▼▼MATCH HIGHLIGHTS▼▼
明治安田生命J1リーグ第21節、カシマスタジアムで横浜FCと対戦した。前半早々に2失点を喫したアントラーズだったが、後半にエヴェラウドが追撃弾を決めると、コーナーキックから相手のオウンゴールで同点に追いつく。そして、後半アディショナルタイムに小泉がアントラーズでの初ゴールとなる決勝点を決めて、3-2と劇的な逆転勝利を飾った。
前節はアウェイで悔しい敗戦を喫した。だが、シュート数では20本対11本と相手を圧倒し、試合の主導権はアントラーズが掌握していた。指揮官も「前を向いて次に向けた準備をしていかなければいけない。先日はホームで負けてしまっているので、次節のホームゲームは皆さんに勝利をプレゼントしたいと思っている」と、すぐに次戦に向けて意識を切り替えた。
前節から先発メンバーの変更は、山本に代えて永戸を入れたのみだった。ゴールマウスは沖が守り、最終ラインは小泉、犬飼、関川、永戸が務める。ボランチは三竿とレオのコンビで、サイドハーフはアラーノと和泉、前線には土居とエヴェラウドが入った。そして、ベンチには、スンテ、町田、永木、荒木、松村、白崎、上田が座った。
台風14号の接近に伴い、試合開催の可否が危ぶまれたが予定通りの16時3分に横浜FCのキックオフで試合が始まった。立ち上がり、試合の入り方に気をつけたかったアントラーズだったが、横浜FCにキックオフからロングボールを放り込まれると、競り合った犬飼がファウルを犯し、FKを与えてしまう。すると、このFKのクロスから瀬沼に押し込まれ、開始からわずか2分で先制を許してしまった。
失点を喫したアントラーズは、その後も横浜FCに押し込まれる展開がつづく。すると13分、コーナーキックのこぼれ球を松尾に拾われると、アントラーズの右サイドからカットインを許し、シュートを打たれる。これがゴールに吸い込まれ、追加点を献上してしまった。
横浜FCの組織的な守備を前にビルドアップで苦しんでいたアントラーズだったが、時間の経過とともに、ボールを前へ運べるようになり、サイドからのクロス攻撃でチャンスをつくった。しかし、攻撃は徐々にトーンダウンし、守備では1対1の勝負で負ける場面が目立った。
後半に入ると、アントラーズが完全にボールを支配し連続攻撃を仕掛ける。しかし、横浜FCの堅固な4-4-2の守備ブロックを崩すことは容易ではなかった。
57分、こう着状態を打破したいアントラーズは3人同時の選手交代を行う。和泉、レオ、土居をベンチに下げ、白崎、上田、荒木をピッチへ送った。
すると、交代直後の58分にゴールが生まれる。右サイドでサイドチェンジのパスを受けた荒木が内側を追い越したアラーノを使い、再び荒木がリターンパスを受ける。一度は相手選手に阻まれたが、三竿がこぼれ球を回収してヒールで流すと、受けたアラーノがラストパスを送る。このパスをエヴェラウドがダイレクトでシュートし、ゴール右隅を射ぬいた。アントラーズが1点差に迫る。
同点に追いつくべく、アントラーズは4人目の選手交代を行う。68分、永戸との交代で永木を投入した。永木はそのまま永戸が務めていた左サイドバックのポジションに入った。さらに79分には、最後の選手交代枠を使い、アラーノに代えて松村をピッチへ送った。
途中交代の松村は右サイドから積極的にドリブルを仕掛け、横浜FCの守備を切り崩しにかかる。すると、松村のカットインからエヴェラウドがシュート。コーナーキックを獲得し、ここから待望の同点ゴールが生まれた。88分、キッカーの永木から送られたボールをエヴェラウドがファーサイドで合わせると、これが相手に当たり、オウンゴールでアントラーズは同点に追いついた。
さらに後半アディショナルタイム、今度は左サイドの荒木の仕掛けからコーナーキックを獲得する。キッカーの永木がファーサイドに入れたクロスは、エヴェラウドと上田が相手と競ってこぼれる。ボールを拾った荒木がゴール前へ入れると、最後は小泉が押し込んだ。この小泉のアントラーズ初ゴールで、大雨のホームゲームを劇的な逆転勝利で終えた。
勢いのつく勝利だったことは間違いないが、同時に多くの改善点も見受けられた。油断なく限られた時間で課題と収穫を整理し、中3日のアウェイ鳥栖戦に向けて、チーム全員で準備を進めていく。
【この試合のトピックス】
・エヴェラウドが今季12ゴール目
・小泉がアントラーズ初ゴール
・小泉がLIXIL賞を受賞



・一人一人がボールを持ったときのサポートのスピードを上げよう。
・特別なことは必要ない。シンプルに、高い強度でプレーを続けよう!
・相手が前がかりになってくるので、裏を突いて、3点目を取りにいくこと。
Q.得点はすべて交代選手が絡んだが、どんな指示を出して送り出した?
A.ビハインドの状況からシステムを4-4-2から4-3-3に変えて、シラがチームに機動力をもたらし、荒木がしっかりとボールキープしたり、マツが入って新たな流れを引き寄せた。あとは亮太。期待しているプレースキックの精度で得点にからみ、2ゴールにからむ仕事ぶりだった。後半は選手たちがあきらめず、相手に圧力をかけて相手のシュートをゼロに追い込むことができた。得点はもっと前にできるチャンスもあったが、今日の勝利は選手を評価しないといけない。最後まで諦めずに戦った選手たちの意欲や姿勢が、最後の逆転につながった。
Q.5連戦のスタート。この勝利はチームにとってプラスになる?
A.アディショナルタイムで逆転できたということで、ファン・サポーターの皆さんに前回ホームで敗戦してしまった心を和らげることができたのではないかと思う。2連敗していたので、ホームで勝ち切るという目標を達成することができて良かった。
連敗をしているので、連勝するためにも流れを作る一戦にしていきたい。前節は得点が取れなかったがチャンスの場面やチャンスのひとつ前の場面に絡むことができるように意識してやっていきたい。
【小泉 慶】
横浜FCには、サイドに足が速い選手がいるし、FWにもポストプレーができる選手もいる。選手一人ひとりの能力が高い。まずは1対1の場面で負けないということが大事になってくる。勝てている時は、セカンドボールを拾うところや球際で負けないことがみんなできている。もう一度、その意識を持ってプレーしていきたい。
【荒木 遼太郎】
チームも2連敗と勝てていない。前節は負けているので、横浜FC戦に向けて勢いづけていきたい。チームとしてはチャンスを作れているので、決定力というところで、どれだけゴールを決められるか。自分は冷静にゴールを決められる判断をしていきたい。
2点を追いかける形になったが、1点目が逆転へのきっかけになったと思う。自分が決めたが、周りの選手たちがパスをつないで決めたチーム全体のゴール。逆転で勝てたことに喜びを感じている。個人的にはセットプレーは好きで、自分を最大限に活かせると思っている。前半も競り合いで勝つことができていたし、後半ももっとパワーを使えると思っていた。2点目は自分のヘディングがゴールにつながったが、綺世や荒木など、みんなの特長が活きた得点だったと思う。
【小泉 慶】
(ゴールシーンは)僕自身、いつもこぼれる位置にいるが、監督から「上がれ」という指示があった。たまたまボールがこぼれてきて、変に考えることなく、無になってシュートを打つことができた。(相手選手の)マークも意外とついていなかったし、ボールが転がってきそうな感じもあった。しっかりと準備をして、枠の上にふかさないことだけを考えてうまく打てた。アントラーズで初ゴール。ホームで決めたかったので、こういった形で取れて良かった。勝利と引き分けでは全然違う。ホームだし連敗していたので、絶対に勝ちたかったので良かった。ただ、立ち上がりや失点シーンは反省しないといけない。それ以外にもピンチはたくさんあった。反省点は頭に入れて、次に活かしたい。