2012年、J1第7節。カシマ通算200勝。
レジェンドが指揮官として掴んだリーグ初勝利は、聖地とともに歩んだ日々に新たな勲章を加えるものでもあった。2012年4月21日、カシマスタジアム。ジョルジーニョ監督に率いられたアントラーズが、痛快な逆転劇を演じた。
開幕5試合でわずか1ゴール、1分4敗。極めて苦しいスタートとなった2012シーズンだが、アントラーズは春の訪れとともに少しずつ上昇気流に乗っていった。そして4月14日、冷たい雨が降り続けた味の素スタジアムで2-1とFC東京を破り、暗闇から脱出。そして1週間後、連勝を目指して聖地での戦いに臨んだ。
だが、思うような展開とはならなかった。ハーフタイム、スコアボードに刻まれていたのは0-2の文字。若き才能が躍動するC大阪に、アントラーズは翻弄されてしまった。ジョルジーニョ監督は前半途中で柴崎を投入し、19歳の司令塔に羅針盤を委ねたが、桜色の波を止めることはできなかった。
再び、暗闇に舞い戻ってしまうのか――。開幕から屈辱的な日々を過ごし続けたアントラーズにとって、真価を問われる45分。指揮官は早くも2枚目のカードを切った。青木に代えてドゥトラを投入。柴崎、小笠原、遠藤とダイヤモンド型のミドルゾーンを形成し、超攻撃的と言える布陣で反撃を期した。
2点ビハインドを追い付き、残りは30分弱。逆転を確信するアントラーズレッドのスタンド、そのボルテージは高まり続ける。70分過ぎには両チームが入り乱れての乱闘も勃発したが、選手たちは冷静さを失わず、しかしゴールだけを目指し続けた。
そして、待望の瞬間は85分に訪れた。右サイドからドリブルでカットインした西、その左前方で待っていた遠藤。今も絶妙なコンビネーションで相手を翻弄し続ける2人のホットラインから、背番号25が得意の左足を振り抜いた。ゴールネットだけでなく、スタジアムも揺れた。3-2。アントラーズが大逆転劇を完結させ、ホーム初勝利にたどり着いた。




2点ビハインドを追い付き、残りは30分弱。逆転を確信するアントラーズレッドのスタンド、そのボルテージは高まり続ける。70分過ぎには両チームが入り乱れての乱闘も勃発したが、選手たちは冷静さを失わず、しかしゴールだけを目指し続けた。
そして、待望の瞬間は85分に訪れた。右サイドからドリブルでカットインした西、その左前方で待っていた遠藤。今も絶妙なコンビネーションで相手を翻弄し続ける2人のホットラインから、背番号25が得意の左足を振り抜いた。ゴールネットだけでなく、スタジアムも揺れた。3-2。アントラーズが大逆転劇を完結させ、ホーム初勝利にたどり着いた。


この白星は、カシマスタジアムで味わうリーグ戦200回目の歓喜だった。ジョルジーニョ監督は「アントラーズスピリットを表現できた試合だった」と、その価値を噛み締めていた。
あれから5年、アントラーズが聖地で積み上げた白星は243を数える。次の歓喜を、今日この地で、ともに。
あれから5年、アントラーズが聖地で積み上げた白星は243を数える。次の歓喜を、今日この地で、ともに。
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