▼▼MATCH HIGHLIGHTS▼▼
2023明治安田生命J1リーグ 第17節、カシマスタジアムで湘南ベルマーレと対戦した。前半は苦しい試合展開となったが、関川の好プレーから得たフリーキックを樋口が直接決めて、先制に成功する。後半は拮抗した展開となったが、最後までリードを守り抜き、1-0で終了。リーグ戦4試合ぶりの勝利をつかみ取った。
天皇杯2回戦はリーグ戦からスタメン11人を入れ替え、総力戦で臨んだが、3-0と快勝し、3回戦進出を決めた。そこから中3日。チーム一丸で準備を進め、湘南戦に臨んだ。
なお、この試合は「大和証券スペシャルマッチ ~ファンドラップは、やっぱり大和証券。~」として開催された。
スタメンは、リーグ前節・浦和戦と同じ11人が名を連ねた。GKが早川、フィールドプレーヤーは広瀬、植田、関川、安西、佐野、ピトゥカ、名古、樋口、垣田、優磨が入った。ベンチには、沖、昌子、常本、土居、荒木、藤井、染野が座る。
立ち上がりはアグレッシブな姿勢を見せる湘南にセカンドボールをことごとく拾われ、押し込まれる展開となる。決定的なピンチこそなかったが、攻撃面では狙い通りの形で相手陣内に侵入することができなかった。
時間の経過とともに、少しずつボールを動かせるようになったが、アクシデントが起きてしまう。垣田が相手と接触して倒れ込んだ佐野に巻き込まれ、足を負傷してしまった。そして、選手交代までの間、1人少ない状況でプレーを進めるなかで、タリクに決定的なシュートを許してしまう。ただ、これは植田の体を張ったシュートブロックで辛うじて失点を防ぎ、23分に垣田との交代で染野が投入された。
アクシデントが起き、バタバタした展開のなかで、ペナルティエリア手前でファウルを犯してしまう。25分、このフリーキックを町野に直接狙われる。クロスバーに跳ね返り、失点にはならなかったが、肝を冷やす場面だった。
湘南のペースで試合が進み、カシマスタジアムのピッチには霧が立ち込めた。湘南に押し込まれる展開が続き、セカンドボールをなかなか拾えない。ようやくボールを保持できても、効果的な攻撃を仕掛けることができなかった。
それでも、42分に試合の流れを一変させるプレーが生まれる。関川がアグレッシブなディフェンスで相手から見事にボールを奪い取ると、ドリブルで少し持ち運んだところでファウルを受ける。ペナルティエリア手前の絶好の位置でフリーキックを獲得した。
43分、キッカーは樋口が務める。ゆっくりとした助走から右足を振り抜くと、シュートは壁を超えて美しい軌道を描き、クロスバーに当たって、ゴールラインを割った。樋口の見事な直接フリーキックで先制に成功した。
この試合、1本目のシュートで先制点を奪ったアントラーズは、流れをぐっと引き寄せ、そのままの勢いで前半を1-0で終えた。
霧雨の影響で後半からカラーボールを使用した。また、後半開始から安西、名古との交代で、常本、藤井を投入した。サイドバックは左が広瀬、右が常本となり、藤井はそのまま名古が務めていた左サイドハーフに入った。
前半とは打って変わって、後半はアントラーズのペースで試合が進む。左サイドの藤井が果敢なドリブル突破でチャンスをつくると、佐野も自陣からのドリブル突破でチャンスをつくり出した。流れは完全にアントラーズへ傾く。
すると、52分に決定機が訪れる。左サイドから広瀬がクロスを入れると、藤井がファーサイドで合わせた。しかし、藤井が合わせたボールは惜しくもポストに跳ね返り、追加点とはならなかった。
その後も、アントラーズが主導権を掌握し、試合を進める。藤井のドリブルで深い位置まで押し込み、後方でフリーになった広瀬がクロスを入れる形でチャンスをつくった。
だが、徐々に湘南に押し込まれる展開となる。そこで66分に広瀬との交代で昌子を投入。そして、70分には染野との交代で荒木をピッチへ送った。
しかし、75分に決定的なピンチが訪れる。関川のクリアミスから鈴木章斗にボールを奪われ、鈴木章斗のクロスから最後は阿部にシュートを許してしまう。だが、このシュートは樋口が見事にクリアし、失点を免れた。
ピンチを凌いだアントラーズにチャンスが訪れた。ペナルティエリア手前からピトゥカがミドルシュートを放つと、相手のハンドを誘発し、PKを獲得する。これを優磨が蹴るが、相手GKの好セーブに阻まれてしまう。ただ、相手GKのセーブに反応してクリアした選手が、優磨が蹴ったタイミングでペナルティエリア内に侵入しており、PKはやり直しとなる。そして、優磨が再びPKのやり直しを蹴ったが、またも相手GKの好セーブに阻まれ、追加点を奪うことはできなかった。
2度のPK失敗となったが、その後も湘南に流れを明け渡すことなく、アントラーズはアグレッシブに戦う。
藤井がカットインからシュート、ピトゥカの落としから荒木がシュートを放ち、ゴールを脅かした。
そして、このまま最後まで集中を切らすことなく、全員で戦い抜き、1-0で勝利を収めた。
次は中6日でルヴァンカップグループステージ最終節のホーム新潟戦へ臨む。グループステージ突破をかけた重要な試合に向けて、チーム一丸で準備を進める。
【この試合のトピックス】
・樋口が今季初ゴール
・ピトゥカが次節出場停止
・樋口がLIXIL賞を受賞



A.4試合ぶりというよりも、違う大会ではあるがカップ戦を合わせたホーム3連戦で、すべて勝たないと後半戦につながらないということで、選手たちと集中していた。その3分の2を乗り切ったという意識の方が強い。前半戦はホームで勝ちが少なかったので、ファン・サポーターの皆さんに勝ちを届けることができたこともうれしく思っている。
試合前日にいろいろなデータを見ていて、2007年の逆転優勝をしたときの前半戦を見たとき、勝ち点30、首位と勝ち点8差だった。今日を勝てばちょうど勝ち点8差になると思っていた。「ここで攻勢につなげる」という自分の気持ちも含めて、なんとかつながったなというところでホッとしている。
Q.得点にからんだ2選手、前線につなげることができたセンターバックの関川選手と、直接FKを決めた樋口選手の評価について。
A.郁万は、顔の系統としては僕たちの跡を引き継いでいるようだが、プレーぶりは現代サッカーのセンターバック。遠くまでグラウンダーでパスを届けることができてスピードもある。そこに安定感も出てきて、将来がすごく楽しみになってきたなと評価している。今日もシュートブロックがあったし、ゴール前の冷静さもついてきて、攻守ともにチームに貢献できるセンターバックだと評価している。
雄太は、昨年からよくアシストしてくれていたが、今年は少し蹴り方に工夫を加えてアシストが増え始めた。今日やっと直接フリーキックが入ったということで、その後のプレーも乗ってきていた。キッカーはキックが上手くいくと他のプレーもどんどん良くなってくる。キックだけでなく、試合のいろいろな場面での貢献を続けてもらいたいと思っている。
Q.後半開始から修正した狙いと意図について。
A.いろいろな意図があった。全体的に重かったので、選手を入れ替えることでフレッシュさを出すことが一つ。あとは相手への対応ということで、個人の対応の噛み合っていない部分の修正をしたかったところもある。あとは相手のやり方に対して、相手が下から背後を突いてくるところもそう、長いボールを入れてセカンドボールを拾うこともそう。それに対して、少し立ち位置を変えた方が対応しやすくなるだろうということで、まずは後半の頭で流れを引き戻すことを狙った。ある程度は効果が出たと思っているが、まだ映像を見返していないので、なんとも言えないところではある。
Q.今日でリーグ前半戦が終了。優勝に向けてリーグ後半戦でライバルとなるチームをどう見ている?
A.我々よりも上にいるすべてのチーム。選手たちに伝えているのは、リーグ戦は他のチームは関係なく、自分たちが勝ち点をいくつ取るかによって決まるものだということ。昨日までの結果は関係なく、自分たちがこれからどれだけ積み重ねられるか。2007年には9連勝して勝ち点42を稼いでいるが、それぐらいのペースでいけば、自分たちも勝ち点70に乗せられる。そうなれば1位か2位に入れると思うので、自分たち次第だと捉えている。
Q.「前半は全体的に重かった」とあったが、垣田選手のケガや相手の戦い方など、いろいろな要素があったと思う。選手も消化不良だったように見えたが、どう見ていた?
A.いろいろな要因があったと思っている。リーグ戦では4試合ぶりの勝利だったが、カップ戦での勝利が一つはさむと、チームに安堵感が生まれたりするもの。試合前の雰囲気から、そこが一つあった。相手に対する準備のところでも、選手たちを重くさせる要因がいくつかあった。そこは自分のなかでいろいろと反省したい。一つを挙げると、湘南は27失点中、後半に19失点している。前半に勢いを持って入ってきて、そのまま1点、2点、3点と取り切るのが彼らの勝ちパターン。そこをかなり意識して試合に入った。それがもしかしたら、アグレッシブさを失わせたのかもしれないし、戦術的なやり方のところかもしれない。
垣田がいなくなったことで、相手のフラットなラインの背後に誰が飛び出すのかというところが、構成上で見えづらかったところもある。それだけでなく、セカンドボールの準備も足りなかった。ただシステム上の関係もあるので、いろいろと挙げればいくつもあるが、そのほとんどが後半の修正である程度は解消するだろうというのがあった。選手たちと共有していた最悪のパターンは、上手くいかなければ0-0もしくは0-1以内で前半を終えて、後半に勝負するということ。後半に相手のスペースが空いてきたところで上回っていくことができたのは、選手たちがうまくゲームマネージメントしてくれたからだと思う。ここは現場の難しさ。情報を与えれば与えるほど、そっちに流れていくところがある。そこは自分でも振り返ってみたい。
昨年は試合に出れなかったので、対戦を楽しみにしていた。ただ、リーグ戦では3試合勝つことができていないので、そこにフォーカスして戦っていきたい。最後はケガで終わってしまったので、アントラーズに帰ってきてから成長した部分を見せたいと思う。
【樋口 雄太】
湘南といえば、球際が強いチーム。とにかく先制点が大事になる。そのために、試合の入りをしっかりしたい。ビルドアップは良い形ができるようになってきたので、あとは1つ前に入ったところで、スピードアップしたり、みんなでイメージを合わせたい。
【植田 直通】
全員が走って、全員で戦ってくるチームだと思う。球際の強度は相手のストロングポイントでもあるので、そこで負けないようにしたい。攻撃面でも、自分たちが得点を取るためにプレーしていることを忘れず、チャレンジできるところでチャレンジしていきたい。
この試合で1本目のFKだったので、思い切りシュートを打とうと思ってボールを蹴ったことがゴールにつながったと思う。鳥栖時代にFKが壁に当たって得点になったことはあったが、狙いどおりに決まったFKでのゴールは初めて。すごく気持ち良かったし、カシマスタジアムで得点できたことに大きな意味があると思っている。
【植田 直通】
最近のリーグ戦では勝ち切れない試合が続いたが、無失点での勝利で終えられて個人的にも良かったと思っている。こういう試合をものにしていかないと優勝することはできないだろうし、苦しい試合で勝ち点を拾っていくことが重要になる。このような試合に勝ち切れたことでチームとしての進歩を感じる。
【早川 友基】
前半はあまりうまくいかなかったが、そのなかでも失点しないことをチームとして意識していた。全員の守備の対応が素晴らしかったと思う。苦しい時間帯もあったが、雨のなかでもずっと応援してくれたファン・サポーターに感謝したい。今後も大きな声援を送ってくれたらうれしく思う。
【ディエゴ ピトゥカ】
簡単な試合にならないことは分かっていた。そのなかでセットプレーで1点を取って勝ち切れたことが重要だったと思っている。リーグ後半戦でさらに結果を残すために一つひとつの課題を修正していきたい。そして、またファン・サポーターと喜び合えるように、カシマスタジアムで応援してほしい。
【佐野 海舟】
試合内容は決して良くはなかったが、それでも勝利で終われたことは良かった。たくさんの課題が残ったのでそれらを修正し、次週のルヴァンカップ新潟戦に向かいたい。リーグと同様にルヴァンカップのタイトルも必ず獲りたいので、ファン・サポーターにはまたカシマスタジアムでサポートしてもらいたい。