DRAMA Vol.17 株式会社としてのスタート

1991年10月、「株式会社鹿島アントラーズFC」として法人化し、ひとつの会社として新しい道を歩み始める。

「この会社は、従来の企業のやり方では通用しない。行政と、地域住民と、企業が三位一体となって、地域の活性化を生み、育んでゆかなければならない。もちろん、“FOOTBALL DREAM”を実践しながら」

(株)鹿島アントラーズFCの社長、間中峻氏が語るように、この会社の運営は前人未到のものかもしれない。

出資団体は自治体、企業を含めて46団体。列挙すると、鹿島町、神栖町、波崎町、潮来町、大野村、住友金属工業(株)、鹿島都市開発(株)、東京電力(株)、(株)常陽銀行、鹿島運輸(株)、鹿島共同火力(株)、鹿島プラント工業(株)、関東特殊製鋼(株)、共同酸素(株)、住金化工(株)、住金鹿島鉱化(株)、住金大径鋼管(株)、住金物産(株)、住金物流(株)、住友商事(株)、中央電気工業(株)、(株)茨城新聞社、三菱油化(株)、三菱化成(株)、大日本インキ化学工業(株)、鹿島石油(株)、旭硝子(株)、(株)クラレ、武田薬品工業(株)、日本合成ゴム(株)、三菱ガス化学(株)、花王(株)、昭和産業(株)、信越化学工業(株)、旭電化工業(株)、味の素(株)、鐘淵化学工業(株)、王子油化合成紙(株)、鹿島塩ビモノマー(株)、鹿島北共同発電(株)、鹿島ケミカル(株)、鹿島酸素(株)、鹿島電解(株)、鹿島南共同発電(株)、鹿島珪曹硝子(株)、ライオン化学(株)〔順不同〕である。さらに、このほか500社余りの後援会賛助会員の支援も受けている。

1991年の7月からの3カ月で、これだけの出資団体と細かな折衝にあたって了解をとりつけたのは、(株)鹿島アントラーズFC取締役球団部長兼事業部長の牛島洋氏だ。

「せっかく、これだけの地域の期待を集めて始まった仕事ですから、強くて魅力のあるチームづくりをして、皆さんの期待にこたえたい(牛島氏)」

新しい会社として、新しい考えの事業として、成すべきことは、それこそ山ほどある。そして、その責任は重大である。強くなる、地域への夢を果たす、これこそが鹿島アントラーズの存在理由だ。