
東日本大震災から5年経った次の日、「震災復興祈念試合」と位置づけられたこの大切な試合で鹿島は前半早々に決められた1点を返せず、0-1と完封負けを喫した。

互いに被災したクラブとして絶対に負けられない中、石井監督は3試合連続となる11人のメンバーをユアスタのピッチに送り出した。ここ2試合、序盤は前線からの激しいプレッシャーで相手に自由を与えない戦いが続いたが、今日はそのプレッシングが微妙にずれ、中盤では小笠原、柴崎が相手選手をなかなか捕まえられない。



そして8分、早くも鹿島は失点してしまう。左サイド、好調のウイルソンを抑えきることができずに簡単にクロスをあげられてしまう。小笠原とともに植田がウイルソンについていたことで手薄となったゴール前、金久保にフリーで決められ、0-1とされた。
前半はこれ以降も仙台の時間が続く。鹿島も前線の金崎、赤崎を使い、攻めようとするがなかなか決定機を見いだせない。何となく消化不良のまま、前半45分を戦い終えた。





後半に入ると、それまでなかなかボールで奪えなかったところが修正され、鹿島は波状攻撃を見せる。しかし前節に負傷した六反の代わりに仙台ゴールを守った関の神がかったセービングでゴールを阻まれる。石井監督は早い時間から土居、カイオ、そして鈴木と立て続けに攻撃のカードを切ったが、最後の最後まで仙台ゴールを割ることができなかった。






4分あったアディショナルタイムでも攻めに攻めた鹿島だったが、結局、前半早い時間の失点を返せずに開幕3戦目にして今季初黒星を喫した。東日本大震災から5年、この大切な試合で勝ち点3を失った意味は大きい。しかし、7年ぶりのリーグ優勝のためには下を向いてはいられない。次はホームカシマでのFC東京戦。選手たちの奮起を期待したい。


【この試合のトピックス】
・土居が今季初出場。


・単純なパスミスを減らして、自分たちの負荷を軽減しよう。
・相手の早い動き出しとパステンポにしっかりついていくこいと。
・リスクマネージメントを怠らないこと。
・後半の入りでスイッチをしっかり入れよう。
Q 攻撃面での振り返りは?
A 前線に出るボールも効果的ではなかったし、仙台のプレッシャーが良かったというのが大きかった。
Q それにどう対処すべきだったか?
A ハーフタイムではもっと早いテンポでボールを動かし、サイドチェンジしながら攻撃のチャンスを見いだそうと話した。後半は仙台のプレッシャーも前からよりも引いた形になったが、それはこちらのテンポが早くなったこともあったと思う。
Q 先発メンバーを変えなかった理由は?
A 守備を安定させてゲームに入りたかったというのはあった。あの失点でそのプランが崩れてしまったことはある。プレッシャーをかけられた中でもある程度の時間耐えれば、自分たちの時間になると思っていたが、あの失点で崩れたことが大きい。
Q 怪我から復帰した土居選手について
A 紅白戦でも徐々に良くなってきていたし、求めるパフォーマンスも出て来ていた。使って見てみたいという気持ちがあった。聖真は仕掛けていけるので、できるだけ前を向いて仕掛けて欲しいといってピッチへ送り出した。
地元の仙台で試合を行うが、優勝するためにも勝たなくてはいけない。チームの勝利に貢献できればいい。たくさんの知人が観に来るかもしれないが、自分の活躍よりチームの勝利を喜んでくれると思う。こっちを研究されている部分もあると思うが、臨機応変にやる。攻撃の形は一つではないので、みんなで崩して点を取りたい。
【曽ケ端 準】
仙台は雰囲気のあるスタジアムで相手サポーターの後押しがあり、いつも難しい試合になる。2連勝しているからといって、うまくいく保証はない。しっかり試合に入る必要がある。仙台の守備は堅いし、先手を取られると厳しい試合になる。
【植田 直通】
代表でのサッカーをやってもアントラーズとは合わないので、切り替えてやる。仙台は気をつけない部分はたくさんある。2試合、無失点だったということは意識せず、チームが勝てるように力を注いでいきたい。
【山本 脩斗】
2試合連続で無失点に抑えているので、そこは継続していきたい。守備に関しては去年のベースがあるので、それをイメージしてチームとして統一できればいい。まだまだな部分もある。仙台はウイルソンを起点に攻撃してくるのでしっかりいってつぶし、速い選手もいるのでセカンドボールの部分を意識して対応したい。これまで相手の嫌なエリアに入る数が少なかった。相手もこちらが前から行くと分かっているので、裏を使われたりする。そういう状況に応じたプレーが必要になってくる。無失点に抑えて流れを作りたい。
【赤崎 秀平】
鳥栖戦はいい試合ではなかったので、その危機感が働けばいい。鳥栖戦でダメだった部分がどれだけ改善できるかが、大事。仙台はスタジアムが完全アウェイの雰囲気なので、やりにくさはある。相手のツートップもいい攻撃をしている。チャンスは作れているので決め切りたい。もっとゴールに近いところでプレーしないといけない。
【土居 聖真】
出場するしない関わらず、チームのために自分ができることは精一杯やりたい。震災から5年だが、東北に行く機会がない方は、もう大丈夫だろうと思うかもしれないが、何も進んでいない状況。まだまだということをこの試合を通して感じて欲しい。仙台にはタクさんがいるので、試合は楽しみにしている。違う戦いも僕の中では始まっている。
【鈴木 優磨】
無失点で終わっているのがプラスだが、ゴールエリアに入る回数が少ない。そこに入らないと相手も怖くない。チャンスを増やし、ゴールを狙いたい。それは自分の課題でもあるし、もっと怖い存在になりたい。圧倒できる内容で、誰もが納得する試合ができるようにしたい。
サッカーにはミスがある。それをカバーできるのがいいチームだと思う。前半の入り方が悪かった。セカンドボールも拾われてしまった。戦う姿勢も相手が上だった。こっちも出そうとしたが、空回りしてしまった。一人一人がどうにかしようという意識はあったが、それが同じ方向へ向けば良くなる。やっている事は間違っているとは思わないのでブレずにやりたい。
【曽ケ端 準】
思ったようなゲーム内容ではなかった。最初のワンプレーでCKを取られたし、なかなかいい流れが出来なかった。後半はチャンスも作れていたし、後ろも上手く対応できたと思う。次に向けて切り替えるしかない。
【山本 脩斗】
相手に最初から勢いよく来られたし、セカンドボールも拾われた。失点は自分のミス。修正するしかない。守備は組織的な部分でいえば、問題ないと思う。個人的な修正だけ。攻撃は先制された場合、どのようにやっていくのか考える必要がある。連勝が止まった事より、負けた事が残念。
【赤崎 秀平】
前半は何もできなかったので、後半は球際に強く行ったり、動こうと決めていた。攻撃的な部分よりもボールの奪いどころが全体でぼやけてしまった。決定機を多く作っている訳ではないし、こっちが意図している攻撃もできていない。自分たちが相手を受けてしまっている。紅白戦でも相手に負けているし、そういう部分が試合に出てしまっている。一つ一つのプレーに全てを出し切って、気迫を出さないといけないと思う。
【柴崎 岳】
失点した事は悪い事だし、反省するところはしてやっていきたい。同じ過ちを繰り返さない事が大事。
【土居 聖真】
復帰した事より試合に負けてしまったので、喜ぶ感じではない。勝つために点を取りに行こうと思っていた。カイオや自分が入ってチャンスを作るのは、途中出場の選手としてやらなくてはいけない事だが、決め切る事まではできなかった。惜しいで終わってしまった。勝ち点3を取れなかったにしろ、勝ち点1をもぎ取る仕事をしなくてはいけなかった。