第101回天皇杯の初戦となる2回戦、Y.S.C.C.横浜と対戦した。上田が3ゴール、遠藤とエヴェラウドが2ゴール、松村が1ゴールを決めて、アントラーズが8-1と勝利し、3回戦進出を決めた。
怒涛の15連戦を終えたチームは、YBCルヴァンカップ プレーオフステージ第2戦の翌日から3日間のオフを取り、つかの間の休息期間で心身の疲労を回復させた。そして、再び始まる連戦に向けて、6月10日から準備を進めていった。
連戦の初戦は天皇杯2回戦、神奈川県代表のY.S.C.C.横浜との対戦。ケーズデンキスタジアム水戸での開催となった。
スタメンはGKが早川、最終ラインは右から常本、林、犬飼、杉岡、ボランチは小泉とピトゥカがコンビを組み、前線は遠藤、松村、荒木、エヴェラウドが入った。ベンチには沖、関川、広瀬、永木、和泉、カイキ、上田が座る。なお、早川は公式戦初先発、初出場となった。
立ち上がりは両チームともに高い強度でプレーし、各局面で激しい球際の攻防が繰り広げられる。どちらも主導権を譲らない互角の展開となった。
それでも10分にアントラーズが試合を動かす。杉岡の縦パスがエヴェラウドへ渡ると、エヴェラウドはゴール前へラストパスを送る。これを遠藤が合わせると、シュートはゴールポストの内側に当たって、ゴールネットに吸い込まれた。
先制点をきっかけにアントラーズが勢いづく。12分、右からのコーナーキックを獲得すると、キッカーの遠藤がクロスを入れる。これをゴール前でエヴェラウドが頭で合わせ、リードを2点に広げることに成功した。
そして、21分にも追加点を奪う。杉岡からのパスを受けたエヴェラウドがスルーパスを送ると、裏に抜けた遠藤がゴールライン際からクロスを入れる。このボールに松村が頭から飛び込み、ヘディングシュートでゴールネットへ突き刺した。
さらに、31分にはカウンターから得点が生まれる。犬飼のクリアが松村に渡ると、松村はドリブルで持ち運び、エヴェラウドへスルーパスを送る。ボールを受けたエヴェラウドはゴール前の遠藤へラストパス。遠藤はこれをダイレクトで合わせ、ゴールへ流し込んだ。
前半終盤はYS横浜に攻め込まれる場面もあったが、この日が公式戦デビューとなった早川を中心に無失点に抑え、前半はこのまま4-0のスコアでハーフタイムとなった。
後半開始からアントラーズは常本、小泉、荒木をベンチに下げ、広瀬、永木、上田をピッチへ送る。その後、アントラーズは攻撃の手を緩めない。49分、ピトゥカがペナルティエリア手前を横切るようにドリブルすると、エヴェラウドがスイッチしてボールを受け取る。エヴェラウドが右足を振り抜くと、低く鋭いシュートはサイドネットに突き刺さった。
その3分後の52分にも追加点が生まれる。ペナルティエリア内をドリブルで突破した松村がゴール前へラストパスを送ると、これを上田がダイレクトで合わせて、ゴールへと流し込んだ。6-0とリードをさらに広げる。
63分、エヴェラウドとの交代で和泉が投入された。長期離脱から復帰を果たした和泉へ、スタジアムに詰めかけたサポーターから温かい拍手が贈られた。そして、70分にその和泉が絡んで追加点を奪う。和泉が左サイドのスペースへスルーパスを送ると、遠藤が低く鋭いクロスをゴール前へ送る。これを上田が合わせてゴールネットを揺らした。
だがこの直後、アシストした遠藤がピッチに座り込む。遠藤はそのままピッチから離れ、72分にカイキがピッチへ投入された。そして78分、相手のパスをインターセプトしたカイキが、フリーの上田を見逃さずに絶好のスルーパスを送る。ボールを呼び込んだ上田は、相手GKとの1対1を冷静に制して、ゴールへと流し込んだ。
このまま、完封で試合を終えたいアントラーズだったが、83分に失点してしまう。ペナルティエリア内でYS横浜のオニエ オゴチュクウにボールを持たれると、アントラーズの選手たちが周囲を取り囲む。しかし個人技でドリブル突破され、ゴールを許してしまった。
この1失点は残念だったが、選手たちはこのまま8-1のスコアで試合を締めくくり、アントラーズが天皇杯3回戦進出を決めた。
次は中3日で明治安田J1第18節、仙台戦に臨む。チームの総力を結集し、ホームで勝ち点3のみを目指して戦う。
【この試合のトピックス】
・上田がハットトリック
・遠藤が今季初ゴール
・上田、エヴェラウド、松村は天皇杯で初ゴール
・アントラーズの天皇杯での8得点は最多タイ記録(1992年12月5日 新日鐵八幡戦以来2度目)



早い時間に得点することができた。それが非常に大きなポイントとなったと思っている。YS横浜も狙いを定めて向かってきた。それに対して自分たちが思っているところでボールを奪うことができ、選手たちがそのプレーを継続して戦ってくれた。それにより、前後半ともに4得点することができた。試合と試合の間隔が空いた中で準備してきたことがピッチで出せた。非常に良かったと思う。
簡単ではない天皇杯の初戦だった。今後も今日のように最初から自分たちの流れへと持っていくことができるようにしていかなければいけないと感じた。
またすぐにリーグ戦がある。次のゲームへ向けて、良かった部分のさらなる向上と課題の改善を全員でしていきたい。
Q.遠藤選手のパフォーマンスが非常に高かった。遠藤選手の評価は?
A.彼のキックの精度や動き出しのタイミングなど、さまざまな部分で相手を上回っていた。トレーニングから攻守で質の高いプレーをしており、今日はスイッチになるようなプレーでチームに貢献してくれて、本当に素晴らしい仕事をしてくれた。
Q.途中出場の上田選手が3ゴールを決めた。上田選手の評価は?
A.「点を取る」という部分でしっかりと応えてくれた。少しゲームに入り切れていない部分もあったが、その中でもゴールを決めるというところはストライカーとしてさすがだと感じる。次戦まで中3日ある。よりレベルの高いものを出してもらえるようにしてもらいたい。
相手は、ビルドアップの意識が高く、自分たちからアクションを起こしてプレーをしてくる。自分たちの形を持っているチームだという印象がある。トーナメントとなるので、変に気負うことなくいつ戻りプレーしていくことが一番大事だと思う。相手は勝ったら大金星でモチベーション高く向かってくるので、多少のやりづらさはあるが、そこは落ち着いて冷静にプレーしていきたい。
【小泉 慶】
天皇杯だからどうこうと言うのではなく、やっぱりどの試合でも勝ちたい。いつもと変わらない1試合。勝つために戦っていく。相手は強いチームを倒そうと、勢いを持って戦ってくると思う。その相手に対して、油断することなく、1プレー1プレー自信を持ってやっていかなければけない。勝つためには今、自分がどういうプレーをしていけばいいのかを考えながら戦っていきたい。
【和泉 竜司】
名古屋時代も天皇杯でカテゴリーが下のチームに負けたことがある。やっぱりそういうチームはすごくモチベーションが高い。ただ、それを上回る、自分たちが勝ちたいという気持ちをもって臨むことが重要になる。相手チームに「やれるぞ」と思われることのないように、しっかりと試合の入りから相手チームを圧倒して、先制点を取り、試合を優位に進めることができるように意識して120%にの力を出してやっていきたい。個人的には復帰戦なので、ゴールやアシストという部分は狙っていきたい。
3ゴールはどれもワンタッチゴールだった。今日は自分の動き出しというよりも、チームメートからいいパスを供給してもらえたから取れたゴールだと思う。カテゴリーが違う相手との試合ということでやりにくい部分もあったが、交代で入った選手たちがいいプレーをしてそれがチームの追い風となった。
【早川 友基】
デビュー戦は、これまでのトレーニングで積み重ねてきたものを出す場だと思っていた。それが今日の試合では出せていたので良かったと感じている。今日はカテゴリーが違うチームとの対戦だったが、チーム全員で一発勝負という部分を強く意識して勝利することができた。