甲府戦の注目プレーヤーは、柴崎岳!

「もう、24だよ」

 昨日の練習前、24回目の誕生日を迎えた柴崎は誰に話しかけることなく、そうつぶやいた。4年前、Jリーグベストヤングプレーヤー賞を獲得した時、「(20歳で)若い若いといわれますが、世界を見れば、そんなことはない。トップレベルでやらないといけないと思っています」といった柴崎にとって、すでに1年1年が勝負の年なのである。
 今季から背番号10を背負う、鹿島の押しも押されぬスター。本山という偉大な存在に続き、日本人としては2人目となる、このエースナンバー。「責任を感じる。歴史の重みを」と柴崎は気を引き締めるが、隣でコンビを組む小笠原は「もっと自由にやればいい」という。
 「あいつは考えすぎなんだ(笑)。もっと自由に、そしてわがままになればいい。バランスを考える歳じゃない。1年目からそういっているけど、全然変わらない。同じ東北人として、あいつも頑固だなって思うけど(笑)」。年齢が一回り違う若きパートナーに対し、キャプテンは愛情から常々そういったことばを投げかける。そして、柴崎は「満男さんにいわれるのはわかるけど、チームのためを考えるとね…」といつも微笑む。

 「やることは変わらないけど、精度は高めていきたい。チームを勝たせるというのが一番に来る。それは変わらない。後はどの場面で、どういうプレーをして決定的な仕事を残すか。そこを突き詰めたい」。ボランチとしては圧倒的な攻撃力を備えている柴崎だが、先ずはチームのバランスを考えるところが彼らしい。自分が信じてきたスタイルを変えずに、さらに成長する。柴崎はそんな困難な作業に取り組んでいる。

 その完成を実現するためにも、まだまだ前に進まなければいけない。端正な顔立ちとクールな立ち振る舞いから、ピッチ内外で常に注目を浴びる。これほど毀誉褒貶が激しい24歳も、他にはいないだろう。ストレスも多いに違いない。しかし周囲はそんな柴崎を温かく包み込む。「四捨五入すれば、20歳。お前はやっぱり若いんだよ」。誕生日の昨日、中田浩二はそう柴崎に話しかけた。「もっと自由になれ」。小笠原同様、そんなメッセージを送りたかったかもしれない。

 「みんなに支えられている。だからその期待に応えたい」。24歳になった背番号10が、カシマのピッチで今日も躍動する。
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