2013年12月7日。カシマが泣いた初めての屈辱。
ホームでの広島戦というと、まだ3年前の出来事ではあるが、このゲームを思い出すサポーターも多いのではないだろうか。2013年12月7日。リーグ最終節で対戦相手が優勝という歓喜に酔いしれるのを眼前にしたゲームだ。
トニーニョ セレーゾ監督が8年ぶりに復帰し、土居、柴崎、昌子ら若手の育成とともにタイトル奪取を期待された2013シーズン。ヤマザキナビスコカップ、天皇杯をすでに落としていた鹿島にとって、僅かながら逆転優勝の可能性が残るリーグ最終節は非常に重要な意味を持っていた。対戦相手は同じく逆転優勝の可能性があり、リーグ2連覇を狙う広島。だが、ここ15年ホーム最終戦での負けはないだけに選手たちは自信を持って試合に臨んだ。
ゲームはどちらも勝ち点3だけを狙うだけに攻守の切り替えの早い展開となった。鹿島がこの日J1通算401試合目の出場となった小笠原と大きな成長を見せていた柴崎を中心にボールを支配しようとすれば、広島はイマジネーション豊かな高萩(現FCソウル)が攻撃を組み立てる。
何度かチャンスを得た鹿島だったが、35分、痛恨の先制点を献上する。中盤で小笠原がボールを奪われると、そこから高萩のノールックスルーパスを受けた石原に冷静に決められる。これで1点ビハインドを背負った鹿島はさらにプレスのタイミングを早め、同点に追いつくべく圧力を強める。
だが試合の行方は1つの判定で大きくその行き先を変えられてしまう。前半アディショナルタイム、相手選手から正当にボールを奪ったかに見えた大迫にこの日2枚目のイエローカードが宣告され、まさかの退場処分。キャプテンの小笠原が猛抗議を見せたが、判定が覆うわけはなかった。これで鹿島は1人少ない状況の中、勝利のため、戦うこととなった。
後半に入っても鹿島は攻めの手は緩めない。10人になりながらも先ずは同点に追いつくため、必死に戦ったが、広島ゴールを割ることができない。すると80分、前がかりになったところの裏を突かれ、石原に再びゴールを奪われた。
2失点を喫した鹿島は為す術もなく、眼前で広島の2連覇を見る屈辱的な結果に終わった。そして川崎F、C大阪が勝利したため、順位も3位から5位と落とし、現実的な目標でもあったACL出場権も失った。
試合後、リーグ3連覇の立役者の1人、岩政がチームを去ることとなっため、サポーターとともにセレモニーも実施されたが、「チームの世代交代のため」と自ら後輩たちに道を譲り、新天地へ旅立つことを決めた背番号3を心から祝うこともできなかった。
トニーニョ セレーゾ監督が8年ぶりに復帰し、土居、柴崎、昌子ら若手の育成とともにタイトル奪取を期待された2013シーズン。ヤマザキナビスコカップ、天皇杯をすでに落としていた鹿島にとって、僅かながら逆転優勝の可能性が残るリーグ最終節は非常に重要な意味を持っていた。対戦相手は同じく逆転優勝の可能性があり、リーグ2連覇を狙う広島。だが、ここ15年ホーム最終戦での負けはないだけに選手たちは自信を持って試合に臨んだ。


何度かチャンスを得た鹿島だったが、35分、痛恨の先制点を献上する。中盤で小笠原がボールを奪われると、そこから高萩のノールックスルーパスを受けた石原に冷静に決められる。これで1点ビハインドを背負った鹿島はさらにプレスのタイミングを早め、同点に追いつくべく圧力を強める。




2失点を喫した鹿島は為す術もなく、眼前で広島の2連覇を見る屈辱的な結果に終わった。そして川崎F、C大阪が勝利したため、順位も3位から5位と落とし、現実的な目標でもあったACL出場権も失った。
試合後、リーグ3連覇の立役者の1人、岩政がチームを去ることとなっため、サポーターとともにセレモニーも実施されたが、「チームの世代交代のため」と自ら後輩たちに道を譲り、新天地へ旅立つことを決めた背番号3を心から祝うこともできなかった。


あれから3年。セレーゾ監督が育て、岩政が叱咤激励していた若手選手たちはそれぞれ背番号を変えチームの中心となり、勝利のために戦っている。「優勝を目の前で見せつけられた、あの悔しさは一生心に残る」。広島の歓喜をベンチからにらみつける勢いで見つめていた柴崎は今でもそう語る。一生消えない悔しさを糧に、彼らは戦い続ける。週末のゲームも、その1つだ。
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