▼▼MATCH HIGHLIGHTS▼▼
明治安田生命J1リーグ第12節、カシマスタジアムでガンバ大阪と対戦した。開始早々に失点を喫したアントラーズは、さらにアクシデントに見舞われる。広瀬が右足を負傷し、この日がカシマでのラストホームゲームとなった内田を前半早い段階で投入することになった。立ち上がりにバタついたアントラーズだったが、失点後は圧倒的に試合を支配し、幾度となくチャンスをつくる。しかし、自陣に11人全員が下がり、守備に徹するG大阪の守備を崩すことができない。それでも、後半アディショナルタイムに内田のロングフィードを起点に、最後は犬飼がヘディングで同点弾を決めた。内田を勝利で送り出すことはできなかったが、土壇場で1-1に追いつき、勝ち点1を獲得した。
8月20日、内田が今月限りでアントラーズとの契約を終了となり、現役引退することが発表された。ドイツでも愛された内田には国内外問わず、多くのファン・サポーターから温かいコメントが寄せられた。
ただ、チームとしてやるべきことは変わらない。これまで通り、勝利のために戦うのみ。G大阪戦の90分だけに集中し、準備を進めた。
指揮官は前節からGKを含めた守備陣5人を変更した。ゴールマウスは公式戦4試合ぶりに沖が守る。最終ラインは広瀬、犬飼、関川、杉岡が入った。ボランチは三竿とレオがコンビを組み、前線はアラーノ、和泉、土居、エヴェラウドが務める。ベンチにはスンテ、内田、永木、遠藤、荒木、染野、上田が座った。
試合開始早々に試合が動く。6分、倉田にパトリックとのパス交換でペナルティエリア内へ進入され、ライン際からマイナスのクロスを送られる。ファーサイドで小野瀬に合わせられ、ゴールを奪われてしまった。G大阪に先制を許す展開となった。
1点を追うアントラーズにアクシデントが起きる。広瀬が右足太もも裏を痛め、プレー続行ができなくなった。タッチラインに姿をみせたのは内田。場内から拍手が送られるなか、16分に広瀬との交代で内田が投入された。キャプテンマークは三竿から内田へと渡された。
前半はアントラーズが圧倒的にボールを支配し、決定的なチャンスもつくった。しかし、シュートがクロスバーに当たる不運もあり、ゴール前を固めるG大阪の守備を崩すことはできなかった。このまま0-1のスコアでハーフタイムを迎えた。
後半に入っても、アントラーズはG大阪を圧倒し、ハーフコートゲームを展開する。しかし、数多くのチャンスをつくったものの、相手GKの好セーブがあり、なかなか得点が奪えない。
同点に追いつきたいアントラーズは、63分に選手交代を行う。アラーノとの交代で遠藤、和泉との交代で怪我から復帰した上田をピッチへ送った。さらに、75分には三竿、エヴェラウドとの交代で荒木、染野が投入された。
ボールを動かし、攻め続けているアントラーズだが、選手全員が自陣に引いて守りに徹するG大阪を崩し切ることができない。チャンスをつくるも、あとはラストパスとフィニッシュの精度のみ、というもどかしい展開が続いた。
後半のアディショナルタイムは5分。アントラーズは最後まで諦めずに戦い続けた。すると、終了間際のアディショナルタイム5分に歓喜の瞬間が訪れる。内田ハーフウェイライン付近からロングフィードを送ると、上田が競り合い、こぼれ球を土居が杉岡へつないだ。杉岡からのパスを受けた荒木は、左サイドからクロスを入れる。これを後方から長い距離を走り、ペナルティエリア内に入っていた犬飼が高い打点でヘディングシュートし、ゴールネットを揺らした。試合終了間際の劇的なゴールでアントラーズが同点に追いついた。そして、得点直後に試合終了を告げるホイッスルが鳴った。
試合後には内田の引退セレモニーが行われた。ジーコTDから花束が内田へ贈呈され、2人の恩師、パウロ アウトゥオリ、オズワルド オリヴェイラの両元監督からのサプライズメッセージが送られた。そして、内田が引退の挨拶を行った。
「今日、僕はここでサッカー選手を引退します。鹿島アントラーズというチームは、数多くのタイトルを取ってきた裏で、多くの先輩方が選手生命を削りながら、勝つために、日々努力してきた姿を僕は見てきました。僕はその姿をいまの後輩にみせることができないと、日々、練習していくなかで、体が戻らないことを実感し、このような気持ちを抱えながら、鹿島でプレーすることは違うのではないか、サッカー選手として終わったんだなと、考えるようになりました。
もう一花、二花、咲かせたいと日本に戻ってきましたが、そのなかで、隣に寄り添ってくれたトレーナー、『まだやれる』と背中を押してくれたザーゴ監督、大岩前監督。いい時も悪い時も、ともに過ごしたファン・サポーター、スポンサー、そして、チームメート。本当にありがとうございます。このようなシーズン、チーム状況で、僕の決断を理解してくださった強化部、監督、チームメート、本当に申し訳ない。
日の丸を背負ってプレーする重さも、殺気のあるドイツのスタジアムも、辛さも嬉しさも、すべて僕の財産です。
この話を聞いている、プロサッカー選手を目指す子どもたち。サッカー小僧の皆さん、鹿嶋は少し田舎ですが、サッカーに集中できる環境、レベルの高さ。そして、いま在籍している選手たちが、君たちの大きな壁となり、ライバルとなり、偉大な先輩として、迎え入れてくれるはずです。僕はそれを強く願います。
最後にサッカーを通じて出会えた人のすべてに感謝します。また会いましょう」
次は中2日でアウェイFC東京戦。これからもチーム一丸で勝利のために戦い続ける。
【この試合のトピックス】
・内田が現役最後となるカシマスタジアムでの公式戦出場
・犬飼が今季初ゴール



・ゴール前での変化をつけて、シュートまで持ち込もう。
・ボールを奪ったあとは、シンプルに相手の背後を狙い続けよう。
・相手をゆさぶって、シュートシーンをつくりだそう。
・守備は粘り強く、追加点を狙いにいこう。
Q.前半にアクシデントがあり、内田選手を早く投入したが、内田選手の評価は?
A.我々のチャンスメイクは、ほぼ彼から生まれたと思う。決まりごとを尊重しながら臨機応変にやることを見せてくれた。若手が学ぶべき部分は多くあると思う。そういう選手が去ることは、日本サッカーとして残念。今日やってきたことは、長年、彼が示してきたもの。私自身、(引退は)非常に残念に思う。
相手は個の能力が高いので、ゴール前でスペースを与えてしまうと精度の高いシュートを打ってくるし、ディフェンスラインの選手も1対1が強い。前からのプレスをかけてきた時に、その背後をいかにつけるかが大事。相手の逆をつけるようにやっていきたい。
【遠藤 康】
ガンバにはいい選手が入った。なので、去年以上に強くなっていると思う。アントラーズにも相手に負けないようないい選手がいる。自分たちには勝ち点3が必要。この試合は負けられない試合になる。
篤人さん本人が言うように、篤人さん的には満足しないなかでそのときに必要な言葉がけやプレーができる人だったので、自分も気遣える選手になりたいと思った。勝って終わりたかったとしか、今は思わない。ボールは持っていたので、そのなかで効果的な背後へのボールなどが噛み合わなかった。最後のところだと思う。失点もしているし、点も取れて
いない。変えることは多々あるが、走ることややるべきことはやらないといけない。そのなかでも勝ち点を取れるチームだと思うので、積み重ねる作業が必要だと思う。
【土居 聖真】
篤人さんのラストマッチで、気合の入ったプレーも多かったが、なかなか点を取れないのが課題。今日は勝ち点1を拾えたというのが率直な感想。久しぶりにトップ下で先発で使ってもらったので、結果が欲しいと思っていた。相手の嫌なところに絡めるし、アタッキングサードのところで変化が見られない試合が多かったので、相手のギャップや裏に抜けたりと色々なバリエーションを持って臨んだ。篤人さんも先輩の姿を見てアントラーズに還元してくれていたと思うし、僕も身近で肌で感じて行動や言動を心に響く言葉をたくさん見て聞いてきた。しっかりアントラーズの先輩たちから受け継がれていると思う。