ACADEMY FREAKS Vol.2

里内猛HoCのぼちぼちでんな~ 第2回

 

世界の常識を知るために、可愛い子には旅をさせよ。

今年の夏は、とりわけ異常な暑さが続きました。選手は気温の高いなかで試合を行うと関節や筋肉に熱を帯びますので、速やかに体を冷やすためにアイスバスを用いたり、大きな扇風機を回して空気を還流させたりと、各カテゴリーのスタッフ陣も多くのご苦労があったことでしょう。各大会で「優勝」という二文字には届きませんでしたが、選手もスタッフ陣もそれぞれがよりハードに過ごした夏になったのではないでしょうか。

特に、ユースが参戦した日本クラブユース選手権は、群馬県で行われた準々決勝までの全試合が朝の8時45分にキックオフされました。炎天下の中、世界的には考えられないようなキックオフ時刻です。「日本の常識は世界の非常識」といった表現をされることもありますが、その逆で「世界の常識は日本の非常識」ということも、また然り。そんな環境下での試合を、ユースの選手たちはこなしたわけです。

「世界」といえば、コロナ禍の時期はなかなか実現させられなかった海外遠征を実施することができました。ユースはインドネシア遠征でスペインのレアル・マドリードやFCバルセロナと対戦し、U-16とジュニアユースのU-14の選手たちによる合同チームで参加した中国の大会では優勝して帰ってくることができました。ブラジルでの日伯友好カップも4年ぶりに開催され、鹿島、ノルテ、つくばの各ジュニアユースの選手たちが非常に大きな経験を積みました。

昨年まではコロナ禍により、なかなか海外に出ることが難しい状況で、より多くの人と交流する機会が閉ざされてきました。子どもたちが過ごす2、3年は、大人のそれとはまったく違い、より多くのことを吸収して大人になっていくための重要な期間です。現代の子どもたちは、コロナ禍によりその2、3年の期間がブランクになっていたわけで、今回の海外遠征については結果云々よりも、まずは経験したことのない未体験ゾーンの場を与え、経験を積ませることも我々の使命だと考えていました。

やはり、いざ世界に出てみないとわからないことはたくさんあります。だからこそ、昔の人が「可愛い子には旅をさせよ」とは、よく言ったものですね。旅先ならではの失敗はつきものでしょうが、その失敗から学ぶことは多いはず。まさに「日本の常識は世界の非常識」。例えば日本の水は透明ですが、世界には水が透明でないことが当たり前の地域だってあるのです。

私も昔はよく海外に遠征で行っていましたが、それぞれの国に独特の文化があるのと同様に、それぞれに特有の匂いがあることも感じてきました。韓国には韓国の、ドイツにはドイツの、ブラジルにはブラジルの、インドにはインドの匂いがそれぞれあるものです。

現地でしか嗅ぐことのできないその匂いを知ることはとても大切です。その匂いを感じつつ現地の食事を摂り、どんな環境でもしっかりと眠れるようにならなければ、世界で戦う選手になっていけません。子どもたちよ、どこへ行っても図太くあれ。この夏の海外遠征を経験した子どもたちの成長が、ますます楽しみです。