こちらフリークス編集室

やさしさと気遣いの男

2012年06月30日(土)
今月号(FREAKS vol.201)のPlayer's Salon「月刊 満男」では、「東北人魂」のイベントで招待した大槌の小中高の先生たちに登場していただきました。「いままで俺が発信するだけだったけど、なかなか伝わらない部分もある。やっぱり現地の人たちの声だとより響くんじゃないかな」ということで、小笠原選手自ら試合後にスタジアム内の一室で話を聞いています。大槌町とは、岩手県の海岸沿いに面する町で、東日本大震災では壊滅的被害を受けました。「みんな俺を笑わせようと当時の話をしてくれるんだけど、よく考えると笑えない話ばかりなんだよね」(小笠原選手)と、本当に厳しい体験談を聞くことができたようです。

対談後に記念撮影をしたときのこと。突然、小笠原選手が勢いよくジャージを脱ぎだしました。その瞬間、今回のイベントを仕切ってくれていた「大槌STANDING STANDING」の田中さんが両目を真っ赤にして、ヒザから崩れ落ちました。あふれでるものを両手でぬぐいながら、「ありがとう、本当にありがとう……」。

小笠原選手がジャージの下に着ていたTシャツが、田中さんが活動する団体で作ったものだったのです。以前、田中さんが小笠原選手にプレゼントしたTシャツを、試合のときにスタジアムへ持ち込んで、試合後に着替える際にジャージの下に着て、対談に登場してくれたのでした。「いろいろと苦労して、本当にがんばっている人だからね」。そう言って、やさしく微笑む小笠原選手でした。(池)

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