを発表していた。つまり、「2000年にはこんな企業になろう」といった理想像である。株主や製品ユーザーに喜んで もらえる企業になろうとか、社員とその家族・地域全体に喜んでもらえる企業になろうといった展望が綿密に描かれていた。
協会が提示したプロ化の条件のなかにあった、地域と一体になったクラブづくり…自治体も含めて地域と密着した形でチームづくりを行い、プロチームとして育ててゆく…。それがこの「2000年ビジョン」と一致したのである。
「プロサッカーの本拠地をこの鹿島に置くことで、この鹿島地域が活性化することも考えられるのではないか」
「地域活性化策として位置付けたときに考えられる、実現可能な策ではないか」 はじめに鹿島製鉄所の所長、副所長を交えた検討の場でそう考え、実現に向けて動き出すことになる。