試合結果
明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ 準決勝

川崎フロンターレ
試合終了
0-1
0前半0
0後半1

鹿島アントラーズ
- 50' 金崎 夢生
試合経過
長谷川 竜也 → 中村 憲剛 | ![]() |
21' | ||
35' | ![]() |
ファン ソッコ | ||
エドゥアルド ネット | ![]() |
44' | ||
50' | ![]() |
金崎 夢生 | ||
田坂 祐介 → 登里 享平 | ![]() |
67' | ||
75' | ![]() |
ファブリシオ → 三竿 健斗 | ||
板倉 滉 → 森本 貴幸 | ![]() |
77' | ||
85' | ![]() |
西 大伍 | ||
88' | ![]() |
遠藤 康 → 赤崎 秀平 | ||
90'+1 | ![]() |
小笠原 満男 → 植田 直通 | ||
エドゥアルド | ![]() |
90'+4 |
鹿島、チャンピオンシップ決勝進出!等々力での一発勝負、金崎のゴールで川崎Fを撃破!
7年ぶりのリーグ制覇を懸ける戦いがついに始まった。J1チャンピオンシップ準決勝、川崎フロンターレ戦。等々力陸上競技場での一発勝負に臨んだ鹿島は、50分に金崎が挙げたゴールをチーム一丸で守り切り、1-0と勝利を収めて決勝進出を果たした。
鹿島は2ndステージを4連敗で終えたが、12日の天皇杯4回戦では神戸を2-1で破った。試合終盤は防戦一方となったものの、総力戦で1点を守り切った戦いぶりは復活を想起させるものだった。公式戦5試合ぶり、9月25日以来の白星。来るべきビッグマッチの日々を前に、己の力で道を切り開いた。暗闇を脱し、上昇気流に乗った。
準備期間は10日間。勝利だけを目指して、チームは密度の濃いトレーニングを重ねた。20日のクラブハウスには数々の横断幕が掲示され、ビッグフラッグが舞った。背番号12の熱いメッセージが選手たちの闘争心に火をつける。熱を帯びたグラウンド、日々高まっていく一体感。ビッグマッチ前特有の高揚感と緊張感に包まれながら、着実に準備を進めていった。そして前日練習を終えて、小笠原はいった。「タイトルは、獲った人にしか分からないものがある。だから獲りたい」と。
石井監督は神戸戦から先発メンバーを2名変更。代表から戻った永木をボランチに、そして前線には土居を起用した。最終ラインは右から、西とファン ソッコ、昌子、山本が並ぶ。ボランチで永木とペアを組むのは小笠原、2列目はファブリシオと遠藤が務める。そして前線では、土居とともに金崎がゴールを狙う。ベンチには、GK櫛引と植田、伊東、中村、三竿、鈴木、赤崎が控えた。
曇り空に覆われた川崎。等々力陸上競技場は水色と黒で染まったが、ビジタースタンドを埋め尽くしたアントラーズレッドの密度と熱量は、数の差などものともしない。熱いサポートを背に受け、選手たちは14時にキックオフを迎えた。アントラーズファミリーの底力を見せつける90分が始まった。
立ち上がりから、鹿島は積極的なプレスを敢行して主導権を奪いに行く。開始早々の2分には左サイドでボールをキープした金崎の粘りから左CKのチャンスを得るなど、得点への意欲を示した。2トップを組む土居と金崎はサイドに流れてのボールキープ、切り替えの早い守備、身体を張ったポストプレーでチームの推進力となった。
15分にはボール奪取からカウンターを仕掛け、左サイドを金崎が突破。狙いすましたスルーパスを出し、土居が反応したが、わずかに合わなかった。22分には自陣ペナルティーエリア内から縦パスをつないで速攻を仕掛け、ファブリシオが迫力満点のドリブルからミドルシュート。強烈なボールが枠を捉えたが、相手GKに弾き出されてしまった。
決定機を作るには至らなくとも、ミドルレンジからのシュートでゴールを脅かしていく鹿島。24分に西が放った強烈な一撃、39分に遠藤がカットインから左足を振り抜いた場面など、積極的にゴールを目指したが、ネットを揺らすことはできなかった。時折訪れるピンチも、曽ケ端の冷静なセービングと小笠原の危機察知能力がチームを救う。鹿島の全てを知る2人がしっかりと試合を締めた。前半はスコアレスで終了。残り45分で、相手よりも1つでも多くのゴールを奪えば、決勝への切符が手に入る。
後半開始直後は川崎Fが攻勢をかけてきた。ホームチームにとって、先制点を奪うことは2点リードを得ることと同義。だが、その思惑を鹿島が許すわけはない。身体を張った守備、ファウルも厭わない激しいプレスの連続で、ピッチは熱を帯びていった。
そして50分、アントラーズレッドのビジタースタンドが揺れた。左サイドを駆け上がった山本が鋭い切り返しで左足へ持ち替えると、ゴールへの願いを込めたクロスを送る。ニアサイドに飛び込んだ金崎は「何も考えていなかった」と、無我夢中のダイビングヘッド。難易度の高いシュートは、相手GKの手をかすめてゴール右隅へ吸い込まれた。サポーターの待つゴールへボールを届けた背番号33は、ゴール裏の看板を飛び越えてガッツポーズを繰り返す。アントラーズが待望のゴールを奪った。
リードを得た鹿島はその後、川崎Fの攻勢を受けることとなる。鹿島は全選手が自陣に戻り、ブロックを形成して応戦。自陣のペナルティーエリア内での攻防が繰り返され、耐える時間が続いた。ビジタースタンドとは反対側のゴール前へ釘付けとなった選手たち。サポーターは祈るような思いで、しかし時間を追うごとに増していった熱量をピッチへと届け続けた。
59分に中村憲に打たれたシュートは枠を逸れてサイドネットへ飛び、62分には相手のFKから枠へ飛んだボールを、曽ケ端が間一髪のパンチングで弾き出した。途中出場の登里に突破を許してピンチを迎える場面もあった。それでも鹿島は、最後の一線だけは割らせずにリードを保ち続ける。石井監督は75分に三竿を投入。中盤に高さと球際の強さを加えて守備を整備し、ラスト15分へ臨む。時折仕掛けた、前がかりになった相手の背後を突いたカウンターはゴールに結びつかなかったが、気迫に満ちた攻防を繰り返して時計の針を進めていった。
88分に投入された赤崎、後半アディショナルタイムにピッチに立った植田も役割をしっかりと遂行。赤崎は前線でのプレスとボールキープで貢献し、植田はエアバトルで存在感を示した。チーム一丸で、リードを守り続けた。
決勝進出を告げるホイッスルが鳴り響いた。沈黙する水色と黒、そして歓喜のビジタースタンド。1-0。勝利しか許されないアウェイでの一発勝負で、会心のウノゼロを達成した鹿島がファイナルへと力強く歩みを進めた。西は試合後、「応援の力がすごかった。僕たちを動かしてくれた」と話した。アントラーズファミリー全員で掴み取った勝利だ。
さあ、次は決勝だ。年間勝ち点1位の浦和レッズと、ホーム&アウェイでの決戦に臨む。まずは29日、ホームでの第1戦。「カシマスタジアムに帰る」という誓いは果たした。次は「カシマスタジアムで勝つ」。リーグタイトルを懸けた、しびれる日々が始まる。
【この試合のトピックス】
・金崎が決勝ゴールを挙げた。9月25日のJ1 2nd 新潟戦以来の得点が、鹿島を決勝へ導いた。
・今季の川崎Fとの公式戦は3試合で1勝1分1敗となった。
・等々力での川崎F戦は3試合連続負けなしとなった。
・永木と土居が先発復帰を果たした。
7年ぶりのリーグ制覇を懸ける戦いがついに始まった。J1チャンピオンシップ準決勝、川崎フロンターレ戦。等々力陸上競技場での一発勝負に臨んだ鹿島は、50分に金崎が挙げたゴールをチーム一丸で守り切り、1-0と勝利を収めて決勝進出を果たした。
鹿島は2ndステージを4連敗で終えたが、12日の天皇杯4回戦では神戸を2-1で破った。試合終盤は防戦一方となったものの、総力戦で1点を守り切った戦いぶりは復活を想起させるものだった。公式戦5試合ぶり、9月25日以来の白星。来るべきビッグマッチの日々を前に、己の力で道を切り開いた。暗闇を脱し、上昇気流に乗った。


準備期間は10日間。勝利だけを目指して、チームは密度の濃いトレーニングを重ねた。20日のクラブハウスには数々の横断幕が掲示され、ビッグフラッグが舞った。背番号12の熱いメッセージが選手たちの闘争心に火をつける。熱を帯びたグラウンド、日々高まっていく一体感。ビッグマッチ前特有の高揚感と緊張感に包まれながら、着実に準備を進めていった。そして前日練習を終えて、小笠原はいった。「タイトルは、獲った人にしか分からないものがある。だから獲りたい」と。
石井監督は神戸戦から先発メンバーを2名変更。代表から戻った永木をボランチに、そして前線には土居を起用した。最終ラインは右から、西とファン ソッコ、昌子、山本が並ぶ。ボランチで永木とペアを組むのは小笠原、2列目はファブリシオと遠藤が務める。そして前線では、土居とともに金崎がゴールを狙う。ベンチには、GK櫛引と植田、伊東、中村、三竿、鈴木、赤崎が控えた。

曇り空に覆われた川崎。等々力陸上競技場は水色と黒で染まったが、ビジタースタンドを埋め尽くしたアントラーズレッドの密度と熱量は、数の差などものともしない。熱いサポートを背に受け、選手たちは14時にキックオフを迎えた。アントラーズファミリーの底力を見せつける90分が始まった。
立ち上がりから、鹿島は積極的なプレスを敢行して主導権を奪いに行く。開始早々の2分には左サイドでボールをキープした金崎の粘りから左CKのチャンスを得るなど、得点への意欲を示した。2トップを組む土居と金崎はサイドに流れてのボールキープ、切り替えの早い守備、身体を張ったポストプレーでチームの推進力となった。
15分にはボール奪取からカウンターを仕掛け、左サイドを金崎が突破。狙いすましたスルーパスを出し、土居が反応したが、わずかに合わなかった。22分には自陣ペナルティーエリア内から縦パスをつないで速攻を仕掛け、ファブリシオが迫力満点のドリブルからミドルシュート。強烈なボールが枠を捉えたが、相手GKに弾き出されてしまった。
決定機を作るには至らなくとも、ミドルレンジからのシュートでゴールを脅かしていく鹿島。24分に西が放った強烈な一撃、39分に遠藤がカットインから左足を振り抜いた場面など、積極的にゴールを目指したが、ネットを揺らすことはできなかった。時折訪れるピンチも、曽ケ端の冷静なセービングと小笠原の危機察知能力がチームを救う。鹿島の全てを知る2人がしっかりと試合を締めた。前半はスコアレスで終了。残り45分で、相手よりも1つでも多くのゴールを奪えば、決勝への切符が手に入る。








後半開始直後は川崎Fが攻勢をかけてきた。ホームチームにとって、先制点を奪うことは2点リードを得ることと同義。だが、その思惑を鹿島が許すわけはない。身体を張った守備、ファウルも厭わない激しいプレスの連続で、ピッチは熱を帯びていった。
そして50分、アントラーズレッドのビジタースタンドが揺れた。左サイドを駆け上がった山本が鋭い切り返しで左足へ持ち替えると、ゴールへの願いを込めたクロスを送る。ニアサイドに飛び込んだ金崎は「何も考えていなかった」と、無我夢中のダイビングヘッド。難易度の高いシュートは、相手GKの手をかすめてゴール右隅へ吸い込まれた。サポーターの待つゴールへボールを届けた背番号33は、ゴール裏の看板を飛び越えてガッツポーズを繰り返す。アントラーズが待望のゴールを奪った。



リードを得た鹿島はその後、川崎Fの攻勢を受けることとなる。鹿島は全選手が自陣に戻り、ブロックを形成して応戦。自陣のペナルティーエリア内での攻防が繰り返され、耐える時間が続いた。ビジタースタンドとは反対側のゴール前へ釘付けとなった選手たち。サポーターは祈るような思いで、しかし時間を追うごとに増していった熱量をピッチへと届け続けた。
59分に中村憲に打たれたシュートは枠を逸れてサイドネットへ飛び、62分には相手のFKから枠へ飛んだボールを、曽ケ端が間一髪のパンチングで弾き出した。途中出場の登里に突破を許してピンチを迎える場面もあった。それでも鹿島は、最後の一線だけは割らせずにリードを保ち続ける。石井監督は75分に三竿を投入。中盤に高さと球際の強さを加えて守備を整備し、ラスト15分へ臨む。時折仕掛けた、前がかりになった相手の背後を突いたカウンターはゴールに結びつかなかったが、気迫に満ちた攻防を繰り返して時計の針を進めていった。





88分に投入された赤崎、後半アディショナルタイムにピッチに立った植田も役割をしっかりと遂行。赤崎は前線でのプレスとボールキープで貢献し、植田はエアバトルで存在感を示した。チーム一丸で、リードを守り続けた。

決勝進出を告げるホイッスルが鳴り響いた。沈黙する水色と黒、そして歓喜のビジタースタンド。1-0。勝利しか許されないアウェイでの一発勝負で、会心のウノゼロを達成した鹿島がファイナルへと力強く歩みを進めた。西は試合後、「応援の力がすごかった。僕たちを動かしてくれた」と話した。アントラーズファミリー全員で掴み取った勝利だ。

さあ、次は決勝だ。年間勝ち点1位の浦和レッズと、ホーム&アウェイでの決戦に臨む。まずは29日、ホームでの第1戦。「カシマスタジアムに帰る」という誓いは果たした。次は「カシマスタジアムで勝つ」。リーグタイトルを懸けた、しびれる日々が始まる。

【この試合のトピックス】
・金崎が決勝ゴールを挙げた。9月25日のJ1 2nd 新潟戦以来の得点が、鹿島を決勝へ導いた。
・今季の川崎Fとの公式戦は3試合で1勝1分1敗となった。
・等々力での川崎F戦は3試合連続負けなしとなった。
・永木と土居が先発復帰を果たした。
スタッツ
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|
---|---|---|
11 | シュート | 10 |
9 | GK | 14 |
4 | CK | 5 |
20 | 直接FK | 9 |
1 | 間接FK | 0 |
1 | オフサイド | 0 |
0 | PK | 0 |
試合データ
- 入場者数
- 24,209人
- 天候
- 曇、中風
気温 13.5℃ / 湿度 42.0% - ピッチ
- 全面良芝、水含み
- 主審
- 村上 伸次
- 副審
-
八木 あかね
五十嵐 泰之 - 追加審判
-
扇谷 健司
福島 孝一郎 - 第4の審判員
- 平間 亮