
鹿島が、アウェイの地で力強く再スタートを切った。前節から中3日、J1 1st 第8節でベガルタ仙台と対戦すると、前半に昌子のゴールで先制し、後半にはカイオのゴールでリードを広げる。終了間際に1点を返されたが、2-1で逃げ切り、2試合ぶりの勝利を収めた。

鹿島は4日前の神戸戦で敗れ、3月22日の名古屋戦から続いていた無敗は6で止まった。中3日で迎えたアウェイゲームは、再び這い上がるために、そして上位に食らいついていくために、極めて重要な試合だった。トニーニョ セレーゾ監督は、「3日間という時間では、コンディションの回復に重点に置くしかない」と話しつつ、「前節の反省は、しっかりと行った」と、今節での修正に自信を見せた。先発メンバーの変更は2選手。前節で後半から出場した小笠原が先発に復帰し、柴崎とのボランチコンビでチームの舵を取る。また、金崎が出場停止の前線には、高崎が指名された。2列目にはカイオと土居、遠藤が並び、センターバックは昌子とファン ソッコとのペア。最後尾は曽ヶ端、右サイドバックは西、左サイドバックは山本が務める。


ゴールデンウィークの初日、フットボールのある休日を迎えた喜びと心地良い陽気に包まれたユアテックスタジアム仙台。サポーターは早くから長蛇の待機列を作り、モチベーションの高さを示した。両チームのチャントが飛び交い、ボルテージが高まる中、14時3分にキックオフを迎えた。

前半立ち上がりから、25分ほどは仙台のペースだった。鹿島はなかなか前線でボールが収まらず、攻撃の糸口を作れない。自陣でのプレー時間が多くなる展開で、サイドからのクロスボールからヘディングシュートを打たれるなど、ピンチを迎える場面もあったが、曽ヶ端が安定したプレーで立ちはだかり、先制点を許さなかった。

鹿島は28分、先発復帰の小笠原が放ったミドルシュートから、仙台ゴールへ迫り始める。32分には、左サイドのタッチライン際でボールをキープした土居がドリブルで縦へ抜け出し、中央の柴崎へ。柴崎は前方へ持ち出してから、右足ミドルシュートを放ったが、GKにキャッチされた。36分には、柴崎が放った低い軌道の左CKから、遠藤が走り込んで左足ボレーで狙ったが、惜しくも左サイドネットへ。決定機こそ作れなかったが、鹿島は少しずつ、ゴールの予感を漂わせていった。

そして、待望の先制点は43分に生まれた。柴崎の右CKに反応した昌子が、ゴール前での混戦からヘディングシュート。ボールは相手GKの伸ばした手を避けるように、ゴール左隅へと吸い込まれた。神戸戦を終えてから3日間、報道陣へのコメントを望まず、ただひたすらに試合への集中力を高めていた背番号3が、今季初ゴールで鹿島にリードをもたらした。前半は1-0で終了した。

後半開始後は、鹿島が攻勢をかけ、2点目を狙いに行った。50分にはカイオがミドルシュート、52分には山本の突破からペナルティーエリア内へ入り、最後は土居がファーサイドの隅を狙ったコントロールシュートを放ったが、枠を越えてしまった。60分にも、右サイドの遠藤が左足でゴール方向へと曲がるクロスを送り、山本が飛び込んでチャンスを演出。カウンターやセットプレーを織り交ぜながら、仙台ゴールへ迫った。

そして、追加点は68分だった。カイオが左サイドでボールを持つと、スピードに乗ったドリブルでペナルティーエリア内へ進入。「中へ入って右足を使うことは、相手に分析されているだろうから」と、縦へ突破して左足を振り抜くと、強烈なシュートがゴール右隅に突き刺さった。カイオはゴール裏まで駆け寄り、サポーターにアピール。ファインゴールで、鹿島がリードを広げた。


2点リードを得た鹿島は、ゴール直後に青木を投入。守備陣のテコ入れを図り、さらに攻勢をかける。72分には右サイドで細かいパスを連ねて突破し、ペナルティーエリア内で柴崎がシュート。さらに82分には、両サイドを広く使った攻撃で、クロスをファーサイドで受けたカイオがゴール前へ浮き球を出すと、最後は土居がダイビングヘッドを放ったが、GKの正面を突いた。鹿島は3点目を挙げることはできなかったが、仙台を押し込んだまま、試合終盤を迎えた。


リーグ戦2試合ぶりの復帰となった梅鉢、今季リーグ戦初出場となった赤崎がピッチに立ち、2-0で迎えた後半アディショナルタイム。鹿島は仙台に1点を返され、無失点試合はまたもお預けとなった。昌子が「悔しさが残る試合」と言葉少なにスタジアムを後にしたように、スッキリしない結末ではあったが、鹿島はリードを保ったまま、タイムアップを迎えた。2-1で仙台を破り、2試合ぶりの勝利を収めた。



アウェイでしっかりと勝ち点3を掴んだ鹿島は3日後、J1 1st 第9節で甲府と対戦する。カシマスタジアムへ戻り、再び連勝街道を突き進んでいく。

【この試合のトピックス】
・昌子が今季初ゴールを決めた。リーグ戦でのゴールは、2014年9月13日、J1第23節の大宮戦以来、自身通算3得点目。
・カイオが今季のリーグ戦2ゴール目を決めた。
・高崎が、J1 1st 第5節の新潟戦以来、リーグ戦3試合ぶりの先発出場を果たした。
・小笠原がフル出場。3月18日のACLグループステージ第3節、広州恒大戦以来の先発メンバー入りだった。
・赤崎が今季のリーグ戦初出場を果たした。
・梅鉢が、4月16日のJ1 1st 第6節の柏戦以来の出場を果たした。


・攻撃のスイッチを入れるべきタイミングをしっかり共有し、チャンスを逃さないこと。
・チームとしてより積極性のあるプレーを意識しよう。
・守備はしっかりとブロックを組んで狙いをもってできているので、慌てないこと。
・その後、少しずつリズムを取り戻して、セットプレーからゴールを決めることができた。ハーフタイムには、選手たちを落ち着かせることを考えていた。自分たちの流れで試合を運べていない時にはイライラしてしまうものだが、そこを落ち着かせること。もう1つは、後半は相手が押し込んでくる状況になるので、それをしっかりしのぐことと、相手が前に出てくるということで、当然ながらその背後が空くことになるということ。前半でもそこを狙って欲しかったが、後半は徹底的にサイドチェンジから背後を狙っていった。遠藤選手の技術やボールキープ、カイオ選手の技術とスピードを生かせると伝えた。その狙い通りのプレーが少しずつできるようになっていった。そこからゴールやチャンスを生み出すことができた。
・チームとして、相手に押し込まれた時間帯や状況の中で積極的な守備をできなかったことが、改善点。それができない要素は様々なことがあって、そのような身体的な反応になってしまった。
・ロングボールへの対策、セカンドボールについて、両サイドバックが内側に絞って、センターバック1人に競らせないように、その後のカバーリングをするように指示を出していた。ロングボールやクロスボールに対して、曽ヶ端選手がタイミング良く、自信を持って飛び出していたことが、チームを助けていたと思う。
・レフェリングも、両チームにとって非常に良かった。我々監督陣は審判に文句しか言わないので、こういう時には褒めないといけないと思う。
とりあえず、勝てて良かった。前半にセットプレーから先制できたのが一番大きかったと思う。最後の失点はもったいない。集中力と意識の問題だと思う。失点ゼロと1失点は大きく違う。甲府戦ではこのようなことにならないよう、気をつけたい。
【土居 聖真】
前半は押し込まれる時間帯が長かったけど、よく耐えていたと思う。良い時間帯で追加点を取れたことが大きかった。チームとして、コンスタントに得点を決めることができているので、失点が続いている部分をもっと改善できればいい。改善点はたくさんある。首位に近づいていけるように、ここから全試合で勝てるようにしたい。
【昌子 源】
完封できていないし、その結果が全て。センターバックとしては、自分のゴールよりも失点に対してシビアになる。集中力が切れて失点してしまい、悔しさが残る試合になった。
カイオ選手、小笠原選手のコメントは、アントラーズモバイルをご覧ください。