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2021年03月26日(金)

FREAKS Vol. 306(2021/3)より 〜不変のスタンス〜

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日本人選手として最年長になったからといって遠藤康が気負うことはない。
これまでどおり、チームの勝利だけにフォーカスして戦っていく。
それこそがアントラーズの選手が追い求める姿である。

クラブ創設30周年を迎える今シーズン、遠藤康は在籍15年目を迎える。ちょうど、クラブの歴史を半分、見届けてきたことになる。
「タイトルを獲っていないと落ち着かないんですよね」。その言葉はアントラーズが積み重ねてきた歴史を示している。
「自分が出た試合でチームが勝ち続けることに意味がある」。その思いは、アントラーズの選手としての姿勢を表している。
曽ケ端準(GKアシスタントコーチ)が現役を引退したことで、今シーズンは日本人選手として最年長になった。だからといって気負うことはない。これまでもこれからも遠藤は変わることなく、勝つことだけにフォーカスしていく。

改めて選手としての姿勢を
考えさせられた出来事

──いよいよ新シーズンが始まります。2021シーズンのスタートをどのような気持ちで迎えましたか?
「実は始まった感じがしなかったんです。今シーズンは鹿嶋で練習がスタートしましたからね。いつもなら、早々にキャンプに向かっていただけに、クラブハウスで練習する時間が長く、今までとは違う感覚がありました」

──心境を聞いたのは、今シーズンが、遠藤選手にとって節目となるプロ15年目のシーズンだったからでした。
「15年目かあ……。でも、特に数字は気にしていないですね。それよりも日本人選手として、自分が一番年上になったことのほうが驚いています」

──昨シーズン、曽ケ端準さんが現役を引退したことによって、遠藤選手は日本人選手として最年長になりました。どう受け止めていますか?
「ソガさん(曽ケ端GKアシスタントコーチ)が引退することになり、自分もそろそろ、そういう時期が来るのかなと思いながら、会見を見ていました。あと何年、自分は選手を続けることができるのかなと……」

──自分に重ねたところがあったんですね。
「一つのクラブでプレーを続け、最後に会見を開いてもらい、惜しまれながら選手をやめられることは幸せだなと思いました。一方で、ソガさん自身も会見で話していましたけど、最後の最後まで選手にこだわろうとした姿勢に、刺激を受けました。ソガさんはアントラーズで選手生活を終えるのだろうなと思っていたけど、選手を続けられる方法を探そうとするなど、最後まで現役にこだわり続けようとしていた。その姿勢に驚いたんです。きっと、そうした思いがあったから、ソガさんは41歳まで選手を続けることができたんでしょうね。そう思うと同時に、自分はそこまでできるのだろうかと考えさせられました。改めて、最後の最後までギラギラしていなければダメなんだなと。それで後日、ソガさんと食事をしたときに、『これからは、お前が日本人選手最年長になるんだぞ』と言われて、僕もそのことに気がついたんです」

──そうだったんですね。
「日本人選手として最年長になったということを、自分なりにしっかりととらえなければいけないんでしょうけど、まだあまり気にしていない自分もいます。なぜなら、レオ(レオ・シルバ選手)もいますし、スンテ(クォン・スンテ選手)と、チーム全体で見れば、自分よりも年上の選手はいますからね。それに同世代としては亮太(永木選手)もいますし、キャプテンの健斗(三竿選手)もしっかりしている。自分が率先して年上っぽく振る舞わなくても、チームを引っ張っていける人が、アントラーズにはたくさんいますからね」

勝つことにフォーカスしていけば
強いチームになっていく

──昨シーズンのことを振り返ると、新たなフットボールに対して、当初は多くの選手が戸惑っているところもあったかと思います。そのなかで遠藤選手は、いち早く戦術に順応していたように見えました。
「僕自身は、新たな戦術ということを意識しすぎることなく、普通にやっていただけなんです。逆に周りのみんなが、変わったということを意識しすぎていたように思います。監督が言うことや求めることは、もちろん大切ですけど、それだけではなく、選手たち自身が自ら気づいて、オリジナリティーや個性を出すことも重要だと感じていたんです。なぜなら、新しく来た監督が求めることを、すぐに理解して実践できる人はほぼいないと思うので。それができるようになるためには、やっぱり試合を重ねていかなければならない。だから、僕は試合で、それをチームに、チームメートに伝えていたんです」

──練習ではなく、試合で発信することに意味があったと?
「練習で言うよりも、試合中のほうが説得力がありますからね。もちろん、練習も同じ緊張感を持ってやっていますけど、やっぱり試合とは別物になる。大事なのは、試合中に起きていることを素早くチームとして解決していくこと。試合は常に動いているし、状況も刻々と変わるだけに、選手たちがそれぞれに判断して、適応していく必要がある。だから、ピッチのなかにいる自分たちでも、判断していこうということを伝えていたんです」

──次第に戦術が浸透していった背景もありますが、選手が判断する幅も広がったことで結果がついてきました。まさに遠藤選手が言っていたことを、チームメートも理解してきた賜物だったということですね?
「その結果、戦術と判断力が増して、自分たちで主導権を握れるようになりましたよね。相手どうこうよりも、まずはうちらがやるべきことをやれば勝てるチームになった。負けた試合にしても、相手がうまかったからやられたというのではなく、自分たちがやるべきことをやれなかったから勝てなかったという段階まで来たと思っています」

──なるほど。やるべきことを全員でやれれば、勝てるチームになったということですね。
「そう思いますし、そこはみんなも感じていると思います。絶対に、とまではいかないですけど、やるべきことをやれば勝てる確率が上がるところまでは来たかなと」

──まさにリアクションではなく、自分たちからアクションを起こしていくフットボールですね。主導権を握っていくこのスタイルの可能性をどう感じていますか?
「そこはまた、一からだと思っています。昨シーズンと同じフットボールをして優勝できれば、それはそれでいいですけど、相手も変われば、選手も変わっていきますからね。昨シーズンも、目指すフットボールが変わったなかで、自分たちでいろいろと試行錯誤してきたからこそ、シーズン終盤に形が見えてきたんです。今シーズンは、大幅に選手が入れ替わっていないとはいえ、試行錯誤する時期というものは必ずあるはず。それをいち早く乗り切ることができるかどうか。そこが重要だと思っています」

──昨シーズン築いたベースがチームにはあるだけに、今シーズンはスムーズにいくという見られ方もあると思います。
「いや、昨シーズンがよかったからといって、今シーズンもいけるだろうと思うならば、それは違うと思っています。そんなに甘くはないと思うんですよね。何より、今シーズンはまだ1回も公式戦をしていないので、一度も勝っていないことになる。だから、まずは試合に勝って、波に乗っていくことが大切。シーズン当初から、いいフットボールをしていても、結果が出なければ、また厳しい戦いが続いていく。それだけに、今シーズンこそ序盤の結果が大切になってくるのではないかと思っています」

──それでいうと、昨シーズンは〝ここ〟という大事な試合を落とすことが多かったように思います。
「そうでしたね。今シーズンは、自分たちよりも順位的に下位にいるチームには、勝つことを当たり前にしたいですよね。そのうえで、自分たちよりも上にいるチームに、どれだけ力を見せられるか。下位にいるチーム相手に力を出せないとなると、やはり自分たちの実力が足りないということになる。僕自身はそう思ってしまうんです。だから、最低限、自分たちよりも下位の相手には勝利し、上位との試合で、それぞれがどれだけ何をできるか。そこがタイトルを獲るためには必要なことなのではないかと思います。繰り返しになってしまうけど、監督が求めることはもちろん大事です。でも、それに上乗せして、選手それぞれが個性や力を発揮できるか。そこが大事かなと、僕はすごく思います」

──タイトルを獲るには、チームとしてやるべきことをやったうえで、ピッチにいる11人がプラスアルファを発揮する必要があると?
「そうです。例えばですけど、試合に負けたとき、監督の言うことをやっていたのに勝負に負けたというのでは意味がないんですよね。少し極端な言い方をしますけど、自分で判断してプレーを選択し、それが勝利という結果に結びついたとすれば、それはそれでOKになる。要するに、状況に応じて、選手たちが判断できるかどうか。そうやって毎試合、勝つことだけにフォーカスしていければ、強いチームになっていくと思いますし、必然的に勝てるチームにもなっていくと思います。だから、これまた例えばですけど、昨シーズン終盤は、エヴェ(エヴェラウド選手)と綺世(上田選手)の強さを生かして、クロスから点を取りましたよね。でも、今シーズンはそれだけでは絶対に勝てないと思うんです。相手も警戒してくるだろうし、対策も練ってくると思うので。だから、チームが苦しいとき、2トップにクロスを上げればいいやという空気になってしまうことのほうが僕は怖いと思っています。そうならないためにも、チームとして違う得点パターンやバリエーションを探していかなければいけないと感じているんです」

伝統や哲学はつながっていくもの
ここから新たなアントラーズを築く

──話題を変えて、遠藤選手自身についてもお聞きできればと思います。今季のスローガンは「Football Dream─しんか─」です。そこには〝進化〟や〝深化〟といったメッセージが込められていますが、自分自身の〝進化〟についてはどう考えていますか?
「個人としても常に進化していかなければ、このチームでは生き残っていけないですからね。アントラーズとは、そういうチームだし、そういうチームでなければいけないとも思っています。自分自身も生き残っていけるように、もっとうまくなれるように、毎日、毎日、練習しているように思います。そういう意味では昨シーズンは途中出場が多く、悔しい思いはあったので、今シーズンはスタートから試合に出られるように頑張りたいですし、自分を進化させたいと思います」

──そこに自分自身のモチベーションもあると?
「そうですね。やっぱり、最初から試合に出たいですし、自分が出た試合では必ず勝つ姿をファン・サポーターには見せたい。でも、自分一人の力だけで勝つことはできないので、監督からの信頼や仲間からの信頼というものを、日々の練習から勝ち取っていければと思っています。公式戦で互いに要求し、伝えていくことが大切だと言いましたけど、その前段として、練習で培ってきたものが試合に出ますからね。練習でしっかりと力を見せることで、おのずと出場時間や出場機会は増えていくもの。ただ、口で言うのはやっぱり簡単なので、ピッチで、プレーで示すことができればと思います」

──今シーズンはクラブ創設30周年という節目でもあります。
「宮城県から出てきて、アントラーズに加わって15年。自分は30年のうちの半分しか在籍していないですけど、アントラーズが常にタイトル争いに絡むチームになったことは、改めてすごいことだなと思います。そこには、ジーコ(テクニカルディレクター)をはじめ、ここまでアントラーズにかかわってくれたOBの人たちが、しっかりとした基盤を築いてきてくれたからこそ。それに尽きると思っています。自分は、そこに乗っかってきただけだとも思うんですよね。だから、節目となる今シーズン、タイトルを獲ることで、新たな鹿島アントラーズを作っていかなければとも感じていますし、もっともっと大きな礎を作り上げることができればと思っています」

──先達から受け継いできた伝統であり、哲学を伝えていく役目も担っています。
「そこは最初の話に戻ってしまいますけど、強く意識しているわけではないんです(笑)。だって、気がつく人は気がつきますし、学ぶ人は学んでいくものだから。実際、自分もそうでしたからね。先輩たちの姿を見て、感じたことを表現してきただけなんです。だから、きっと、これからも自然とつながっていくと思うんです。伝統とか哲学って、無理につなげていくものではなく、僕は自然とつながっていくものだと思うので」

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