横浜FM戦の注目プレーヤーは、カイオ!

「観ていて飽きないね」

 クラブが手がけるスカパー!のホームゲーム中継に来る、解説者陣は一様に背番号7のことをそう評する。それもベテランになればなるほど、その感嘆の声が大きくなる。「観ていてワクワクさせてくれる。こんな選手がなぜ日本人にはいないんだろうか」と、そのうちの1人である川勝氏が嘆いたこともある。スピードに乗ったドリブル、相手をあざ笑うかのようなステップワーク、そして何よりも情熱がほとばしる表情。サッカーを知っていても知らなくても、観たもの全てを魅了するプレーヤー。それがカイオだ。
 2014シーズンに千葉国際高校から加入したカイオは、1年目にしてトニーニョ セレーゾ監督(当時)に抜擢され、リーグ戦では30試合に出場し8ゴールを記録した。そして臨んだ昨シーズンは32試合で10ゴール。デビュー2年目にしてそのゴール数を早や二桁とした。
 順風満帆ともいえるプロキャリアのスタートだが、本人はとうてい納得していない。「サッカー選手だったら、もちろん全試合フル出場したいと思っているはず」。そういうカイオだが体力的な面や戦術面を考慮され、石井現監督には先発起用されない時もある。「本人とは話し合って決めているので、納得してくれている」と石井監督がいえば、カイオも「チームの勝利のために監督が考えること。自分は従うのみ」という。だが、その本心はやはり違う。「オレが勝敗を決める」。誰よりもそう強く思う、背番号7。それなりのエゴイスティックさは名プレーヤーの資質の1つでもあるのだ。

 しかしチームの和を最優先に考えるのも、この男らしいところ。同級生のブエノとともに高校で学んだ日本語を流ちょうに操り、外国籍選手というよりも日本人の若手に近いという印象だ。誰とも分け隔てなく接する、その屈託ない性格と穏やかな物腰に惚れ込むスタッフも多い。だからこそ、クラブ全体がこの男の活躍、そして飛躍を期待する。「いつかは、世界の大舞台で活躍するプレーヤーに」。誰もがそう願っている。

 そのためには、まだまだ成長が必要だ。ドリブルと閃きは一級品。後は確実に決める決定力が欲しい。「放ったシュートが全部枠にいったら、もう日本にはいないね」。中田C.R.Oがそう語るように、伸びしろは限りなくある。本当に世界で輝くプレーヤーになるか、それとも"かつて有望視されていた選手"に終わるのかは本人次第だ。

 「献身的に戦い、そしてゴールに絡む。それが僕の仕事」。カシマの地で、今宵も背番号7の舞いと歓喜を。
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