広島戦の注目プレーヤーは、赤崎秀平!

「新しいアントラーズを築いていかなければならない」

 誰もが「今年はやってくれるはず」と太鼓判を押す背番号18はシーズン前、力強くそう決意表明した。今年で4年目。昨年のヤマザキナビスコカップ・ニューヒーロー賞受賞者としても飛躍が期待されているのが、赤崎秀平というプレーヤーだ。
 そして赤崎には今年、飛躍しなければいけない理由もある。シーズン前最後のプレシーズンマッチとなった水戸戦当日、赤崎はかねてから交際していた女性と入籍した。「新しい責任が生まれた」。人生の伴侶とするパートナーとともに歩むこれからの人生において、この2016シーズンは大切な節目となる。
 「入籍したから、というわけじゃないですが、早くゴールは決めておきたいですね。何か変なジンクスができそうで」。入籍発表後、シーズン開幕を控えて赤崎は努めて明るくそう語っていた。それからリーグ戦全5試合に先発出場、ヤマザキナビスコカップでも2試合に先発出場し、トータルで458分ピッチに立ちながら、いまだノーゴール。「変なジンクスにしたくはない」という気持ちが、赤崎からゴールへの嗅覚を奪ってしまったのか。

 それでも、赤崎の存在はチームにとって欠かせない。最終ラインで遠くの背番号18を見つめる昌子は、「前線からあれだけ相手を追ってくれるから、自分たちが楽になれる。もし相手のFWがあの勢いでチェイシングしてきたら、オレは困る(笑)」という。また前節のアウェイ川崎F戦ではチームのピンチに最終ラインまで戻って、決定的なクロスをブロックする動きを見せた。相棒の金崎は、「FWであそこまで戻れるのは、すごい。ゴールに値する動き」と絶賛し、選手会長の西は、「誰かと思ったら、まさかの秀平だった(笑)」と驚きを隠さない。それだけ赤崎の献身的なプレーは今、際立っている。

 大学時代、風間現川﨑F監督に「攻撃の動き出し、ステップはもの凄く細かく教えられたけど、守備に関しては何か教わったという記憶がない」という赤崎だが、アントラーズに入って最初に学んだことが、この献身性だろう。そして赤崎はトニーニョ セレーゾ前監督に「FWとして本当に基本的なことを改めて教えてもらい、鍛えられた」という。「色々なことを高いレベルで求められるのが、アントラーズのFW。全てできて、当たり前なのだと思います」と続ける赤崎は、要求される全てのことをこなしながら、ストライカーとしての本能をむき出しにする。それは、ゴールへの渇望だ。

 「僕らFW陣が点を取れば、チームが楽になる。チームを勝たせて、優勝させるFWになりたい。そのためにこのアントラーズに入った。僕らが新しいアントラーズを築く。それが使命なんです」。カシマを歓喜に導くゴールを。この広島戦で、赤崎秀平が求め、そしてサポーターが渇望するのはその瞬間だ。
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