2014年8月16日。柴崎、電光石火の無回転弾。

 歴史と伝統で圧倒的に上回りながら、なぜかいつも苦戦する。そして勝っても負けても均衡した戦いが多い。今回の対戦相手である甲府には、そんなイメージがある。2年前のこの試合もそんなゲームだった。
 2014年8月16日。雨で蒸し蒸しするカシマスタジアムでリーグ戦6試合負けなしの鹿島はホームゲームを迎えた。
 リーグ戦では4月以来の先発出場となる青木がセンターバックに入った鹿島は、このシーズン2回目の3連勝を狙う。そして試合はいきなり動いた。開始20秒足らず、公式記録上では1分。鹿島のキックオフからダヴィが後方の柴崎に戻し、左サイドの山本を経由して最終ラインの昌子へパスが渡ると、ロングフィードを蹴り込む。相手DFに当たったこぼれ球に土居が反応して競り合い、セカンドボールが敵陣中央に流れる。柴崎がボールを持ち出して右足を振り抜くと、目の覚めるような無回転ロングシュートがゴールに突き刺さった。相手GKを避けるように変化する鮮やかな弾道の一撃で、鹿島がいきなりリードを奪った。
 1-0で迎えた後半も、鹿島は中盤でのプレスがうまく機能し、ボールキープ率を高めていく。セットプレーのチャンスも増え、敵陣に押し込む時間は長かったが、決定機を作れないまま時間は推移。69分には、土居の浮き球のパスを相手にクリアされ、こぼれ球を拾ったカイオがペナルティーエリア手前から右側へ展開すると、最後はダヴィがボレーシュートを放ったが、枠の左へ逸れた。

   鹿島は1点リードのまま終盤を迎えたが、甲府に押し込まれる時間が増えていった。71分にはペナルティーエリア内から下田にシュートを打たれたが、曽ヶ端がセーブ。76分にも盛田にヘディングシュートを許したものの、曽ヶ端が右手1本で弾き出した。以降もゴール前で混戦となる場面は多かったが、何とか身体を張ってクリアして得点を許さない。80分には、途中出場の遠藤がペナルティーエリア手前から強烈な左足ボレーを放ったが、クロスバーを直撃して追加点とはならなかった。
 最後まで苦しい展開を強いられた鹿島だが、甲府に同点弾を許さず、1-0で勝利。リーグ戦6試合ぶりの完封でこのシーズン2回目の3連勝を達成し、勝点を36に伸ばした。今日の試合もこの2年前のゲーム同様、苦戦となることは容易に予想できる。それを打ち破るため、今度は背番号10を担った柴崎の閃きに期待したい。
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