YBCルヴァンカップ準々決勝第1戦でアントラーズは浦和レッズと対戦した。立ち上がりは両チームともに様子を伺う展開となったが、35分にセットプレーからブエノが先制点を奪うと、わずか3分後の38分には土居が追加点を奪う。前半終了間際の43分には、名古がプロ入り初となるゴールを決めて、前半は3-0で折り返した。後半に入ると、徐々にホームの浦和が勢いづき、58分、60分、と立て続けに失点を喫してしまう。その後も浦和に押し込まれる展開が続いたアントラーズだったが、最後まで同点弾は許さずに試合を終え、3-2で第1戦を勝利した。
▼▼MATCH HIGHLIGHTS▼▼
3日前の明治安田J1第25節・清水戦、アントラーズは中国の広州で行われたACL準々決勝第1戦から移動日を含めて中3日と、非常に厳しい日程で試合を迎えたため、先発メンバー7人を入れ替えて臨んだ。連係面での不安も残るなかでの試合となったが、立ち上がりからリーグ戦で久々の先発出場となった伊東が存在感を示すと、15分には同じく久々のリーグ戦先発出場となった遠藤が先制ゴールを奪う。その後もリーグ戦初先発となった上田がPK獲得と2ゴールを決める活躍を見せるなど、チームの底力を示して、過密日程のなか、4-0と快勝を収めた。
出場機会の限られた選手たちが勝利に大きく貢献した。チームはさらに自信を深めている。開幕戦以来のリーグ戦出場となった遠藤は、「勝てたことは良かった。メンバーを変えた中でも、結果を出すということは大事にっなってくる。こういう試合があると、チームもどんどん成長していくことが出来る」と手応えを語った。過密日程のなかで先発出場を続けている三竿は、「この試合は、チームの一体感が大事になってくると話していた。なかなか試合に出れていない選手たちが、チームを引っ張ってくれた。そういった所が、このチームがこれからさらに強くなっていく1つの要因だと思う」と話した。
会心の勝利を収めた清水戦の翌日、チームは休むことなく、YBCルヴァン準々決勝第1戦に向けて、準備を進めた。アウェイに乗り込む第1戦は、難しい戦いになることがが予想された。だが、指揮官は、「相手のメンバーがどうであろうと、しっかりと準備をしていくだけだと思う。我々のしっかりとした守備から攻撃へつなげていくスタイルは変わらない。しっかりと分析した上で、自分たちの強みを出していきたい」と、今のチームに自信を覗かせていた。
わずか2日間の準備期間を経て、試合当日を迎えた。指揮官は、清水戦から先発メンバーを7人変更する決断を下す。ゴールマウスは守護神クォン スンテに託した。最終ラインは、右から小泉、ブエノ、チョンスンヒョン、小池が守る。ボランチは、永木とレオ シルバがコンビを組み、サイドハーフは右に名古、左に白崎が入った。前線は土居と伊藤が務める。ベンチには、曽ケ端、内田、犬飼、セルジーニョ、三竿、遠藤、山口が座った。
平日のナイトゲームにも関わらず、試合時間が近づくにつれて、埼玉スタジアムには続々とサポーターが駆けつけた。過密日程のなかでも、常にともに戦ってくれるアントラーズファミリーのために、アウェイでも勝利を目指す。
19時33分、戦いの火蓋が切られた。
立ち上がりは両チームともに相手の様子を伺い、コンパクトなブロックを形成して、守備を固める展開となる。
試合が動き始めたのは、前半20分を過ぎたころからだった。互いに中盤でボールを奪ってから、素早いカウンター攻撃を繰り出し、相手ゴールまで迫っていく。だが、浦和は前線にかける人数が少なく、アントラーズはラストパスの精度を欠いてシュートまでは至らない。
互いに一歩決め手を欠くなか、スコアを動かしたのはセットプレーだった。右サイドからのフリーキック、キッカーの永木が右足で入れた高精度ボールにブエノが頭で合わせ、ゴールネットが揺れた。一瞬の静寂に包まれたあと、ビジタースタンドに詰めかけた背番号12の歓声がこだました。35分、アントラーズが先制に成功する。
先制点を奪ったあとも、アントラーズは攻撃の手を緩めない。38分、スンヒョンからの縦パスを受けた白崎は、左サイドで起点をつくるとレオへパスを送る。ボールを受けたレオがペナルティエリア内左までドリブルで進入して滞空時間の長いクロスをファーサイドへ送ると、土居が相手DFの頭上からヘディングで合わせる。ボールは、相手GKに触れられることなく、ゴールラインを割った。先制点からわずか3分後、アントラーズは追加点を奪うことに成功した。
前半終了間際、再びアントラーズにチャンスが訪れた。43分、白崎からのスルーパスに抜け出した小池が、左サイドからマイナスのクロスを入れると、土居がゴール正面でシュートを放つ。一度は相手DFにブロックされたが、こぼれ球を名古がダイレクトでゴールへと流し込む。相手の間をすり抜けたボールは、ゴールネットを揺らした。名古のプロ入り公式戦初ゴールで、リードを3点に広げる。
前半は、このまま3-0のスコアで終了を迎えた。ハーフタイムに指揮官は、「前半のテンポをおとさず、後半立ち上がりから集中して入ろう」、「いい距離間の守備のアプローチを続けていこう」、「アウェイで3-0で勝っている状況でも、1点を与えたら相手は勢いつく。絶対に失点をせず、得点を狙い続けよう」と、選手たちに声をかけ、チームを引き締めて、後半のピッチへと送り出した。
しかし、後半に入ると、浦和が息を吹き返す。立ち上がりこそ、スペースを上手く利用してカウンター攻撃を繰り出していたアントラーズだったが、試合時間の経過とともに、前がかりになった浦和に押し込まれる展開となる。
57分、マウリシオに縦パスを通されると、武藤にペナルティエリア内で仕掛けられ、シュートを打たれる。これはかろうじてスンテが右手でセーブしたが、こぼれたところを興梠に押し込まれてしまった。3-1と2点差に迫られてしまう。
浦和の猛攻は続く。60分、左サイドからのコーナーキックを与えてしまうと、キッカーの武藤からのボールを、ゴール前で鈴木に合わせられる。スンテが左手で弾いたが、こぼれ球を今度は槙野に押し込まれて、失点を喫した。
1点差に迫られた後も、浦和に押し込まれる展開が続く。だが、アントラーズは一枚岩となって、浦和の攻撃を跳ね返した。ベンチの選手も、プレーが切れた際には、ピッチに立つ選手たちに水を配り、声をかける。ビジタースタンドから送られる大きなチームコールも選手たちを励ました。まさに、チーム一丸、総力戦で、戦い続ける。
77分、アントラーズは一人目の選手交代を行った。小池との交代で三竿をピッチへ送る。三竿はボランチに入り、永木が左サイドバックへポジションを移した。
猛攻を耐え続けるアントラーズだったが、81分にアクシデントが起こる。ルーズボールにスライディングした土居が相手DFと交錯し、膝を強打してしまった。このプレーで土居は、途中交代を余儀なくされてしまう。84分、負傷した土居との交代でセルジーニョが投入された。
最後まで守り抜きたいアントラーズは、86分に最後の選手交代を行った。名古に代えて犬飼を投入し、さらに守りを固めた。
浦和の猛攻を耐え続けるアントラーズは、チーム一丸となって、ゴール前で身体を張る。途中交代で入った三竿、セルジーニョ、犬飼も、連戦の疲れを感じさせない動きでチームを支え、味方を鼓舞し続けた。
そして、“前半90分”の終了を告げるホイッスルが鳴り響いた。得点差はわずか1点となったが、3つのアウェイゴールを奪い、第2戦に弾みをつける勝利を収めた。
次は、カシマスタジアムに帰還して“後半90分”に臨む。中3日と厳しい日程だが、我々にはアントラーズファミリーがついている。ホームの大声援を力にかえて、第2戦も必ず勝利を掴もう。目の前の試合の勝利のみを目指して、これからも突き進む。
【この試合のトピックス】
・名古がプロ入り後、公式戦初ゴール
・ブエノがアントラーズでの初ゴール


・いい距離間の守備のアプローチを続けていこう。
・アウェイで3-0で勝っている状況でも、1点を与えたら相手はいきおいつく。絶対に失点をせず、得点を狙い続けよう!
・下を向くな。
・いいか、ホームだぞ。こんな状況を許していいいのか。
・0-3でもやるんだ。
・1回だけじゃなく、2回、3回行くんだ。
・もう一度一つになって行こう。
Q.アントラーズらしくない戦い方だったが?
A.リードして入る後半は受け身になりがちなので、ハーフタイムに指示を出したが、選手が思った以上に下がってしまった。第2戦に向けて修正したいと思う。1失点目がすべてだった。
浦和は、誰が出てきても、ある程度選手の特長は分かっている。それを念頭において、180分の試合だと考えてしっかり戦っていきたい。今回の試合でも、アウェイゴールは大事になってくる。アウェイで勝つことが出来れば、2戦目へのアドバンテージになる。気を引き締めてやっていかなければいけない。
【永木 亮太】
180分の戦いの中の前半戦。まずは、失点を0で抑えたい。最低でも、引き分け以上の結果をアウェイでとりたい。浦和は攻撃が多彩だし、全体的に能力が高くて、球際で戦える選手も多い。なので、そういった部分で負けないようにしていきたい。
【名古 新太郎】
相手は3バックで来ると思う。攻守において、運動量を増やしていくことと、ポジショニングを意識しながら、頭を使って賢くやっていきたい。大会が変わり、ホーム&アウェイ方式となる。アウェイゴールの大切さや戦い方は、チーム全員が共通理解できている。うまく試合に入れるようにしていきたい。
【土居 聖真】
点に絡めるような仕事をしていきたい。警戒する選手は、興梠選手だと思う。リーグ戦で大記録を打ち立てた選手。周りの選手も信頼して、最後、興梠選手のところにボールを送り込むと思う。そこを注意してやっていきたい。
【チョン スンヒョン】
絶対に勝つという気持ちでいく。浦和は、興梠選手など、動き方がうまい選手がいる。前回対戦では、興梠選手にゴールを決められているので、しっかり警戒していきたい。コンディションは徐々に上がっている。自分の特長を見せていきたい。
【小泉 慶】
試合に出る以上は、アントラーズの勝利のためだけにプレーすることが大事だと思う。体力を余らせるのではなく、自分の持っているパワーやエネルギーを最大限に使い切るまでプレーしなければいけないと思う。まずは、しっかり戦うという部分をベースにおいて、試合に臨みたい。
失点はしてしまったが、アウェイで3点取れたことは大きかった。後半に自分たちも点を決めるチャンスはあった。失点した後も1点返すことができていれば、また違った展開になっていたと思う。4点目が欲しかった。それを決めきることが出来なかったことが、今日の課題となった。
【ブエノ】
得点を決めることが出来たのは嬉しいが、チームとして、もう少しいい結果を残すことが出来たと思う。悔しい思いの方が強い。相手が後半攻めてくるという予想は出来ていたし、平常心で後半に臨んだ。ただ、個人的なミスが続き、相手に流れを移してしまい、2失点してしまった。それでも、そのあとは失点せずに試合を終わらせることが出来た。いいアドバンテージをもって第2戦を迎えることが出来る。
【名古 新太郎】
ゴールの場面は、裕太が左サイドを抜けた時点で点を取るためにゴール前に走り込んでいた。うまく自分のところにボールがこぼれてきて、あとは、冷静にゴールへ流し込むだけだった。アウェイで3-2で勝てたことは良かった。ただ、後半の入りで2失点してしまったことは、もったいなかった。次はホームでの第2戦なので、そこに向けて、もう一度良い準備をしていきたい。
【小池 裕太】
前半に3点を取って自分たちに油断が出来て、後半の入りで2失点してしまったところが課題となった。次の第2戦では、そういうことがないように、しっかり修正していきたい。
【クォン スンテ】
アウェイで3得点できたことは、チームとして満足していい部分だと思う。ただ、2失点してしまったので、チーム全体で反省して、次につなげていかなければいけない。浦和は強くていいチームだし、スタジアムの雰囲気もすごい。その雰囲気に飲まれないようにチームを鼓舞していた。もっと、そういう場面を出していかなければいけなかったと思う。2失点してしまったあとから、アクションを起こし始めたので、そこは反省しなければいけない部分となった。
【小泉 慶】
無失点で終わらせることが、一番いい形だったと思う。攻撃陣がしっかりと決めるところを決めてくれて、守備もしっかり守らなければいけないところで、後半に2失点してしまった。失点はすごくもったいなかったが、勝利することが出来たという部分では、間違いなく次につながってくる。後半の早い時間に立て続けに失点したが、そのあとは波にのまれることなく、得点を与えなかったことに関しても、プラスにとらえている。
【白崎 凌兵】
後半相手が攻め込んでくることは想定内だった。自分自身、そこまで相手の圧力を感じてはいなかった。ただ、3-0になってから、相手にやられたくないという気持ちが、自分たちの動きを重くしてしまった。守備の部分での声がけを、もっとチームとしてやらなければいけなかったと思う。
【三竿 健斗】
今日は、アウェイゴールを3点取ることが出来たし、勝って試合を終えることが出来た。いい状態で第2戦を迎えることが出来たと思う。全然、悲観する必要はないと思うし、良いゲームが出来たと思う。