今日の注目プレーヤーは、山村和也!

「アントラーズが結果を残してきたのは、選手間の激しい競争があったからだと思う。競争の中で、自分のポジションを勝ち取っていきたい」

 山村和也は、いつものように静かに、しかし決意に満ちた表情で語った。複数のポジションをこなせる能力を持ちながら、確固たる地位を確立できずにいた背番号4は、「自分の役割が明確になってきた」と、生きる道を定めつつある。最終ラインの前に君臨する、大型ボランチ。チームの舵取り役として、「試合の状況を見ながら、どこに重心を置くのかを考えてプレーしたい」と、意気込んでいる。
 前々節の広島戦、先発メンバーの中に、山村の名があった。当時の首位相手の大一番で、石井監督は就任後初めて、背番号4をピッチに送り出した。「まずは守備の安定を」というオーダーに応えた山村は、中盤のフィルター役として上々のパフォーマンスを見せた。自身は63分で交代となったが、1-0での勝利に大きく貢献。「勝てて良かった」と、安堵の表情を見せた。

 1か月前に就任した石井監督は、出場機会に恵まれずにくすぶっていた山村に、ボランチとしてのトレーニングを課した。「特長を出してほしい」。そのシンプルな言葉に、能力への信頼が透けて見える。柴崎や小笠原とは異なり、空中戦で抜群の強さを見せる山村。昌子は「ヤマくんがボランチに入って、ハイボールを競ってくれるのは助かる。センターバック2人がカバーに入ることができるから。それがメリットだし、後ろを安定させるという意味では、良いことだと思う」と、歓迎している。
  もちろん、ボランチに求められる役割は守備だけではない。長いストライドを生かして中盤から前へとボールを持ち出し、ここぞのタイミングで縦パスを打ち込む。広島戦では、「簡単なショートパスが少しズレてしまっていた。チームメートが受けやすいボール、もう少し気を使ったパスを出せればと思う」と、反省も口にしていた。この言葉通りに修正がなされた時、背番号4の輝きはより一層増すはずだ。
 加入4年目のシーズンを過ごす山村。1年目は23試合、2年目は30試合に出場したが、昨季は9試合・387分の出場にとどまった。今季のリーグ戦でも、7試合・345分しか、プレータイムを刻めていない。それでも、苦しい時間が続く中で、黙々と努力を続けてきた。

 そして今、逆襲の時が来た。「とにかく結果を出したい」。勝利だけを目指して、山村がアントラーズの舵を取る。

試合前コメント

試合に臨む選手たちの意気込みは「試合前コメント」をご覧ください!
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