▼▼MATCH HIGHLIGHTS▼▼
YBCルヴァンカップ グループステージ第3節、カシマスタジアムで北海道コンサドーレ札幌と対戦した。アントラーズは試合開始から攻撃的にプレーし、前半のうちに松村と荒木のゴールでリードを奪う。後半にはPKを白崎が決めて、リードを3点に広げ、このまま3-0で勝利した。
直近の徳島戦は相馬監督の就任からわずか3日後だった。限られた準備期間の中だったが、結果は1-0。好調徳島の組織的なプレーに苦しみながらも、セットプレーから町田が決めたゴールを守り切り、アウェイで価値ある勝ち点3を掴み取った。
徳島戦の翌日からチームは休むことなくトレーニングを行った。札幌戦までは中2日と時間がない。相馬監督は「まだ連戦の中でたくさんのことはできない。ただ、まずは戦う部分をベースとする。今日は勝利という形で一つ歯車を回すことができたので、あとはここからどう肉づけしていくか。軸の部分だけはブラさずにやっていく」と語り、選手たちに目の前の試合だけに集中することを求めていた。
先発は徳島戦から荒木を除く10人を入れ替えて臨んだ。ゴールマウスはスンテが守り、最終ラインは広瀬、林、関川、杉岡が入る。ボランチは永木と小泉がコンビを組み、前線は遠藤、荒木、松村、染野が入った。ベンチには、早川、町田、三竿、須藤、舩橋、白崎、上田が名を連ねた。なお、林は公式戦初先発、早川と須藤は公式戦初のベンチ入りとなった。
立ち上がりからアントラーズがハイプレスで試合の主導権を握る。前線の選手が連動してうまく相手を追い込み、ロングボールを蹴らすことに成功した。最終ラインのミスが目立ち、ややバタついた印象はあったが、ピンチらしいピンチはつくらせなかった。
一方、攻撃面では同サイドに人数をかけて、多くの選手がイメージを共有しながら素早いテンポでパスを回した。だが、前半序盤につくった決定機は、14分に染野が放ったシュート1本のみ。サイドを突破しても、ペナルティエリア内になかなか良いパスを送れず、チャンスをつくれなかった。
すると押し気味に試合を進めていたアントラーズが30分にカウンターを喰らう。中盤で遠藤がボールを失うと、小野の縦パスをジェイにダイレクトで落とされ、青木に抜け出される。幸いにも青木のシュートはゴールポストに当たり失点にならなかったが、肝を冷やす場面となった。
だがここからアントラーズは札幌の隙を見逃さず、32分に先制点を奪う。札幌のバックパスに対して、松村が猛烈なプレスをかけると、札幌のGK大谷のコントロールミスを誘い、松村はそのままの勢いでゴールへ押し込んだ。松村のゴールでアントラーズが先制に成功する。
先制ゴールで勢いづき、39分には追加点を奪った。遠藤が左足でクロスを上げ、ペナルティエリア内で染野が後方に流すも、ルーカス フェルナンデスにクリアされてしまう。だが、相手のクリアボールを荒木がうまくペナルティエリア内で収めると、素早く左足を振り抜き、ゴール右隅を射抜いた。アントラーズがリードを2点に広げる。
このまま前半は大きな動きのないまま、終了。大きなリスクを背負いながらも攻撃的に戦ったアントラーズが2点のリードを奪い、ハーフタイムに突入した。
後半に入ると、アントラーズはミスからピンチを迎えてしまう。49分、スンテのパスが札幌の青木に渡ってしまい、金子へのパスが出る。金子にペナルティエリア内の深い位置からゴール前へ折り返されたが、これは林が身体を張ってクリアし、失点を免れた。プロ初先発の林が気持ちをみせる。
その後、試合をコントロールするべく、57分に荒木との交代で白崎を投入した。すると60分、投入されたばかりの白崎にチャンスが巡ってくる。左サイドを抜け出した染野が絶好のクロスを入れると、ファーサイドへ走り込んだ白崎がゴール前でヘディングする。しかし、シュートは相手選手に当たり、惜しくもクロスバーを越えてしまった。
さらにアントラーズは64分にも決定機をつくった。永木がペナルティエリア内へ走り込んだ松村にスルーパスを入れると、このスルーパスは通らなかったが、諦めずに追った松村がキム ミンテにペナルティエリア内で倒され、ファウルを受ける。これがPKの判定となり、キム ミンテにはレッドカードが提示された。このPKは染野がキッカーを務めるも、シュートはゴールポストに当たり、追加点を奪えなかった。
その後、チャンスを逸した報いか、ピンチを迎える。68分、左サイドを簡単に突破されると、金子にクロスを入れられ、中央でドウグラス ヴィエイラをフリーにしてしまう。ゴール前でシュートされたが、これをスンテがビッグセーブし、失点を免れた。
ピンチを凌いだアントラーズは78分にチャンスをつくる。遠藤が蹴ったFKから染野に渡ると、ペナルティエリア内で混戦が生まれ、こぼれ球を拾った関川が相手GK大谷に倒される。これがファウルの判定となり、PKを獲得した。
しかし、PKの判定で試合が中断している間に林がピッチへ倒れ込んだ。林はプレー続行不可となり、担架でピッチの外へ運ばれる。そして、交代で町田が投入された。
交代を終えて81分にPKで試合は再開。このPKを白崎が落ち着いてゴール中央へ蹴り込み、リードを3点差に広げた。
86分にアントラーズは2人同時に交代する。松村、広瀬をベンチに下げ、須藤と三竿をピッチへ送った。なお、これで須藤は公式戦デビューとなった。
試合も最終に突入すると、交代出場で入った三竿や町田を中心にバランスをみながら時計の針を進める。そして、このまま危なげなく締めくくり、3-0で試合終了を迎えた。
次は中3日で明治安田J1第11節のホーム神戸戦だ。勝利のみを目指し、限られた時間で最善の準備を尽くす。
【この試合のトピックス】
・松村が今季公式戦初ゴール
・荒木が今大会2試合連続ゴール
・白崎が今大会初ゴール
・須藤がプロデビュー
・林がプロ初先発
・松村が初のLIXIL賞を受賞



・勇気をもってラインを上げ、コンパクトな距離感を保とう。
・常にボールを受ける準備を怠らないようにしよう。
・我慢して戦うぞ。
・集中力を高めていこう。
試合はどちらにもチャンスがある展開だった。われわれがやろうとしている形のなかでチャンスを作り、札幌も狙った形でチャンスを作るという流れだ。実際にポストを叩くシーンもあったし、非常に危ないシーンもあった。ただ、先にゴールを奪うことができた。先制点が大きかった試合だったと思う。特にそのシーンでマツが、自分の武器を出してくれた。チーム全体としてたくさんのことはできていないが、今回も中2日で守備のところだけをきちんと整理したなか、積極的にやることで個々の特長が少しでも出ればいいと思っていた。得点シーンではそれが出たかなと思う。あとはリードしてから、どう試合をコントロールしていくか。若い選手が多いなか、キャプテンの亮太やヤスとスンテ、ベテランである彼らが、重心を下げることなく前に行きながらもバラバラにならないようにうまくコントロールしながら、前回取れなかった追加点を取って無失点で試合を終えてくれたのは良かったと思う。
Q.選手を入れ替えたなかで勝利できたことについてどう捉えている?
A.若い選手はパワーやエネルギーを持っているが、それがすべていい方向に出ればいいが、そうではないことも出てくる。そこでコントロールする部分とのバランスを含めて、今回出場した選手たちが、それぞれの役割を理解しながら、グループとして勝利に向かっていくところを表現してくれたと思う。
Q.短い時間のなか、選手たちにどのような言葉をかけた?
A.優先順位を決める、そして、整理するということ。それによって判断の基準がそろってきている。ラインがそろえばいいということではなくて、そろうことで得する部分がある。そろわなくても、判断基準が合っていれば、多少の高さが違っていても問題ないと思っている。判断基準に対して選手たちが「やってみよう」と取り組んでくれていることがありがたい。また結果に結びついているので、これがベースとなってくれればと思っている。
Q.前回の徳島戦と比べて、前線からのプレスが積極的に見えた。選手たちへの指示はあった?
A.ないです。判断して行けるなら行こうというなかで、今日は行けたのだと思う。このメンバーにするなかで、パワーを持っている11人にすることが大事なところだった。そういうシーンが増えれば増えるほど、もろくひっくり返されることもある。今日もピンチがなかったわけではない。ただ、なんとかしのいで無失点で終えた。最後のところでやらせなかったメンタリティーを含めて、選手たちには感謝したいと思う。
守備の部分は相馬さんからもトレーニング中に止めたりしながら厳しく言われたりするので、守備は徳島戦のようにコンパクトに無失点で終わりたいと思っている。札幌には昨シールも勝ててないし、先日も引き分けた。ルヴァンカップと大会は変わるが必ず勝ちたい。
【遠藤 康】
自分たちの中で解決しなければいけない問題がまだまだたくさんある。それを解決していくことが勝利への一番の近道になる。自分たちが90分間どういうフットボールをしていくのか、どういう勝ち方をするのかというのをみんなで意思統一していく。
【小泉 慶】
僕ができることは、チームが苦しい時でも、攻守においてアグレッシブにプレーすること。この試合でもそういうチームのためにプレーしているところを見せていきたい。ミスを怖がって後ろ向きになるのではなく、ミスを恐れずにどんどん前へというプレーをしていきたい。
まず一番に勝つことにフォーカスしてプレーしていた。初めて出る選手もいたので、バタバタしないように心がけた。監督が代わり、みんなが危機感を持った。ピッチ内で選手が話すようになったと思う。まずは勝てて良かった。複数得点を取れたのが非常に良かった。
【松村 優太】
得点の場面は相手のDFが後ろを向いて、方向的にGKに返すと思った。自分だったら、この距離で相手のパスを見て、いけるんじゃないかなと思って諦めなかった。PKは相手が3バックということもあって斜めのパスは効果的だと感じていた。スルーパスが出てきて、うまく相手の前に入れたことでうまくファウルを誘えた。今シーズン初ゴールということで、今後に向けて自信になるし、2連勝もすばらしいこと。そのなかで勝利に貢献できてうれしく思う。