▼▼MATCH HIGHLIGHTS▼▼
明治安田J1第9節、カシマスタジアムでサガン鳥栖と対戦した。前半は拮抗した展開となり、スコアレスで折り返す。後半の立ち上がり、アントラーズは自陣でのミスが続いてしまい、何度かピンチの場面を迎える。だが、公式戦初出場を果たした沖が好セーブをみせて、無失点で凌いだ。すると、69分にセットプレーの流れから和泉がゴールネットを揺らし、アントラーズが先制に成功する。さらに80分にはエヴェラウドが決めて、リードを2点に広げた。その後も、危なげない戦いをみせたアントラーズがこのまま逃げ切り、2-0で今季初の完封勝利を飾った。
3日前の川崎F戦、アントラーズは自分たちのミスから3失点を喫する苦しい展開となり、試合終盤に伊藤の2ゴールで追い上げるも、あと一歩及ばず。2-3のスコアで敗れ、ルヴァンカップのグループステージ敗退が決定した。
試合後、キャプテンの三竿健斗は「悔しい気持ちでいっぱいだし、ホームで見せる戦いや姿勢ではなかった。スタジアムに来てくれたファン・サポーターやテレビの前で応援してくれた人に対して、不甲斐なさと情けなさで申し訳ない」と険しい表情で語った。一つのタイトルを失った重みを選手たちも痛いほど感じている。だが、鳥栖戦までは中2日と時間はない。「次の試合でもっと自信を持って、本来出せる力を出していきたい」とすぐに意識を切り替え、準備を進めた。
厳しい連戦のなか、指揮官は先発メンバーを5人入れ替える決断を下した。ゴールマウスは公式戦初先発となる沖が守る。最終ラインは右から小泉、犬飼、町田、永戸が入った。ボランチはレオと永木がコンビを組み、サイドハーフは右に土居、左にエヴェラウド、前線は白崎と伊藤が務める。ベンチには曽ケ端、内田、関川、和泉、三竿、荒木、染野が座った。
18時33分、鳥栖のキックオフで試合が始まった。立ち上がりは両チームともに拮抗した展開となったが、初めての決定機をつくったのはアントラーズだった。15分、右サイドでフリーキックを獲得し、キッカーの永木がファーサイドへクロスを送ると、エヴェラウドが頭で合わせる。シュートはGKがいないコースへ跳び、ゴールかと思われたが、鳥栖のエドゥアルドにゴールライン上でクリアされ、得点にはならなかった。
その後、試合は一進一退の攻防が続く。アントラーズは鋭いカウンターから何度かチャンスをつくったものの、後方からのビルドアップではなかなかシュートまで持ち込めない。それでも鳥栖の攻撃に対しては、4-4-2の守備ブロックがしっかりと機能した。この日プロ初先発となった沖も、安定したセービングとビルドアップでの貢献でチームを最後尾から支えた。
前半はこのまま0-0のスコアで終了し、ハーフタイムを迎えた。
後半の入り方を大事に為たかったアントラーズだが、開始直後から自陣でのミスが続き、試合の流れは鳥栖に傾いた。立て続けに決定的なシュートを打たれる苦しい展開となるが、沖が好セーブを連発し、度重なるピンチを守り切った。
59分、アントラーズは3人同時に選手交代を行う。永木、白崎、伊藤をベンチに下げ、三竿、和泉、荒木をピッチへ投入した。
交代後、徐々にアントラーズの攻撃に勢いが出た。前線から激しいプレスをかけてボールを奪うと、そこからのショートカウンターでチャンスをつくっていく。67分には土居との交代で染野を投入し、さらに得点を狙いに行った。
すると69分、指揮官の采配が的中する。コーナーキックのこぼれ球を拾った小泉が、ペナルティエリア内へクロスを入れ、染野が高い打点で落とす。これを和泉が胸トラップから左足を振り抜き、ゴールネットに突き刺した。アントラーズが待望の先制点を奪った。
さらに80分、右サイドから荒木がカットインすると、ペナルティエリア右のスペースへパスを送る。これで染野が抜け出すと、バックヒールで後方の和泉へ渡す。和泉は相手の動きを見て冷静に横パスを送ると、最後はエヴェラウドがゴールへ流し込んだ。
リードを広げたアントラーズは守備を固める。86分、エヴェラウドに代えて関川を投入し、逃げ切りに入る。
そして、ついに勝利を告げるホイッスルが鳴り響いた。2-0。アントラーズファミリーの後押しを受けて、今季初の完封勝利、初のリーグ戦連勝を飾った。
次戦は中3日でルヴァンカップのアウェイ清水戦。すでにグループステージ敗退が決定しているものの、未勝利で大会を終えることは許されない。意地とプライドにかけて、勝利が求められる一戦だ。厳しいスケジュールが続くが、これからもチーム一丸で準備を進めていく。
【この試合のトピックス】
・沖が公式戦初出場、初完封
・小泉が今季公式戦初先発、フル出場
・和泉が加入後初ゴール
・エヴェラウドがリーグ戦3試合連続ゴール(今季6ゴール目)
・今季リーグ戦初の連勝
・町田が次節出場停止
・和泉がLIXIL賞を初受賞



・相手に起点を作らせないよう、厳しくプレッシャーをかけていこう。
・攻撃は慌てず、落ち着いて、前半のようなプレーを続けていこう。
・攻守の切り替えを早くすること。
・粘り強く戦うこと。
Q.沖選手の起用の意図と評価は?
A.就任当初から沖選手と山田選手を見てきて、彼らが成長してきている実感もあった。これは、僕だけでなくスタッフとも話していた。練習試合でも非常にいいパフォーマンスを示していて、どこかのタイミングで彼を起用したいという気持ちが芽生えた。ボールを持ったときに、慌てずに状況を見ることができる。特に足元にボールがあるときに落ち着いてプレー出来ることと、キックのミートがうまくいろいろな要望を出してもその要望通りにできるので、自然体でやってほしいと話をしたら、今日もいいパフォーマンスを出してくれた。いくつかシュートを打たれたが、いい対応ができていたと思う。アントラーズとしてもいい若手を育てないといけないし、今後もこのような日々の姿勢を変わらずやり続けてくれることを願っている。
鳥栖は若い選手が多く試合に出場していて、ハードワークをしてくるというイメージがある。最後まであきらめないという部分や球際の激しさなど、高い強度でくる。それに対して、自分たちも鳥栖以上の強度で戦うということが重要だと思う。
【和泉 竜司】
準備してきたことがあるので、それを落ち着いてしっかりとやっていくことが大事になってくる。まず、勝ち点3を取りに行かなければいけない試合。個の部分も重要になってくると感じているので、一人ひとりが個人の特長を出していくことができれば、いい試合になると思う。
【荒木 遼太郎】
前回の試合から中2日という厳しい日程での戦いだが、スタジアムに来てくれる方や画面越しからのたくさんの応援を受けて、精一杯頑張りたい。
(1点目を振り返って)頭を越えた時点で折り返しは準備していたし、自分のところにきてくれた。ヘディングの選択肢もあったが、胸トラップでコースに入れて、しっかり流し込めた。アントラーズに来て初ゴール。ホッとしている部分もあるが、ここからが勝負。チームとしても今の順位にいてはいけない。得点もそうだし、スタメンだろうが途中出場だろうが、全員がチームのためにやり続けることが大事。誰も満足していないし、ここから先が大事だと思う。
【沖 悠哉】
小さいころからアントラーズの試合を見てきて、勝利を目指してきたので勝てて良かった。自分の力で勝てたとは思っていない。ベンチも含めて全員の力で勝てたと思う。みんなの思いがひとつになったから無失点で勝てたのではないかと思う。ビルドアップは、みんながうまくいいボールを預けてくれたので何不自由なくやれた。まだキックの精度は欠けているし、改善していきたい。自分は日々の練習でアピールして、その結果が試合に出るので、日々の練習をおこたらずにしっかりやっていきたい。