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 背番号8を纏う若武者が、その責任と矜持を示してみせた。前節の仙台戦、途中出場の土居が挙げた2ゴールで会心の逆転勝利を収め、4連勝を果たしたアントラーズ。そして今夜、連勝街道をさらに突き進む。J1 2nd 第8節、迎え撃つ相手はモンテディオ山形だ。

 勝利の余韻がまだ残る仙台戦翌日、石井監督は順天堂大学との練習試合を実施し、控えメンバーに実戦の場を与えた。豪雨の中、選手たちは必死にアピール。今節に向けた競争は、この時すでに始まっていた。「若い選手にもチャンスを与えたい」との言葉通り、指揮官はここまでに鈴木優磨や杉本をベンチ入りメンバーに抜擢している。「次は、自分が――」そんな思いが、切磋琢磨を促している。
 それから1日のオフを挟み、3日間の練習で準備を積んだ。連日のミーティング、そして実戦形式のトレーニングで連係の向上に努めた選手たち。本山は「試合のための練習をしっかりと積めている」と、手応えを語った。石井監督の就任から早1か月、活気に満ちた、激しいトレーニングの日々は、すっかり定着している。植田は「みんなが練習の時から、球際の争いで強く行けていて、それが試合の中でも出ている。これからも続けていければと思う」と、頷いていた。
 2週連続のホームゲームに向けて、石井監督は「まずは守備から。失点をしないことを第一に考えて臨む」と、繰り返し強調した。前節は不甲斐ないミスから2点を先行され、苦しい戦いを強いられた。「チームとして、点を取れるという自信や、前線への信頼感が出てきている」今だからこそ、守備の安定を期す。2試合ぶりのクリーンシートへ、90分間を通じて、集中力を切らしてはならない。
 今夜、対峙する山形は、ロングボールやセットプレーを特長とする相手だ。空中戦での競り合いやセカンドボールへの反応など、球際でのバトルが連発するだろう。石井監督の言う「闘う姿勢」を見せ、1つ1つのプレーで相手を上回ることで、試合を優位に進めていけるはずだ。日々のトレーニングの成果をしっかりと披露してほしい。
 アントラーズは前節終了時点でステージ首位に立った。だが、ACLとの兼ね合いで今節を2日前に消化した柏に、暫定ながらその座を奪われている。まだステージ前半戦、順位云々を言うには早いかもしれない。しかし、ひとたび足を踏み入れたならば、二度と譲りたくないのが首位という景色だ。

 首位奪回の条件は、勝つこと。ならば、やるだけだ。最高の週末を、今日も、カシマで。

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