Jリーグ初年度から参加している「オリジナル10」であり、94年にはチャンピオンシップにも出場した広島との対戦だ。リーグ優勝7回で1位のアントラーズと3回で2位の広島。アントラーズのライバルとして強烈に存在感を発揮し始めたのは、2012年にリーグ初優勝を果たしてからだろう。対戦成績では大きくリードしているものの、直近4年間に限ると3勝3分2敗とほぼ互角の数字。昨年の2ndステージではアウェイで勝利を収めるものの、優勝をさらわれ勝ち点3差の2位に甘んじた。ホームで強さを見せつけておきたいところだ。
「相手が強ければ、強いほど闘志が燃え上がってくる」、それがアントラーズスピリットだ。J開幕時ではV川崎、2強時代の磐田など、ライバルと呼ばれたチームをホームに迎え撃つとき、アントラーズはそれまで以上の力を発揮してきた。特に注目される前年王者との対戦。勢いに乗る相手を叩くことで、誇りを取り戻し、自信をつける大きなきっかけとしてきた。この一番にかける想いが、15戦10勝という数字に表れている。
今回の広島戦で11,528人を超えると、リーグ戦ホームゲーム通算入場者数が700万人となる。93年に開幕してから積み重ねてきた700万という数字。これまでの区切りとなる試合では3勝1分2敗。勝率50.0%。歓喜をむかえた瞬間、ともに涙を流した瞬間、さまざまな光景がカシマサッカースタジアムに刻まれてきた。その瞬間を、延べ700万人と共有してきたともいえる。今後もアントラーズの戦いは続いていく。この数字をひとつの通過点として、今後もたくさんの感動を皆さんとともに共有していきたい。
ホームゲーム来場700万人突破がかかる広島戦、スタジアムでは「7」をフューチャーしたイベントが数多く開催される。アントラーズの「7」といえば、歴代の名プレーヤーが並ぶ。固定背番号以前ではアルシンドのイメージが強かったが、その後は相馬、新井場と左サイドバックのレジェンドが継承。2015年からはベストヤングプレーヤー賞を受賞したカイオに託された。デビューイヤーに2ゴールを決めた相性のいい広島を相手に「7」が躍動する。
広島戦のゴールといって、すぐに思い浮かぶのは2014年のホームゲーム、西大伍が決めた鮮やかなボレーシュートだろう。その年のJリーグ最優秀ゴール賞にも選ばれ、試合も5-1で完勝した。相性のよさでは4ゴールの小笠原満男が上回る。昨年もホーム広島戦でゴールを決めたが、このゴールがJ1リーグ17年連続ゴールという記録を生み出した。今年も決めればもちろん記録更新となる。キャプテンの大記録がホームで達成されることに期待したい。