
必勝を期して臨んだ天皇杯準決勝だったが、前半にショートCKから遠藤保に決められた一発に泣いた。これで全日程が終了してしまった鹿島のジョルジーニョ監督はラストゲーム、新監督へ全てを託し、ブラジルへ帰国する。
序盤こそいいスタートを切ったが、ボランチに今野、トップ下に遠藤保、そして累積警告でレアンドロを欠くために家長をワントップに据えたG大阪の細かいパスワークに手こずり、鹿島は徐々に苦戦を強いられる。そして23分、この日最初のCKから早いタイミングのショートCKへ対応し切れず、遠藤保からクロス気味に巻いたシュートを決められ、先制点を献上してしまう。今季、不安定な戦いの中、幾度となくスーパーセーブでチームを救った曽ヶ端でもこの意表を突いたシュートを止めきれず、鹿島は1点ビハインドで残り時間を戦うこととなった。
その後、鹿島は攻守の切り替えを早くしてワントップの大迫のキープ力を生かす攻めを徹底する。中盤では今野の粘り強い守備に小笠原、柴崎が自由になれない中、遠藤康、ドゥトラ、そしてジュニーニョが何とか状況を打開しようとする。
そして45分、右CKからキッカーの小笠原がゴール前へ鋭いボールを送る。これを大迫がどんぴしゃりのタイミングで強烈なヘディング弾にするが、何とクロスバー直撃。完全に同点のシーンだっただけに直後の大迫の表情からは悔しさが伝わって来た。
後半、遠藤康に代えてレナトを投入し、「サッカーに対する愛情と情熱を持って戦え」と檄を飛ばしたジョルジーニョ監督の意図通り、鹿島は前線からの厳しいプレッシングでG大阪に攻撃する隙を与えない。前半は中盤を支配されてしまった今野に対しても、キャプテンの小笠原と柴崎が激しく対峙し、今度は鹿島が攻める時間が長く続いた。
しかしJ2へ降格した悔しさをこの天皇杯にぶつけてくるG大阪の守備をなかなか崩すことはできない。62分、ジュニーニョに代え、興梠、そして78分にはドゥトラに代え、本田を投入し連動性を高めようとしたジョルジーニョ監督だったが、相手を完全に崩し切るところまではたどり着かなかった。
結局、放ったシュートのほとんどがエリア外となり、90分を守り切られた鹿島は0-1と最小スコアで敗北。これで日本を去るジョルジーニョ監督のため、そして来季のACLのため、全員が結束して臨んだ天皇杯だったが、鹿島は準決勝敗退という悔やんでも悔やみきれない結果で全日程を終了した。
来季は新監督の下、また新たなスタートを切る鹿島。この悔しさはピッチ上で返すしかない。2013シーズンは一体どんなシーズンになるのだろうか。
















・イメージを共有することが何よりも肝心。高い位置からのプレスはシステマチックに。
・サイドチェンジを有効に使い、相手を左右にゆさぶれ。
・もっとミドルも狙っていこう。
後半の頭からレナトが入りポゼッション率を高めることが出来た。またサイドにドゥトラ、ジュニーニョと置いてスピードを生かし、(レナトという)パッサーを中央に置くことで仕掛けることが出来ると思った。それが結果として生かせなかったということで残念でならないし、自分が愛するこのクラブを去るにあたり、ACL出場権という置き土産を置いてブラジルに帰りたかったので、その目標が達成できず残念に思っている。
G大阪はショートパスで相手のマークをずらしながら、ボールを運んでいってエリア内に侵入していくという特長を持ったチーム。私が現役の頃のコロンビア代表のようなサッカーだがその中心が遠藤選手であって、チームとしてリーグ戦での対戦と変わるところはなかった。ただ長所もあれば短所もある。いくつかのポジションでは足の遅い選手もいて、帰陣のところが遅かったりするのでそこを狙ってみたりしてチャンスはあったが、ゴールという結果はなかった。G大阪が彼らの質、そして能力から言って、J1にいなければならないチームであることは明確であって、決勝でもいい戦いをしてACLを戦いながら一日も早くJ1へ復帰できることを心から願っている。
来季に向けて、今後移籍していく選手もいるだろうし、加入してくる選手もいるだろう。ただ土台はしっかりと築くことが出来たので、補強した選手がチームにフィットするかどうかがポイントになる。そこは選手たちの意識にも関わってくるし、新たな指導者の下で新たなやり方でやっていくことになると思うので、今の土台にどれだけ上積みが出来るかということになる。アントラーズが来季J1で優勝出来るよう、私はブラジルから応援したい。そしてまだアントラーズが獲っていないACLというタイトルが1日でも早く手に出来るよう、応援したい。
(印象に残っている試合は)当然ながら優勝したスルガ銀行チャンピオンシップやヤマザキナビスコカップ決勝には特に強い印象がある。結果を求められる世界でやっているので、2つ結果を残せたことは非常に強く印象に残っている。
今回で最後の試合になったが、日本の皆さん、ファン・サポーターの皆さんに感謝の意を伝えたい。日本は素晴らしい国であり、素晴らしい文化を持ち、そして他に敬意を払うことの出来る素晴らしい人々がいる。そしてファン・サポーターの皆さんに熱くサポートしていただいたし、献身的な応援をずっと捧げてくれた人たちもいる。またメディアの皆さんにもお礼を言いたい。1年間、皆さんと素晴らしい関係を築けたと思うし、これが永遠のさようならではない。鈴木満強化部長からも「ドアの鍵はかけない」という約束をいただいたので、またいつかチャンスをもらえると思う。その時また、皆さんと再会できることを楽しみにして帰国したい。本当に心から感謝したい。ありがとうございます。
全体的にチャンスは作れていてゴール前まで行くことは何回か出来ていた。決して悪かった訳ではない。試合全体を通しても引けをとっていないが、裏に抜ける動きが少なかった。何本かチャンスがあったので決めることが出来れば良かったし、もっと決定機を作れれば良かった。
【青木 剛】
G大阪の特長でもある連動性からの攻撃はなかったと思う。遠藤選手のテクニックでやられてしまった。G大阪も前から来なくなったので、自分たちも落ち着いてやろうと話していたが、こじ開けることが出来ずに守られてしまった。
岩政選手、新井場選手のコメントはアントラーズモバイルをご覧ください。