
台風9号の影響で試合開催が危ぶまれた等々力の地で力尽きるという結果で、またしても鹿島は第2戦のアウェイゲームで涙を飲んだ。これでヤマザキナビスコカップは3年連続準々決勝敗退が決定、鹿島に残されたタイトルは4連覇のかかるJリーグと天皇杯のみとなった。


今年初の本州直撃となる台風が心配されたこの試合、鹿島は序盤から慎重な立ち上がりを見せた。第1戦で負けている川崎Fがゴールを奪いに前へのプレッシャーをかける中、小笠原を中心にうまく相手をいなし、手数をかけない攻撃で前へ行く。18分には左サイドでのスローインを興梠が素早くゴール前へ投げ込み、フェリペ ガブリエルの前にボールが転がり込む。これがこの試合最初の絶好機となったが、フェリペはバランスを崩しジャストミートできず、チャンスを逸してしまった。

するとやはりホームの利を生かそうとする川崎Fに押される時間帯が増える。特にセットプレーのシーンではコロコロ変わる風向きとキッカーである田坂、そしてヴィトール ジュニオールの精度の高いキックに曽ヶ端が悩まされる回数が多く見られる。それでも曽ヶ端は何とかパンチングで凌いだり、ボールを後ろへそらしCKへ逃げ事なきを得るが、選手たちの緊張が増したのは事実だった。

そして32分、ついにその緊張の糸が切れる。自陣の右サイドでヴィトール ジュニオール、小宮山とつながれ、最後は田坂に決められる。鹿島は絶対に与えてはいけない先制点を早くも許す結果となった。

ここ10年勝ちのない等々力で先制点を奪われる苦しい展開だったが、その1分後、鹿島が勝利への執念を見せる。33分、青木がゴール前へスルーパスを送るとこれを受けた野沢がゴールライン間際で粘り、中央へクロスを送る。これは相手に当たってしまうが、そのこぼれ球をキャプテン小笠原が狙い済ました右足ボレーでゴール左に決める。
この芸術的な同点弾により2戦トータルで3-2とリードした鹿島は優位を保ったまま、前半を1-1で折り返し、運命の後半に突入した。


後半に入り、今度は人数を多くかけ前へ出てくるホームチームに鹿島が動揺するシーンが目立つようになる。さらに63分、昨日の代表戦にも出場した中村憲剛までも投入した川崎Fに圧倒され、ついに苛立ちからか、75分、小笠原がその中村を倒し、この日2枚目のイエローを宣告され、退場となる。

同点ゴールを決めたチームの大黒柱を失った鹿島は窮地に追い込まれる。そして79分、川崎Fの大黒柱である中村に勝ち越し弾となるミドルシュートを決められる。
絶体絶命のピンチに追い込まれた鹿島は数的不利の状況の中、途中交代の船山、本山らが前線にワントップで残るマルキーニョスとからみ、必死にゴールを目指す。しかし43分、ヴィトール ジュニオールに痛恨の3点目を叩き込まれ、2戦合計で3-4と逆転を許してしまった。その後、アディショナルタイムも必死に前へ前へボールを送り込むが、万事休す。鹿島は鬼門の等々力で3年連続準々決勝敗退の屈辱を味わう結果に終わった。

試合後、報道陣に囲まれる選手たちから出てくる言葉は反省の弁ばかりだった。2000年以来となる国内3冠が阻まれ敗北感が増すゲームとなったのは確かだが、ここで下を向いてはならない。残されたタイトルであるJリーグ、天皇杯の2冠のためにも気持ちを強く持ってリスタートすることが重要だ。このチームならば、きっとやれることだと誰もが信じている。



・相手へのマークをしっかりしよう。
・ピッチ状態を考えてプレーしよう。
・攻撃時のリスク管理をはっきりと。
・ピッチコンディション、風下ということを意識して。
1人少なくなってからは守ってカウンターを狙うというイメージだったが、相手が人数をかけてきて守りきれなった。10人になってからの意識統一がチームの中で全員が全員出来ていなかった。そういうところをしっかりとできればよかったと思う。
【中田 浩二】
10人になってからは割り切って守るのもよかったが、まだ時間もあったし前線がマルキ1人になってしまっていたので押し込まれる時間が増えてしまった。相手は前がかりにきていたし、ウチが後手後手になってしまった。
【本山 雅志】
残念です。自分が入った時にはああいう状況だったので失点をしたくなかった。セカンドボールを上手く拾って足元でプレーしたかった。しっかりパスを繋いで運動量を増やしたかった。
【青木 剛】
10人になった時点ではこちらが有利だったし、守りきるという意識はあったが最後まで耐えることが出来なかった。相手はサイドから攻撃を仕掛けていたし、浩二さんが入ったことで自分がサイドにずれてそこを押さえられればというイメージだった。
【船山 祐二】
自分は攻撃的なボランチだと思っているので、ああいう状態での試合への入り方が難しかった。リスクを負ってでも点を取りたかったし、その結果攻めにいって点をとられてしまった。