2023明治安田生命J1リーグ 第16節、埼玉スタジアム2002で浦和レッズと対戦した。前半は理想的なフットボールで浦和を圧倒したが、決定機を決めきることができず、0-0で折り返す。後半は浦和のペースで試合が進んだが、チーム一丸で守り抜き、スコアレスドローという結果に終わった。
前節の鳥栖戦から中7日。勝つための準備を進め、アウェイ浦和戦に臨んだ。
スタメンは、GKが早川、フィールドプレーヤーは広瀬、植田、関川、安西、佐野、ピトゥカ、名古、樋口、垣田、優磨が入った。ベンチには、沖、昌子、常本、土居、藤井、カイキ、仲間が座る。
前半立ち上がりは、アントラーズがボールを支配する展開となった。少ないタッチでテンポよくボールを動かしながらも、常に相手の背後を狙っていく。チャンスをつくるまでには至らなかったが、相手陣内深くまで攻め込む場面もつくった。
11分には右サイドから見事な崩しを見せる。多くの選手が連動して、ボールを素早く動かすと、最後は佐野がシュートを放った。惜しくも枠に飛ばず、ゴールは奪えなかったが、高度な連係プレーでゴールに迫った。
その後も後方からテンポよくショートパスをつなぎ、相手に的を絞らせない。ボールを奪われても、素早い切り替えでカウンターの起点を潰し、相手がボールを保持する局面でも、全員が連動して守り、浦和にチャンスをつくらせなかった。
試合の主導権は、完全にアントラーズが握る。22分には右サイドからピトゥカが強烈なシュートでゴールを脅かす。さらに、そのプレーで得たコーナーキックの流れから優磨がゴール前でフリーになり、決定的なシュートを放つ。しかし、どちらも西川の好セーブに阻まれ、得点を決めることはできなかった。
優磨の決定機のあと、浦和にカウンターを許し、ヒヤリとする場面があったが、その後は再び主導権を掌握する。中盤の4人が流動的に動いて、テンポよくパスをつなぎ、相手の目線を常に動かした。チーム全体で連動し、流れるような攻撃を繰り出していく。しかし、全局面を支配する理想的な試合運びだったが、得点を奪うことはできなかった。
前半終盤は浦和に押し込まれる展開となったが、全員で集中して守り抜き、このまま0-0でハーフタイムに突入した。

後半の立ち上がりは、拮抗した展開となった。浦和に攻め込まれる場面もあったが、球際で激しく戦い、相手に自由を与えない。一方、攻撃面では、浦和が守備を修正してきたこともあり、前半より能動的にボールを動かせなくなり、相手陣内に侵入する回数が減ってしまった。
59分、垣田、名古との交代で土居、仲間を投入した。しかし、流れは浦和に傾いていく。後半から投入された岩尾が存在感を放ち、なかなか流れを引き寄せることができない。徐々に浦和の攻撃を受ける時間が長くなっていく。
73分、広瀬と樋口に代えて、常本とカイキをピッチへ送った。すると、カイキにいきなりチャンスが訪れる。佐野が広い視野で見事なパスを安西に通すと、安西がクロスを入れる。ペナルティエリア内でカイキがヘディングシュートを放つが、惜しくも枠を捉えることはできなかった。
68分には、ダヴィド モーベルグにゴール前へ決定的なクロスを供給されてしまう。これは関川の見事なディフェンスで難を逃れたが、浦和のペースで試合が進んだ。
終盤に入ると、浦和の攻撃の勢いが増し、アントラーズは我慢を続ける。浦和のセットプレーが増え、ゴール前でのプレーが連続した。ただ、最後の局面で全員が体を張り、ゴールを許さなかった。
87分、佐野との交代で藤井を投入した。左サイドに入った藤井は、投入直後から果敢にドリブルを仕掛け、チャンスを作りだす。積極的な姿勢で浦和に傾いていた流れを少し引き戻した。
しかし、その後は再び浦和の猛攻を受ける展開となった。後半アディショナルタイム、荻原にクロスを供給されると、ホセ カンテに頭で合わせられてしまう。決定的なヘディングシュートは枠を捉えられ、万事休すかという場面だったが、これを早川が見事に横っ飛びでセーブし、ゴールを許さなかった。
最後まで引き締まった試合は、両チームともに一歩も譲らず。痛み分けのスコアレスドローに終わった。
次は中2日での天皇杯2回戦。また明日からチーム一丸で準備を進める。
【この試合のトピックス】
・特になし



ただ、選手たちはこれまで積み上げてきているものを、浦和という強い相手に対しても表現できるようになってきている。その手応えもありながら、ここからどのように繋げていくかというところを、また整理してやっていかなければいけないと感じている。
色々な意味のある勝ち点1だったと思う。
Q.後半の展開について。監督から見て、思い通りにいったのか?
A.色々な展開を想定していた。浦和は今シーズン、20得点のうち15点を後半に取っている。それは浦和の選手たちにとって、かなりの自信になっていると思っている。埼玉スタジアム2002の雰囲気も含めて、押し込んでくる。その影響がかなりあった。その中でどのように試合を進めていくかというところで、交代選手をうまく使いながら、ある程度プラン通りできていた。最後まで守り切ったというところの良さと、ゴール前でマークを外すことなく、キーパーを含めてコースを消して守り切ったところもあった。そして、中盤を支配されて押し込まれたというところもあった。そこは事前に対策できることがあればもう少し対応していきたかった。それでも、相手の特長を考えて、選手たちはプレーしてくれた。概ね、予測通りの中で守備をしていたと思う。なので、それほど混乱はなかったと思っている。
Q.前半は圧倒的な内容だった。その中で、点が取れなかったのは、どのように見ている?
A.今日は中盤の構成を少し変えて、立ち位置を逆にしたりした。タスクを少し変えた部分もあった。ボールを動かすことはかなりできていた。そこは大きな収穫だった。
ただ、ボールを動かしながらゴール前へ入っていくという部分に関しては、浦和のゴール前が堅固だったこともあり、準備してきたことがもう少し出せたら良かったと思うところもあった。
次のステップ。ボールを動かしながら、誰がどこに入っていくのかというところまでは、もう一歩かなと思う。
Q.前半から、両チームともに素晴らしい試合だった。交代選手を入れることで、試合が動く可能性が高いと思って見ていた。試合の中でバランスをどのように考えて、進めていた?
A.浦和が自信を持って後半に入ってくるということは想定していて、ある一定の時間、押し込まれるだろうと思っていた。攻撃を受けながらひっくり返すポイントを探っていた。藤井をもう少し早く投入することも考えていたが、守備のことを考えて我慢することを優先した。もう少し早く勝負に出る可能性もあったが、探りながら進めていた。浦和の圧力がかかってくると、酒井選手がどんどん前に出てくると分かっていたので、中央で聖真が起点を作ってひっくり返して1点を取るというプランを最後に取っておいた。それもあり、藤井をベンチ入りさせていた。クロスの入れ方をチームとして揃えているが、もう少しかなというところ。コンビネーションの練習もかなりやっているが、まだまだ自信を持ってやれていない。ビルドアップのところは自信を持ってやれている。そこがもう一歩出てくれば、さらに面白いアントラーズになっていくという手応えはあった。ただ、あと一歩、二歩、粘り強くやっていくしかない。
この試合の前に選手を何人か入れ替えて、新しいやり方も用意したが、それがうまくいかなかった。
ハイプレスの時もビルドアップの時も苦しい場面が多かったので、ハーフタイムでそこを修正した。
後半になってからは、よりゲームをコントロールできるようになったと思う。ただ、ゴールを決めるための十分なチャンスを作ることはできなかった。最も大きなチャンスは、後半アディショナルタイムのホセカンテのヘディングシュートだった。
試合までの準備で戦術練習が1回しかできなかった。その中で、賢くやらなければいけなかった。いつものやり方を維持した方がよかったと思っている。
埼玉スタジアム2002での試合を楽しみにしていた。国立競技場と同じような、特別なモチベーションがわいてくる。アウェイでのプレッシャーはもう感じない。試合の流れを理解して、最適なプレーを選択したい。
【植田 直通】
浦和はACLのタイトルを獲って、リーグ戦でも順調に勝ち点を積み上げている。かなりタフな試合になることを想像している。ここ2試合は引き分けが続いてしまったので、上へ上がるために必ず勝ちたい。
【樋口 雄太】
アウェイゲームなので、相手を勢いづかせないような戦いをしたい。この試合も先制点が大事になってくると思うし、それが試合を優位に進めることにつながる。全員で攻撃して、全員で守備をして、勝ち点3を持ち帰りたい。
最後は苦しい時間帯が続いたが、集中を切らさず、守備で体を張れていたと思う。
無失点に抑えることができたのは、最低限の仕事ができたかと思う。
【関川 郁万】
引き分けが続いていたので勝ちたかった。ピンチらしいピンチはなかったが、チャンスらしいチャンスもない堅い試合になったので、こういうときこそセットプレーで点が取れたら、勝ちにつなげられたと思う。
もっとこういう試合を勝ち切れるように成長したい。
【広瀬 陸斗】
前半立ち上がりはチャンスがあったので、決めきることができればよかった。後半はサイドハーフにマンツーマン気味で見られていたので、チームメートともう少し崩せればよかったと思う。
【樋口 雄太】
前半に試合を決めるチャンスがあったので、そこで決めきれれば結果は変わっていたと思う。チームも少しずつレベルアップしている部分はあるので、ゴール前での怖さが加われば、もっと強いチームになれると思う。
【佐野 海舟】
前半はいい感じにボールを動かせて、自分もチャンスがあった。あの場面は決めきるべき場面だったし、ああいう場面を決めないと勝ち切れないと思う。
【鈴木 優磨】
攻撃の組み立ての部分はよかったが、相手の守備が堅くて崩せなかった。チームとして良くなっている部分はあるし、また早く勝利を重ねたいが、自分たちのやるべきことを緻密にやっていた先に勝利があると思う。