試合結果
FIFAクラブワールドカップ ジャパン 2016 決勝

レアル・マドリード
- 9' カリム ベンゼマ
- 60' クリスティアーノ ロナウド
- 98' クリスティアーノ ロナウド
- 104' クリスティアーノ ロナウド
試合終了
4-2
1前半1
1後半1
2延長前半0
0延長後半0

鹿島アントラーズ
- 44' 柴崎 岳
- 52' 柴崎 岳
試合経過
カリム ベンゼマ | ![]() |
9' | ||
44' | ![]() |
柴崎 岳 | ||
52' | ![]() |
柴崎 岳 | ||
セルヒオ ラモス | ![]() |
55' | ||
58' | ![]() |
山本 脩斗 | ||
クリスティアーノ ロナウド | ![]() |
60' | ||
67' | ![]() |
小笠原 満男 → ファブリシオ | ||
ルーカス バスケス → イスコ | ![]() |
81' | ||
88' | ![]() |
土居 聖真 → 鈴木 優磨 | ||
93' | ![]() |
ファブリシオ | ||
クリスティアーノ ロナウド | ![]() |
98' | ||
カゼミーロ | ![]() |
100' | ||
ダニエル カルバハル | ![]() |
102' | ||
102' | ![]() |
遠藤 康 → 伊東 幸敏 | ||
クリスティアーノ ロナウド | ![]() |
104' | ||
ルカ モドリッチ → マテオ コヴァチッチ | ![]() |
106' | ||
セルヒオ ラモス → ナチョ フェルナンデス | ![]() |
108' | ||
クリスティアーノ ロナウド → アルバロ モラタ | ![]() |
112' | ||
114' | ![]() |
永木 亮太 → 赤崎 秀平 |
柴崎2発も及ばず。鹿島、延長の末、レアル・マドリードに敗れる。
120分間の激闘を演じた先で、世界の頂へ登り詰めることはできなかった。FIFAクラブワールドカップ ジャパン2016、決勝。欧州王者レアル・マドリードと対戦した鹿島は、開始9分に先制を許したものの、柴崎の2ゴールで逆転に成功する。しかし、PKで同点に追い付かれると、2-2で突入した延長戦で2失点を喫し、2-4と敗れた。
鹿島は4日前の準決勝で、南米王者のアトレティコ・ナシオナルを3-0で破った。猛攻を受け、24本ものシュートを浴びながら、守備陣が気迫のプレーを連発してゴールを死守。そして、土居が突き刺した決意のPK、遠藤のヒールシュート、鈴木のダメ押し弾が、世界に衝撃を与えた。アジア勢初の決勝進出。そして翌日、ファイナルの相手がレアル・マドリードに決まった。
準備期間は2日間。“白い巨人”と称される世界的なメガクラブとの対峙を前に、選手たちは充実感と高揚感を漂わせながらトレーニングを積んだ。試合前日、穏やかに晴れた横浜での前日練習でも、気負いや重圧は一切感じられなかった。そこにあるのは、平常心でボールを追う選手たちの姿。「チャンピオンシップから積み上げてきた自分たちのサッカーをしたい」と土居が語ったとおり、試合を追うごとに強く逞しくなってきたチームは、勢いと自信、全ての力を決勝にぶつける。
指揮官はアトレティコ・ナシオナル戦から先発メンバーを2名変更。永木を復帰させ、キャプテンの小笠原とのボランチコンビにチームの舵取りを託す。そして前線には金崎を起用。柴崎は2列目での先発となった。最終ラインは右から西、植田、昌子、山本の並びで、2試合連続で鬼神の如くビッグセーブを繰り返している曽ケ端が最後尾に立ちはだかる。2列目の右には遠藤、前線は金崎とともに土居が先発メンバーに名を連ねた。12月3日、埼玉スタジアムで「魂の90分間」を演じた時と、同じ11人がファイナルの舞台に立った。そして、先発11名以外の残り12選手全員がベンチ入り。GKの櫛引と川俣、ブエノ、ファン ソッコ、伊東、ファブリシオ、中村、三竿、杉本、平戸、赤崎、鈴木が控える。
青空に恵まれた横浜。大会最終日、タイトルマッチにふさわしい高揚感がスタジアムを包んだ。3位決定戦はPK戦に突入し、アトレティコ・ナシオナルが勝利を収めた。大挙して詰めかけた南米王者のサポーターは、世界大会で戦う誇りを歌い上げていた。クラブ・アメリカも敗れたとはいえ、己の存在を世界にアピールしていた。
そして、決勝の時が来た。横浜国際総合競技場は満員の観衆で埋め尽くされた。その夜空を、アントラーズレッドの歌声が切り裂く。バックスタンド上段にはSPIRIT OF ZICOの横断幕も掲げられた。アントラーズファミリー全員で戦う、ファイナル。19時30分、幕が上がった。
立ち上がりから、鹿島は積極的にプレスをかけていった。小笠原が激しいボディコンタクトで勝利への意志を示すとともに、欧州王者に対して一歩も引くことなく戦いを挑むというチームへのメッセージでもあった。百戦錬磨の「怖がらずに一つになって戦いたい」という言葉を、その背中で示してみせた。
しかし、欧州王者はやはり抜け目なくゴールを陥れる術を知っていた。9分、レアル・マドリードが均衡を破る。ルカ モドリッチのシュートを曽ケ端が弾いたところに詰めたカリム ベンゼマに押し込まれ、鹿島は早くもビハインドを負ってしまった。
それでも、下を向く者など誰一人としていない。失点直後の10分、小笠原が強烈なミドルシュートで反撃の狼煙を上げた。鹿島はレアル・マドリードの鋭い攻撃で押し込まれる時間もあったが、27分にベンゼマに打たれた強烈なシュートは曽ケ端が間一髪で弾き出す。守護神は変わらぬ安定感で、チームを最後尾から支えた。
0-1のまま、拮抗した展開が続く。そして40分以降、鹿島が敵陣でボールをキープする時間が増えていった。両サイドの深い位置でボールを持てるようになる。そして43分、待望の同点ゴールが生まれた。スコアを刻んだのは、前日会見で「レアルにも勝てると思う」と語っていた背番号10だった。左サイド深くでボールを持った土居のクロスに反応し、トラップから左足を一閃。強烈なシュートをゴール右隅へ届けた。1-1。タイスコアでハーフタイムを迎えることとなった。
同点ゴールの余韻が冷めやらぬ中で迎えた後半。次のスコアラーも鹿島の10番だった。52分、ペナルティーエリア手前でボールを持ち、フェイントでシュートコースを作り出すと、左足を一閃。強烈なミドルシュートをゴール左隅へ突き刺してみせた。2-1。鹿島が逆転に成功した。
ビハインドを負ったレアル・マドリードは攻撃のギアを上げる。鹿島は58分、最終ラインの背後へ出されたスルーパスから、競り合いの中でファウル。PKを与えてしまい、クリスティアーノ ロナウドに決められて2-2の同点とされた。石井監督は67分、小笠原に代えてファブリシオを投入。柴崎をボランチへ、土居を左サイドハーフへ配置転換し、再度の勝ち越しを目指した。
75分以降は、互いに攻め合うオープンな展開となった。鹿島は時折訪れるピンチを曽ケ端の好守でしのぎ、大車輪のプレーを見せた昌子の奮闘もあって、失点を許さない。石井監督は88分に鈴木を投入。貪欲な若武者に3点目への希望を託す。そして後半アディショナルタイム、左サイドからのクロスに飛び込んだ遠藤が惜しいチャンスを迎えたが、シュートを枠に飛ばすことはできなかった。2-2。90分では決着がつかず、15分ハーフの延長戦に突入した。
延長戦にもつれ込んだ時点で、世界は驚いたことだろう。しかし、鹿島が求めるものは勝利のみ。96分、激しいプレスでボールを奪ったファブリシオがドリブルで敵陣に進入し、フェイントから右足を振り抜く。相手DFにブロックされたが、得点への意欲を示した。
だが、次のスコアはレアル・マドリードのものだった。98分、一瞬の隙を突かれて最終ラインの背後を取られ、クリスティアーノ ロナウドに決められた。2-3。それでも鹿島は102分、柴崎のFKから鈴木が打点の高いヘディングシュートを放ったが、ボールはクロスバーを叩き、枠を越えてしまった。
決定機を逃した鹿島に、欧州王者が襲いかかった。104分、ゴール前の混戦からクリスティアーノ ロナウドにみたび決められ、スコアは2-4に。残された延長後半15分、鹿島は必死に反撃を目指した。だが、余裕をもって時計の針を進めるレアル・マドリードのゴールネットを揺らすことはできなかった。
2-4。延長戦の末、タイトルを獲得することはできなかった。鹿島が世界を驚かせたことは間違いない。と同時に、この上ない悔しさと向き合うことにもなった。石井監督と小笠原は試合後、「アジアチャンピオンになって、この舞台に戻ってきたい」と奮起を誓っている。この敗戦を糧に、鹿島はもっと強くならなければならない。
チャンピオンシップ制覇から、目まぐるしく濃密な時間を過ごした選手たち。しばしの休息を経て、今季最後の目標へと向かう。次戦は24日、天皇杯準々決勝の広島戦だ。世界の舞台で得た自信、経験、悔しさ、その全てを胸に、19個目の星を掴むための戦いに臨む。
【この試合のトピックス】
・クラブワールドカップ初出場で準優勝だった。
・大会のフェアプレー賞を受賞した。
・柴崎が今大会初ゴールを含む2得点を記録した。
・大会の個人賞3位となるブロンズボールを柴崎が受賞した。
120分間の激闘を演じた先で、世界の頂へ登り詰めることはできなかった。FIFAクラブワールドカップ ジャパン2016、決勝。欧州王者レアル・マドリードと対戦した鹿島は、開始9分に先制を許したものの、柴崎の2ゴールで逆転に成功する。しかし、PKで同点に追い付かれると、2-2で突入した延長戦で2失点を喫し、2-4と敗れた。
鹿島は4日前の準決勝で、南米王者のアトレティコ・ナシオナルを3-0で破った。猛攻を受け、24本ものシュートを浴びながら、守備陣が気迫のプレーを連発してゴールを死守。そして、土居が突き刺した決意のPK、遠藤のヒールシュート、鈴木のダメ押し弾が、世界に衝撃を与えた。アジア勢初の決勝進出。そして翌日、ファイナルの相手がレアル・マドリードに決まった。
準備期間は2日間。“白い巨人”と称される世界的なメガクラブとの対峙を前に、選手たちは充実感と高揚感を漂わせながらトレーニングを積んだ。試合前日、穏やかに晴れた横浜での前日練習でも、気負いや重圧は一切感じられなかった。そこにあるのは、平常心でボールを追う選手たちの姿。「チャンピオンシップから積み上げてきた自分たちのサッカーをしたい」と土居が語ったとおり、試合を追うごとに強く逞しくなってきたチームは、勢いと自信、全ての力を決勝にぶつける。
指揮官はアトレティコ・ナシオナル戦から先発メンバーを2名変更。永木を復帰させ、キャプテンの小笠原とのボランチコンビにチームの舵取りを託す。そして前線には金崎を起用。柴崎は2列目での先発となった。最終ラインは右から西、植田、昌子、山本の並びで、2試合連続で鬼神の如くビッグセーブを繰り返している曽ケ端が最後尾に立ちはだかる。2列目の右には遠藤、前線は金崎とともに土居が先発メンバーに名を連ねた。12月3日、埼玉スタジアムで「魂の90分間」を演じた時と、同じ11人がファイナルの舞台に立った。そして、先発11名以外の残り12選手全員がベンチ入り。GKの櫛引と川俣、ブエノ、ファン ソッコ、伊東、ファブリシオ、中村、三竿、杉本、平戸、赤崎、鈴木が控える。


青空に恵まれた横浜。大会最終日、タイトルマッチにふさわしい高揚感がスタジアムを包んだ。3位決定戦はPK戦に突入し、アトレティコ・ナシオナルが勝利を収めた。大挙して詰めかけた南米王者のサポーターは、世界大会で戦う誇りを歌い上げていた。クラブ・アメリカも敗れたとはいえ、己の存在を世界にアピールしていた。
そして、決勝の時が来た。横浜国際総合競技場は満員の観衆で埋め尽くされた。その夜空を、アントラーズレッドの歌声が切り裂く。バックスタンド上段にはSPIRIT OF ZICOの横断幕も掲げられた。アントラーズファミリー全員で戦う、ファイナル。19時30分、幕が上がった。
立ち上がりから、鹿島は積極的にプレスをかけていった。小笠原が激しいボディコンタクトで勝利への意志を示すとともに、欧州王者に対して一歩も引くことなく戦いを挑むというチームへのメッセージでもあった。百戦錬磨の「怖がらずに一つになって戦いたい」という言葉を、その背中で示してみせた。



しかし、欧州王者はやはり抜け目なくゴールを陥れる術を知っていた。9分、レアル・マドリードが均衡を破る。ルカ モドリッチのシュートを曽ケ端が弾いたところに詰めたカリム ベンゼマに押し込まれ、鹿島は早くもビハインドを負ってしまった。
それでも、下を向く者など誰一人としていない。失点直後の10分、小笠原が強烈なミドルシュートで反撃の狼煙を上げた。鹿島はレアル・マドリードの鋭い攻撃で押し込まれる時間もあったが、27分にベンゼマに打たれた強烈なシュートは曽ケ端が間一髪で弾き出す。守護神は変わらぬ安定感で、チームを最後尾から支えた。




0-1のまま、拮抗した展開が続く。そして40分以降、鹿島が敵陣でボールをキープする時間が増えていった。両サイドの深い位置でボールを持てるようになる。そして43分、待望の同点ゴールが生まれた。スコアを刻んだのは、前日会見で「レアルにも勝てると思う」と語っていた背番号10だった。左サイド深くでボールを持った土居のクロスに反応し、トラップから左足を一閃。強烈なシュートをゴール右隅へ届けた。1-1。タイスコアでハーフタイムを迎えることとなった。



同点ゴールの余韻が冷めやらぬ中で迎えた後半。次のスコアラーも鹿島の10番だった。52分、ペナルティーエリア手前でボールを持ち、フェイントでシュートコースを作り出すと、左足を一閃。強烈なミドルシュートをゴール左隅へ突き刺してみせた。2-1。鹿島が逆転に成功した。


ビハインドを負ったレアル・マドリードは攻撃のギアを上げる。鹿島は58分、最終ラインの背後へ出されたスルーパスから、競り合いの中でファウル。PKを与えてしまい、クリスティアーノ ロナウドに決められて2-2の同点とされた。石井監督は67分、小笠原に代えてファブリシオを投入。柴崎をボランチへ、土居を左サイドハーフへ配置転換し、再度の勝ち越しを目指した。

75分以降は、互いに攻め合うオープンな展開となった。鹿島は時折訪れるピンチを曽ケ端の好守でしのぎ、大車輪のプレーを見せた昌子の奮闘もあって、失点を許さない。石井監督は88分に鈴木を投入。貪欲な若武者に3点目への希望を託す。そして後半アディショナルタイム、左サイドからのクロスに飛び込んだ遠藤が惜しいチャンスを迎えたが、シュートを枠に飛ばすことはできなかった。2-2。90分では決着がつかず、15分ハーフの延長戦に突入した。




延長戦にもつれ込んだ時点で、世界は驚いたことだろう。しかし、鹿島が求めるものは勝利のみ。96分、激しいプレスでボールを奪ったファブリシオがドリブルで敵陣に進入し、フェイントから右足を振り抜く。相手DFにブロックされたが、得点への意欲を示した。
だが、次のスコアはレアル・マドリードのものだった。98分、一瞬の隙を突かれて最終ラインの背後を取られ、クリスティアーノ ロナウドに決められた。2-3。それでも鹿島は102分、柴崎のFKから鈴木が打点の高いヘディングシュートを放ったが、ボールはクロスバーを叩き、枠を越えてしまった。




決定機を逃した鹿島に、欧州王者が襲いかかった。104分、ゴール前の混戦からクリスティアーノ ロナウドにみたび決められ、スコアは2-4に。残された延長後半15分、鹿島は必死に反撃を目指した。だが、余裕をもって時計の針を進めるレアル・マドリードのゴールネットを揺らすことはできなかった。



2-4。延長戦の末、タイトルを獲得することはできなかった。鹿島が世界を驚かせたことは間違いない。と同時に、この上ない悔しさと向き合うことにもなった。石井監督と小笠原は試合後、「アジアチャンピオンになって、この舞台に戻ってきたい」と奮起を誓っている。この敗戦を糧に、鹿島はもっと強くならなければならない。

チャンピオンシップ制覇から、目まぐるしく濃密な時間を過ごした選手たち。しばしの休息を経て、今季最後の目標へと向かう。次戦は24日、天皇杯準々決勝の広島戦だ。世界の舞台で得た自信、経験、悔しさ、その全てを胸に、19個目の星を掴むための戦いに臨む。
【この試合のトピックス】
・クラブワールドカップ初出場で準優勝だった。
・大会のフェアプレー賞を受賞した。
・柴崎が今大会初ゴールを含む2得点を記録した。
・大会の個人賞3位となるブロンズボールを柴崎が受賞した。
スタッツ
![]() |
![]() |
|
---|---|---|
30 | シュート | 11 |
0 | GK | 0 |
14 | CK | 6 |
0 | 直接FK | 0 |
0 | 間接FK | 0 |
2 | オフサイド | 4 |
1 | PK | 0 |
試合データ
- 入場者数
- 68,742人
- 天候
- 晴れ時々曇り、4 メートル毎秒
気温 10.0℃ / 湿度 82.0% - ピッチ
- 主審
- ジャニー シカズウェ(ZAM)
- 副審
-
マルワ ランゲ (KEN)
ジェーソン ドス サントス (ANG) - 第4の審判員
- ビクトル カッサイ (HUN)