▼▼MATCH HIGHLIGHTS▼▼
開幕前の恒例となるいばらきサッカーフェスティバル2024、カシマスタジアムで水戸ホーリーホックと対戦した。
2週間後に開幕するJリーグを前に、水戸との‟茨城ダービー”に臨んだアントラーズ。プレシーズンマッチではあるものの、「常に目の前の試合に勝つ」という気概を見せるポポヴィッチ監督の初陣として、選手たちも十分な気合を持って試合に入った。
ポポヴィッチ監督が選んだ先発メンバーはその意図が明確な11人だった。最終ラインには、これがアントラーズでの‟デビューマッチ”となる津久井、そして濃野が入る。そして樋口とボランチコンビを組んだのは、FWの知念。またチャヴリッチも最前線に入り、新たなアントラーズの姿を見せるものだった。
試合は序盤からアントラーズがボールを保持する展開となった。攻守のトランジションも素早く、ポポヴィッチ監督が掲げる「アグレッシブかつ魅力的なフットボール」が早くもチームに浸透していることを感じさせた。
また日本へ来たばかりのチャヴリッチもその高い順応性をいかんなく発揮した。前線でのポストプレー、藤井や仲間、土居といった周りの選手たちを活かす判断力、そしてゴールに向かう姿勢はまさにアントラーズが必要としていたピースだ。
この試合唯一の得点となった樋口のゴールも、起点はチャヴリッチ。21分、後ろからのボールを受けたチャヴリッチがシンプルに右へはたき、そこから藤井が仕掛ける。そして、藤井のグラウンダークロスに呼応し、樋口が素早くボックス内に進入し、ダイレクトで決めたゴールは一連の流れがスムーズで、まさに魅力的なものだった。
その後もボールを保持し続け、完全に試合を支配するアントラーズ。前半は水戸にシュートを一本も打たせない、ほぼ完璧な内容だった。
チャヴリッチに代え、カタールから帰国したばかりの佐野、藤井に代え、師岡をピッチに送り出した後半も、アントラーズ優位の試合展開が続く。しかし前半の強度の高いプレーの連続に疲労も出てきたのか、徐々にアントラーズの圧力が弱まる。
そして84分、水戸に怒濤の攻撃を受ける。最後の得能のシュートが枠に飛ばなかったのが幸いだったが、これがこの試合での最大のピンチだった。
その後はアディショナルタイムの4分含めて、しっかりと守り切ったアントラーズ。ここ3年勝利のなかった水戸に、1-0と勝利した。
さあ、いよいよ2024シーズンが開幕する。今日の前半の姿をさらに進化させ、90分間、相手を圧倒するアントラーズを今年こそ、見たい。
【この試合のトピックス】
・水戸に4年ぶりの勝利。
・アントラーズ初出場が、4人。濃野、津久井、チャヴリッチ、パレジがアントラーズでのデビューを飾った。



A.我々は毎試合、どんな試合であっても重要だと考えているし、すべての勝利が重要だとも考えている。またサポーターの皆さんには、久しぶりの試合で素晴らしい雰囲気を作っていただいたことに感謝したい。やはりこのクラブを支えてくれている姿を、彼らも見せてくれたと思う。
試合については、すべてがうまくいったわけではなかったが、前半に我々が見せたものは、求めていること、そしてこれからなっていきたい姿というものを、ある程度は見せられたのではないかと思っている。攻撃でもいくつかのバリエーションが見られたし、非常に賢く戦えた前半だったと思う。
あとは選手交代枠を使ったところで、スムーズさが前半よりもなくなってしまったところが課題として挙げられる。チームでまとまって戦うことができなくなった時間帯があったので、そこは開幕戦に向けてやっていかなければならないと感じている。チームとしてやりたいプレー、そしてやってはいけないプレーというのを明確にして、開幕戦に臨んでいきたい。
Q.チャヴリッチ選手がデビュー。前半だけの出場でも存在感を放っていたが、彼の評価は?
A.皆さんも知っている通り、合流が遅かったし、コンディションも本来ではないが、やはり経験、そしてクオリティをしっかりと持っている選手なので、彼の良さをしっかりと出場した時間で見せてくれたと思う。まだ彼はコントロールしている状態なので、開幕に向けてしっかりと上げていって、本来の力が見られればと思う。
Q.開幕まで2週間、残りどんな時間を過ごしたいと考えているか?
A.この時期にミスがあるのは当たり前のこと。まだまだ開幕戦に向けて準備をしている段階で、宮崎キャンプから帰ってきて初めて戦う試合でもあった。そして、サポーターの皆さんが入ったスタジアムでの試合ということで、選手たちも慣れる必要があったと思う。試合中のミスを振り返っても、意図がないミスやアイデアがないミスではなくて、精度が足りなかったというミスが多かった。そこに意図やアイデアがあれば、そのミスはまったく問題ないと思っているし、アイデアがあるのであとは精度を高められればというところなので、成長につながるミスだと考えている。開幕まで2週間あるので、精度にこだわって高めていくことが大事だと思っている。
Q.知念選手が素晴らしいパフォーマンスを見せていた。ボランチで使おうと思ったきっかけと今日の評価は?
A.「知念選手が素晴らしかった」という話をいただいた後に、「いや、素晴らしくなかった」というのは、ジェントルマンとして恥ずべきことなのでそれは言えないが、今言っていただいた通りだと思う。私もそう評価している。知念選手はまず選手としてのクオリティが高い良い選手だということ。私の持論では、良い選手はポジションに関係なく、どこでもプレーできる。ただ、日本で今までいくつかのクラブで仕事をしてきたが、そのなかで感じるのは、やはり今までやっていないことにトライすることに対して、少し日本人は慣れないので臆病になってしまう部分があるということ。大事なのは、知念選手がそれをしっかりと受け入れて、楽しんでプレーしたことが、ボランチでのいいプレーにつながっていると思う。まだプレーして間もないが、非常に彼の良さを出してくれている。ただ、ボランチとして私が求めることはまだまだあって、2列目から飛び出して、ゴールに関わるシーンを増やしてほしい。彼は今までずっとFWでやってきたわけで、もちろん得点感覚が優れているし、それをもっとボランチのポジションでも活かせるようにしてほしいと思っている。ただ、今の時点で彼が見せてくれているものに対しては、非常に満足している。開幕まであと2週間あるので、それまでには知念選手もFWの本能というものを試合でしっかり見せて、うれしいサプライズになってくれるかもしれない。
Q.佐野選手が途中出場。改めて評価を。
A.正直、佐野選手がチーム全体に合流したのは昨日なので、1日しかチームとしてプレーしていない。そのなかで大事なのは、佐野選手がチームに帰ってきたということ。皆さんも彼のクオリティはよくご存知だと思うし、チームにとってどれだけ大きな存在なのかも分かっていること。チームのやり方にもすぐにフィットしていくと思うし、時間はかからないと思っている。
試合については、今、我々が取り組んでいることが、前半の特に立ち上がりに見せることができなかったが、失点してからは自分たちのやりたいことや、相手にとって嫌なことも少しずつ出来てきたと思う。
ただ、やはり球際のところや最後のゴール前のところでは、ボックス内で簡単にシュートを打たせてもらえなかった。ここは最後のクオリティのところでアントラーズに分があったが、それに打ち勝っていかないと我々は次のステージにいけないので、次への課題としてさらに高めていかなければいけない。
みんな、やっていく形や自信は見えたと思う。監督からも、誰が出ても同じ質を求められている。実戦でもできてきている部分もあるので、チームとして、積み上がってきているなという実感はある。
【名古 新太郎】
自分でも、もっと良くなっていくと思っている。修正していかなければいけない部分は多いが、そこも含めて、今はいい感じで自分の中でできている感覚がある。
【早川 友基】
ポポさんになって、ボールを取ってから早く、攻撃のスタートという部分を求められている。DFラインも、前へ前へとアグレッシブに守備へ行く場面も多いので、自分が守備範囲を広くして背後のカバーなどを守らなければいけない。
【植田 直通】
今年にかける思いは強い。去年、タイトルをこのチームにもたらすことができなかった責任はすごく感じている。「今年こそは必ず獲らなければいけない」という使命感がある。自分がもっとやらなければいけない。自分がリーダーとして引っ張っていけるように、そういう気持ちも出していきながらやっていきたいと思っている。
【松村 優太】
アントラーズで自分は何ができるのかというのが大事になってくる1年だと思っている。自分がチームを引っ張っていく存在になっていかなければいけないと思っている。
加入後初めての試合で良い感触をつかめたし、試合に勝てたことがうれしい。日本のフットボールに慣れていかなければならないなかで、自分自身のプレーは完璧ではなかったが、良かったほうだと思っている。開幕までの2週間でまた調整していきたい。
【樋口 雄太】
(ゴールシーンは)藤井選手が相手を引きつけてくれたことでフリーになり、冷静にシュートを打つことができた。前半はチームとして取り組んできたことを出せるシーンが多かったが、後半は思うような展開にならなかったので、今日の課題を克服してリーグ開幕に向かいたい。
【佐野 海舟】
ボランチとしてチームをうまくコントロールする必要性があると感じている。チームとして取り組んでいることと、今日の自分自身のプレーはまだまだマッチしていないと思った。まだチームに合流して数日なので、これからリーグ開幕までの2週間で合わせていきたい。
【濃野 公人】
初めてカシマスタジアムでプレーし、改めてアントラーズの一員になったことを実感した。前半に藤井選手とうまく連係してボールを前進させられたことはよかった。次は90分を通してプレーし続けられるように、リーグ開幕に向けてしっかりと体をつくっていきたい。
【津久井 佳祐】
アップのときに太鼓の応援の音を聞いたり、このカシマスタジアムの雰囲気に正直、緊張した。自分自身はパスミスも多く、まだまだだと思ったが、無失点で試合を終えられたことはよかった。90分を通じて楽しむことができたので、またここでプレーしたい。
【ギリェルメ パレジ】
アントラーズのディープレッドのユニフォームに初めて袖を通してプレーし、感謝の気持ちと、新たなスタートラインに立ったという気持ちがある。与えられた時間のなかで自分自身のベストを出せたと思う。これからのシーズンで、さらにチームに貢献していきたい。