▼▼MATCH HIGHLIGHTS▼▼
2024明治安田J1リーグ第30節、カシマスタジアムでサンフレッチェ広島と対戦した。
チームとしては3週間ぶりの公式戦、そして約1カ月ぶりのホームゲームということで、試合前からカシマならではの雰囲気がスタジアムを満たした。この重要な一戦は、「常陽銀行Powerful Match 2024」として開催された。また試合前には両チームのキャプテンがリスペクト宣言を行った。
リーグ暫定首位の広島を迎え、是が非でも勝ち点3が欲しいアントラーズだったが、序盤は広島に主導権を握られる。開始直後から速攻を食らい、新加入のパシエンシアから何度か危ないシュートを浴びる。しかし、ここは守護神の早川がファインセーブを見せ、失点は免れた。
すると17分、名古の右CKから知念が豪快なヘディング弾を決め、チームに先制点をもたらした。ボランチという新境地を見出しながらも、点取り屋の本能を失わない知念の一発でアントラーズが勢いに乗るかと思われたが、その2分後に同じCKからパシエンシアのこれも見事なヘディング弾で、同点に追いつかれてしまう。
その後は一進一退の攻防が続く。22分にはまたしても名古の右CKから今度は植田がヘディングで合わせる。しかしこれはポストに当たり、惜しくも追加点とはならなかった。
そしてその14分後、速攻から広島に逆転を許してしまう。36分、東のパスから川辺に抜け出され、ゴール前にグラウンダークロスを送られる。これを逆サイドから飛び込んできた松本に決められ、1-2とリードを奪われた。
ハーフタイムには 株式会社常陽銀行より クラブへインクルーシブスポーツ活動の支援金の贈呈式が行われた。
1点ビハインドで臨んだ後半、アントラーズは三竿が最終ラインへ下がり、植田、関川と3バックを形成する新布陣で反撃を開始する。広島の良さを消しつつ、前への圧力も強め、時間とともに広島陣内でのプレー時間が多くなっていく。さらにポポヴィッチ監督は樋口、ターレス、藤井、徳田と交代カードを切り、真夏のような暑さのなか、運動量を落とさないことをチームへ課した。
全員で広島ゴールに迫るなか、82分、ついにアントラーズは同点に追いつく。左サイドで藤井がボールをキープしながら、広島の隙を狙う。そして相手の2選手の間を抜くパスを中に入れると、それを優磨がつなぎ、最後は徳田が相手DFを背負いながら振り向きざまの右足シュートで、広島ゴールへ叩き込んだ。
さらに勢いに乗るアントラーズは最後まで逆転を目指し、広島ゴールへ迫る。しかし結局、6分のアディショナルタイムを経てタイムアップ。2-2のドローで勝ち点1を手にするだけで、この熱戦を戦い終えた。
早い時間帯の先制点から瞬く間に追いつかれ、逆転された前半と全員で死に物狂いで戦い、同点に追いついた後半。ドローに持ち込んだ安堵感と勝ち点3が奪えなかった悔しさが入り乱れる。この結果を未来につなげるのは、自分たち次第だ。
【この試合のトピックス】
・2種登録の徳田がリーグ戦最年少ゴール(17歳6カ月27日のクラブ記録)。



A.Jリーグの上位を争うにふさわしいチーム同士の白熱した試合だったと思う。お互いに力を出し合いながら試合を進めることができた。このような試合は、スタジアムの雰囲気も含めてJリーグに必要だと思うし、もっと全員でJリーグの熱を高めていきたい。
試合を振り返ると、相手のウイングバックの抑え方について試合前にも話していた中、相手のウイングバックが低い位置でボールを受けるときに、うちのサイドバックが引き出され、その背後のスペースを簡単に突かれて、サイドバックが後ろ向きになるシーンがあり、そこから危険な場面を作られた。それは飲水タイムにも選手に話したことだったが、アドレナリンが出ている中で、ボールを取りにいきたいという思いから、誘われたところに出ていってしまうのだろう。もちろん勝ちたい気持ちもあったし、より高い位置でボールを奪う意識もあったと思うが、相手に引き出されてしまってスペースを使われ、後手に回ることになった。
1対1の同点に追いつかれたあと、我々にもゴールを決められるような決定的なチャンスは2本あった。そこで決め切れず、そのあともお互いにチャンスを作りながら後半へゲームは進んでいった。最後に我々が結果で相手を上回って終わりたい試合だったが、この結果をしっかりと受け止めて次に向かっていきたい。
Q.後半にシステムを変更した意図は?
A.相手のウイングバックにうちのサイドバックが引っ張り出された背後のスペースを使われることによって、センターバックがケアしなければいけないスペースが広くなる。それを90分間続けてセンターバックが疲弊し、状況によってはボランチがケアできずに対応できない展開になりかけていた。そのため、捕まえ切れていなかった相手のウイングバックを、まずは捕まえることを意図していた。
ただ、私はいつも言うが、システムが一番重要ではない。実際、この試合に向けた準備期間のなかで、このシステムでトレーニングしたのは3日だけ。また、3週間、公式戦から遠ざかっていたことの影響がなかったとは言えない。前半の入りからナーバスになってしまっていたところが選手のプレーからも見られた。それでも、皆さんの目にはどう映ったかわからないが、形を変えても選手たちは我々のやるべきことに対してアイデアを持ってプレーしてくれたし、非常に良くできていたと思う。そして、追う展開の中でシステムを変えてゴールを決められたのも良かったし、失点をせずに後半を終えられたのも良かったと思っている。
Q.徳田選手への期待は?
A.正直、試合前日のトレーニングまでは、試合のメンバーに入れるかどうか迷っていたが、トレーニングで誉は非常にいいプレーを見せていた。もしかしたらチームのなかでも決定力は随一であるため、それをこの展開の中で活かしたかった狙いもある。
彼は、優磨とともにボックスの中で力を発揮できる選手。彼が前線にいることで優磨は前線で体を張るだけではなく、一つ下のポジションに下りてきて、いいボールをもっと配給できると考えた。前線の誉を活かしていく形ができれば、もっと得点を取れる確率は高まるだろうと考えたので、この試合で起用した。
私の考えとして、若い選手をこういう試合で使うことが、その若い選手にとっては一番いいと思っている。首位の広島という強い相手に対して他の選手も自然とモチベーションが上がり、強度も高くなるゲームだからこそ、若い選手の力が活きると考えている。アカデミーから育ってきた選手がこういった試合でゴールを決めるのは、我々やファン・サポーターの皆さんにとってもうれしい出来事だったと思うし、クラブにとっても非常に喜ばしいゴールになっただろう。
ただ、彼はまだまだ若いし、必要以上にメディアの皆さんにはもてはやしてほしくない。まだ試合に出場して1得点決めただけ。これから彼をどのように成長させていくのかは、我々が責任をもって取り組んでいかなければいけないことだと考えている。そのため、先ほども言ったように、少し活躍したぐらいで騒ぎ立てるのは彼にとっても良くないので、メディアの皆さんには理解してほしい。
前半はお互いに行ったり来たりの展開になり、相手にチャンスを作られたが、自分たちもチャンスを作り出せた。後半は自分たちがゲームをコントロールして、自分たちのチャンスのほうが多かったと思っている。ただ、そのなかで相手の交代選手が活躍した。特にユースの選手が活躍し、失点を喫することになった。
それでも、自分たちのパフォーマンスには本当に満足しているし、このチームをすごく誇りに思う。なぜなら、この10日間、難しく厳しい試合を4試合もこなし、そのすべてで自分たちのパフォーマンスの高さを見せ、今日も最後の最後までチャンスを作り出して戦い続けたから。
結果は残念ながら望んだものにはならなかったが、チームが見せたパフォーマンスには満足しているし、自分たちは日本でもトップクラスのパフォーマンスを示せるチームだということを証明できたと思っている。
激しいトレーニングをやってきているので、だいぶコンディションは上がっている。
もう一度、自分たちのやりたいフットボールの基礎的な部分や、そこに対してのフィジカル的な要素を重点的にこの空いた期間でやってきた。自分たちがここまで積み上げてきたことをこの終盤戦でさらに活かしていけるように取り組んできた。いつも通り、目の前の一戦へ向けて、チーム全体でいい準備ができていると感じている。この3週間、チームで非常にいいトレーニングをしてきた。準備してきたことを、目の前の相手にぶつけていく。
広島はどこからでも点が取れるチーム。守備でも攻撃でも優れたチームだと思っている。相手も調子が良く、のっていると思うが、今シーズン、自分たちはホームでは負けていない。
カシマスタジアムという場所は、どんなことでも可能にしてくれるスタジアムだと思っている。この場所での強さをもって、いい状態でこの広島戦を迎えられることは非常にうれしく思っている。互いにこの試合は負けられないと思う。ファン・サポーターの皆さんとともに、必ず勝ち点3を取る。
【関川 郁万】
ここまでチームとしてやってきたこと、そしてピッチ上でプレーしている選手たちが、どう打開していくのか、どう守っていくのかというところを考えてやっていかなければ、勝てない相手だと思う。監督が求めているところにプラスしてどれだけやれるかが、この試合のカギになってくる。
広島は隙が少ないチーム。日本代表の選手もいるし、代表を経験している選手もいて、非常にいい外国籍選手もいて、非常に力のあるチームだと思っている。要所要所でしっかりと締めてくると思う。ただ、どこかに必ず隙は出てくると思うので、その一瞬の隙を見逃すことなく突いていく。
内容よりも結果が欲しい試合だったので、勝ち切れず悔しい。
(先制ゴールの場面は)練習した形だった。チームとしてセットプレーに強みを持っているし、押し込まれた展開でも失点さえしなければ、自分たちはあのようなチャンスを作れるという自信もあったので、それが表れたシーンだったと思う。
【藤井 智也】
勝たなければいけない試合だったし、自分がゴールを決めて勝ちたかったので、引き分けの結果は悔しい。
(同点ゴールの起点になったが)ゴール前の選手がクオリティの高さを見せてくれて得点につなげてくれたと思っているので感謝している。これからもチームとしてブレずに、まとまって戦っていきたい。
【ターレス ブレーネル】
首位の相手と戦うこの一戦が、とても重要であることは分かっていた。
負けている状況での途中出場だったので、個人としては自分自身の運動量を活かしながら、できる限りチームの力になれるようにボールに絡んでいくことを意識してプレーをした。逆転したかったが、引き分けに終わってしまったことを残念に思っている。
【鈴木 優磨】
チャンスは作れたが、逆にチャンスを作られた印象も残る試合となった。(同点ゴールの場面は)誉がよく決めてくれた。彼の能力ならば相手を背負っていても前を向いてくれると思ったし、左足にボールを送れば反転してシュートを打てるだろうとも思ったので、うまく連係できて良かった。
【徳田 誉】
常にシュートを狙っていた中、自分の感覚的にシュートを打てる形になったので、迷わずに右足を振り抜いた。ゴールを決めたときに多くのファン・サポーターの皆さんが喜んでくれたことはうれしかったが、もう1点取ってその声援を大歓声に変えられなかった悔しさがあるので、次はチームを勝利に導くゴールを決めたい。