今日の注目プレーヤーは、鈴木優磨！

「緊張することもなく、落ち着いて試合に入れた」

　1週間前のヤマザキナビスコカップ決勝を振り返って、鈴木優磨は事もなげに言う。ルーキーがファイナルの舞台に立つのは、アントラーズ史上5人目。大舞台でのプレーに臆するどころか「試合に出られる喜びを感じる」という若武者は、2点目のアシストを含め、鮮烈な活躍を見せた。

　試合前、優磨は半袖のウェアでウォーミングアップに臨もうとしていた。スタッフから「寒くないのか」と問われると「試合に向けて燃えているから、寒さなんて感じない」と、新人らしからぬ度胸を見せた。「緊張しないのは、もともとの性格」という19歳は、試合出場を重ねる日々の中、着実に成長している。そして、周囲の期待と信頼を集めている。

　本職はFWだが、G大阪戦ではサイドハーフとして起用された。優磨は「複数のポジションをこなせるのは自分の良さ。ポジションによってプレーは異なるけど、出場した時は慌てることなく、求められた仕事をやっていきたい」と、落ち着いて語っている。埼玉スタジアムで見せた力強いプレー、鮮やかで正確なサイドチェンジは、その能力の高さを裏付けるものだった。

　そんな器用さを持つ優磨だが、やはりストライカーとしての本能は隠さない。リーグでのG大阪戦、デビュー即初ゴールを決めた際には「初ゴールと勝ち点3を交換できるなら、ゴールなんていらない」と言葉を残した。求めるのは、自分のゴールでチームが勝つこと。1か月後、柏戦で劇的な決勝弾を決めた後には「点を取っても、試合に勝たなければFWは評価されないから」と充実の口調で語っていた。

「アントラーズの歴史に残る選手になりたい」と、優磨は言う。下部組織育ちの背番号34にとって、トップチームで紡ぐ物語は始まったばかりだ。途中出場の際には「スタメンで出ている選手よりも走ることを心掛けている。無駄だとは思わない」とのこと。労を惜しまずプレスをかけ、「犠牲心をもってプレーしないといけない」との言葉を体現してくれるだろう。

「優勝した次の試合で真価が問われると思う。何としても勝ちたい」。優磨は今日も、縦横無尽にピッチを走り回る。

試合前コメント

試合に臨む選手たちの意気込みは「試合前コメント」をご覧ください！