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 シックス・ポインター。勝ち点6の価値を持つ直接対決を制したのは、アントラーズだった。雨の広島で気迫あふれる戦いを披露し、首位相手の大一番で勝ち点3を獲得。3連勝を果たし、今夜、ホームへ帰還する。J1 2nd 第7節、ベガルタ仙台との対戦だ。
 1-0と会心のクリーンシートを達成した広島戦は、我慢の戦いだった。放ったシュートはわずかに5本。相手にボールキープを許す時間が続く中で、選手たちは集中力を切らすことなく守備の約束事を徹底した。雨に濡れたピッチで激しいボディコンタクトの応酬となったが、アントラーズは最後まで闘い抜いた。

 セットプレーでの1ゴールを守り抜いた90分は、たびたび「アントラーズらしい」と形容される、したたかさと勝負強さを感じさせるものだった。「勝負にこだわるチームを復活させたい」。石井監督が就任時に語った抱負が、ピッチ上で形となって現れつつある。遠藤は試合後、「みんなが身体を張って闘えていた。切り替えも速かった」と手応えを掴んでいる様子で、「すぐに試合が来る。次も勝たないと意味がない」と、表情を引き締めた。
 今節へ向けた準備期間は3日間。石井監督は、試合2日前の14日に紅白戦を実施した。活気に満ちたグラウンドで、選手たちは日々、必死にアピールしている。赤崎は「今まではあまり試合に出ていなかったメンバーが結果を出すと、チームは勢いに乗ってくる。それを引き出しやすい雰囲気になっていると思う」と、自信を見せた。指揮官は広島戦で4人、鳥栖戦で3人と、それぞれ前節から先発メンバーを入れ替えている。今節はどんなキャスティングをするのか、楽しみにしたい。
 今夜の相手、仙台と言えば、野沢拓也の名を挙げないわけにはいかない。昨年8月1日の移籍発表から、はや1年。今季のリーグ戦では、23試合中21試合でピッチに立っている。今や仙台の攻撃の軸。選手たちも口々に「タクさんは精度の高いキックを持っている」と、警戒を語っていた。移籍後初めて、カシマスタジアムのピッチに立つ背番号8に、自由を与えてはならない。この天才を封じ込めた先に、4連勝が待っている。
 広島との大一番が重要だったことは言うまでもないが、その試合を制したからこそ、今夜の一戦が持つ意味は大きくなる。広島の夜に掴んだ勝ち点3に、真の価値を吹き込むために。アントラーズが、力強く連勝街道を突き進む。

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