明治安田生命J1リーグ第19節、カシマスタジアムで大分トリニータと対戦した。7連勝の勢いそのままに、立ち上がりから大分を攻め立てたアントラーズだったが、時間の経過とともに、攻撃がトーンダウンしてしまう。すると後半に一瞬の隙を突かれて、小塚、高澤にゴールを許した。試合終盤に猛攻を仕掛けるも及ばず、0-2で敗戦を喫した。
前節の湘南戦は苦しい試合展開になったが、相手の決定的なシュートを若き守護神・沖のビックセーブで凌ぐと、途中出場のアラーノが後半アディショナルタイムに決勝ゴールを決め、魂のウノゼロで勝利を飾った。
チーム一丸で掴み取った劇的な勝利は、今後に向けて大きな自信となる。ただ、冷静に内容を振り返れば、多くの課題がみつかる試合だった。指揮官も「自分たちが試合のリズムやギアを下げてしまったことで苦しんだ。考え過ぎ、ボールを持ち過ぎてしまったことで、自ら苦しい状況を作ったところがあった」と話し、改善の必要性を説いた。いま一度、チーム全員で気を引き締めて、すぐに大分戦への準備を進めた。
先発メンバーは前節から5人を入れ替えた。ゴールマウスは沖が守り、最終ラインは山本、関川、町田、永戸が務める。ボランチは永木と三竿のコンビで、前線はアラーノ、名古、和泉、エヴェラウドが入った。ベンチには、スンテ、小泉、遠藤、荒木、松村、染野、上田が座る。山本と名古は今季リーグ戦初先発になった。
試合前には、第16節清水戦でJ1通算100試合出場を達成した三竿に花束が贈呈された。そして、「docomo5Gマッチ」開催を記念したキックオフセレモニーも行われた。
試合は立ち上がりからアントラーズが主導権を握った。テンポよくショートパスを繋ぎ、チャンスをつくっていく。攻守の切り替えの意識も非常に高く、リスクマネジメントも徹底されていたため、セカンドボールを次々と拾い、相手陣内深くまで押し込んだ。
しかし、大分の守備的かつスローテンポな試合運びに引き込まれる形で、徐々にアントラーズの攻撃がトーンダウンしていく。そして、大分の守備を崩し切ることができないまま、前半を0-0で終了した。
ゴールが欲しいアントラーズは、後半開始から選手交代を行う。名古に代えて荒木、エヴェラウドに代えて上田を投入した。
後半に入っても、試合の流れは変わらない。能動的にボールを動かしながら、大分の守備を崩しにかかる。
しかし、57分に一瞬の隙を突かれてしまった。全体の陣形が少し間延びした瞬間、サイドチェンジを許して守備が崩れる。アントラーズの左サイドから田中に中央へカットインされ、シュートを打たれるも、これは永戸が身体を張ってブロック。だが、こぼれ球を小塚にシュートされると、再び永戸に当たってコースが変わり、ゴールに吸い込まれてしまった。大分に先制点を献上してしまう。
67分、アントラーズは山本をベンチに下げ、遠藤をピッチへ送る。山本が務めていた右サイドバックには永木が入り、アラーノがボランチに下りて、遠藤はトップ下に入った。そして、78分には和泉に代わって松村、関川に代わって染野を投入し、さらに攻撃的な布陣へ変更した。
しかし、80分に再び失点を喫してしまう。野村のスルーパスから高澤に最終ラインの裏を取られると、沖との1対1をつくられる。そして、高澤に冷静にシュートを決められ、リードを2点に広げられてしまった。
試合終盤、アントラーズはパワープレーで猛攻を仕掛ける。しかし、大分の固い守備を崩すことができず、このまま0-2で敗戦を喫した。
次節は中5日でアウェイG大阪戦だ。久々に味わったこの悔しさを、次に繋げなければいけない。課題を整理し、気持ちを切り替えて、準備を進めていく。
【この試合のトピックス】
・山本、名古が今季リーグ戦初先発



・相手のビルドアップに対して、アグレッシブなプレッシャーをかけていこう。
・後半開始から、もう一つギアをあげて戦おう!
・前向きに守備をすること。
・攻撃ははっきりと、そしてサイドから。
Q.連勝が7でストップとなったが、選手には何と言った?
A.連勝が止まり、非常に残念。いつかはそうなることだが、それがホームでなってしまったことが非常に残念。ただ、まだ残り14試合あり、盛り返すチャンスがある。連勝をしていれば気持ちは乗っていくものだが、1つの負けで急にお互いの信頼がなくなるわけではないので、継続していこうと話をした。試合数を考えれば、まだまだ1位を目指していかないといけない。1敗すれば終わりではなく、物事をやり続けること、信頼関係をもっと深めていくこと、それを目指し続けることが大事になってくる。
Q.後半開始のタイミングで前線の2選手を交代。どのような狙いがあり、どのぐらいうまくいったと考えている?
A.エヴェラウドは、連戦で疲労があるように見えた。名古は、ケガを繰り返していたこともあり、今のメンバーのなかでは一番試合に絡んでいない。試合勘やリズムのところでうまくいかなかったのかもしれない。決断をして後半に入ったが、ハーフタイムで出した要望は、前でボールをおさめてほしいということ。それが残念ながらできなかった。切り替えて次のG大阪戦に向けて準備を進めていきたい。
前回の大分戦は入りが良くなかった。試合の入りの部分は気をつけていきたい。ただ、まずは自分のところで負けないようにしていく。相手選手と1対1の場面で負けなければ、失点することはない。その意識を強く持ってプレーしていきたい。
【和泉 竜司】
大分は、チームとしてやるべきことが明確になっていて、成熟している。自分たちもしっかりとやるべきことをやり、失い方の部分を気をつけていきたい。相手のストロングポイントを出さないようにしながら、自分たちの良さを出していくことができるように、しっかりと試合に入って、全員で試合終了の笛が鳴るまで集中してやっていきたい。
【ファン アラーノ】
前節の湘南戦につづいて、大分戦も難しい展開になると思う。連勝の後というのは負けてまうことが多いので、もう一度、気を引き締めて勝利に向かって貪欲にやっていく。
今季リーグ初出場ということで、まだまだなところもあるが、いまできるパフォーマンスを出そうと思って試合に出た。前半はいい入りができたし、チームとしても守備が前からハマっていた。なかなか決め切れず、相手のやりたいサッカーになり、後手となってしまい、難しい試合になってしまった。(後半は)相手もメンバーが代わって、前から行こうとしていたが、なかなかうまくハマらなかった。相手のFWにおさまるようになって、少しずつずれていった。また、先制されて相手に余裕を持ってやられたところもあった。
【荒木 遼太郎】
引いた相手をどう崩すかという部分を監督に言われて、前半から見ていた。頭のなかでイメージはできていたが、うまく得点までいけなかった。一度、ヤスさんからパスを受けて亮太君に出して、優太が裏に抜け出した場面があった。そこは、近くで3人が絡むイメージをしていた。次は自分で得点したり、勢いをつけられるようにしたい。今日は勝ちたかったが、終わったこと。切り替えて、また一からトレーニングに励んでいきたい。