▼▼MATCH HIGHLIGHTS▼▼
相馬監督の初陣となった明治安田生命J1リーグ第10節、鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアムで徳島ヴォルティスと対戦した。立ち上がりから徳島にボールを支配される展開となったが、セットプレーから町田のゴールで先制に成功する。その後、アントラーズは高い集中力で我慢強く守備を行い、このまま1-0で勝利を収めた。
前節のアウェイ札幌戦で2-2と引き分けた後、ザーゴ監督との契約を解除した。新指揮官に就任した相馬監督は「このような状況になってしまったことに対して、コーチだった立場として非常に責任を感じている」と苦しい胸の内を明かした。ただ、それでも努めて前を向き、「立ち止まっているわけにもいかない。もう一度強いアントラーズを取り戻し、前に進んでいくために、大事に思っているクラブの力になっていきたい」と決意に満ちた表情で語っていた。
指揮官交代を告げられたチームは、責任と懸ける思いを胸にトレーニングへ打ち込んだ。相馬監督の初陣、徳島戦は就任からわずか3日後と限られた時間だったが、選手全員が高い集中力でトレーニングを行い、士気を高めていった。
先発は前節から3人を変更した。小泉に代えて常本、アラーノとエヴェラウドに代えて荒木と白崎がスタメン入りした。並びは、GKが沖、最終ラインは右から常本、犬飼、町田、永戸、ボランチは三竿とレオ、サイドハーフは右に白崎、左に土居、前線は荒木、上田となった。なお、ベンチにはスンテ、広瀬、林、永木、遠藤、松村、染野が入っている。
雨が降りしきる中、アントラーズのキックオフで試合が始まった。立ち上がりは徳島のペースで進み、セカンドボールを回収されて、何度か決定的なピンチをつくられてしまう。ただ、それでも時間の経過とともにアントラーズが落ち着きを取り戻す。無理に前線からプレスをかけず、中盤で相手を待ち構えたことで、守備に穴をつくらなかった。
こう着状態が続くなか、31分に試合が動いた。右からのコーナーキックを永戸が蹴ると、町田が高い打点でヘディングする。シュートは相手GKが出した手を弾き、ゴールネットを揺らした。思うように試合をコントロールできない中、セットプレーから先制に成功する。
得点後も徳島にボールを支配される展開は続いたが、アントラーズは中盤でブロックを築き、コンパクトな陣形を保って中央を固めた。そして、このまま前半最後まで徳島にチャンスらしいチャンスをつくらせず、0-0でハーフタイムに突入した。
後半開始からアントラーズは守備を修正する。前半は中盤で待ち構える形をとっていたが、後半は一度帰陣してから徳島のビルドアップに合わせて、能動的にボールを奪いに行く形に変更した。
この戦術変更によって、試合のプレーテンポは加速した。徳島にプレスを剝がされ、ボールの前進を許す場面も多々あったが、選手全員の高いカバーリングの意識で穴を塞ぐ。そして、より高い位置から守備を行ったことで、ボールを奪ってから前向きに攻撃できる場面が増えていった。
60分、相馬監督は初めての選手交代を行い、白崎との交代で遠藤を投入した。さらに70分には、常本と土居をベンチに下げ、広瀬と染野をピッチへ送った。
選手交代後、アントラーズはよりリスク回避を念頭に置く戦い方を選択した。ビルドアップでは無理にショートパスを繋がず、上田をターゲットにしてロングボールを使う。ボールポゼッションもサイドが中心となり、シュートで攻撃を終わる意識も高まった。ただ、それでも守備で重心が下がることはなく、前線から能動的に徳島のビルドアップを封じに行った。
試合終盤に突入すると、アントラーズの重心は少し下がり、徳島が攻撃的な姿勢を強めてきた。
すると、相馬監督は後半アディショナルタイムに最後の選手交代を行い、上田との交代で永木を投入する。選手たちは指揮官から“1点を守り切る“という明確なメッセージを受け取り、全員で時間の針を進めていった。
そして、ついに試合終了のホイッスルが鳴った。1-0。監督交代後の大事な初戦を全員の力で勝利した。
ただ、次の戦いはすぐに待ち受けている。次は中2日でYBCルヴァンカップのホーム札幌戦だ。徳島戦で勝ち得た自信を次に繋げるためにも、チームはまた明日から休むことなく札幌戦に向けた準備を進める。
【この試合のトピックス】
・町田が今季2得点目
・今季リーグ戦初のクリーンシートを達成



・奪ったボールをしっかりマイボールにつなげよう。
・得点も勝ち点も取りにいこう。
・自分たちのサッカーにフォーカスしよう。
・相手は球際に強いが、スペースを見つけて、突破していこう。
Q.今日の選手たちのプレーは監督の目にどのように映った?
A.徳島は自分たちの形を持っているチーム。ボールを握られる時間も長かったし、うまくいかない場面もあった。しかし、逃げずにプレスをかけ続けたり、ミスした選手のカバーを別の選手がしたりと、助け合いながらプレーをしてくれた。攻撃面でも人数をかけて攻撃ができていた。それがセットプレーからの得点につながった。(試合を通して)お互いを助け合うというプレーを続けてくれていた。
Q.あらためて、チームの目指すところは?
A.われわれはまだ勝ち点を11しか取ることができていない。ただ、まだまだこの先試合数が多く残っている。決して何かを起こせないわけではない。ここからのスタート。現実を見て、目の前のゲームを1試合ずつ勝っていけるように全力を出し切っていく。何もせずに終わってしまうということだけはないようにしていきたい。
Q.前線からのプレスや球際の強さなど、守備の部分が光っていた。就任してからどのような指示を出していた?
A.守備時の整理が必要だと感じていた。どこでボールを奪いに行くかの統一ができておらず、迷いがあった。その部分がこの短い期間で最初に手を付けていかなければいけない部分だった。今回の試合では、守備に重点を置いて修正してきた。
徳島は非常にいいサッカーをしてくる。試合が始まったときに、いかに早く順応していけるかが大事になってくる。(監督が代わり)戦術的な部分もそうだが、まずはチームが一体となって、当たり前である「走る」「戦う」という部分を徹底的に突き詰めて、当たり前のことをみんなでできる雰囲気を作っていく。
【犬飼 智也】
とても重要なゲームになるということは全員が理解している。この試合はとにかく結果を出すことが大事になってくる。「勝利」のためにみんながやれることをやるだけだと思う。自分自身も含めて、チームが勝つために全力を出し切っていく。
【白崎 凌兵】
この変化をチームを良くしていくきっかけにしなければいけない。まずは、結果がすごく大事になってくる。チームとしてのプレをしっかりしていきながら、その中で自分の“色”を出していくという部分を意識してやっていきたい。
監督交代の責任は選手みんなが感じていたので、今日はなんとしてでも勝ちたいといつも以上に強い気持ちをもって試合に臨んだ。勝利という結果から逆算をして「ゴールを奪う」「ゴールを守る」というプレーをみんなができていた。チーム全員で意識を統一してプレーすることができた。
【三竿 健斗】
徳島の狙い通りにならないよう、間延びしないという部分やFWのプレスをかけ始める位置を意識しながら、チーム全体でコンパクトにまとまった守備を心がけていた。90分の中でコンパクトな守備ができていない時間帯もあったが、全員が意思疎通をはかりながらプレーすることができていた。自分たちらしい戦いができた。