2013年、J1第2節。挨拶代わりの2ゴール。

 穏やかな春の日差しが差し込み、開幕への期待感に満ちあふれたカシマスタジアム。2013年3月9日、J1第2節。新生アントラーズが、ホーム開幕戦に臨んだ。対するは、ベガルタ仙台。前年のリーグ戦を2位で終えた実力者を相手に、新たな背番号11が輝きを放った。
 2度目の就任となるトニーニョ セレーゾ監督の下、2013シーズンを迎えたアントラーズ。鳥栖との開幕戦を1-1のドローで終え、ホームでの第2節で初勝利を目指した。20℃を超える穏やかな陽気の下、14時4分にキックオフのホイッスルを聞いた。

 立ち上がりから、ボールポゼッション率を高めたのはアントラーズだった。柴崎と小笠原の両ボランチ、そして2年ぶりに復帰した野沢を中心に、仙台を押し込んでいった。
 そして、待望のゴールは29分に生まれた。ジュニーニョがドリブル突破からシュートを放つと、クロスバーを直撃したボールがペナルティーエリア右手前へこぼれる。ボールを拾った野沢がシュートを放つと、相手DFに当たってコースが変わり、ダヴィのもとへと向かっていく。背番号11はすかさず体勢を整え、次の刹那、飛び込んだ。ダイビングヘッドがゴールネットを揺らし、カシマスタジアムが歓喜に包まれた。

 さらに、2-1で迎えた後半立ち上がり、ダヴィは再びゴールネットを揺らす。右サイド深くの野沢から送られたグラウンダーのクロスにいち早く反応し、ニアサイドに走り込んでボールをプッシュ。ゴールを見届けたダヴィは、看板を飛び越えてホームのゴール裏の真下まで駆け寄った。ガッツポーズを繰り返す姿に、アントラーズサポーターは歓喜と祝福の声を届けた。
 ホーム開幕戦で、移籍後初ゴールを含む2発。さすらいのストライカーが挨拶代わりの活躍で、チームを勝利に導いた。新たな背番号11は、サポーターの心をガッチリと掴んだ。
 あれから2年5か月。ダヴィはアントラーズのユニフォームを纏い、リーグ戦通算で20のゴールを記録している。ただ、去年10月に見舞われた大ケガ以来、ストライカーとしての時間は止まったままだ。7月11日の新潟戦で復帰を果たしてから、まだゴールは生まれていない。

 ならば今夜、あの日のように。復帰後初ゴールで、再びカシマスタジアムに歓喜をもたらしてほしい。アントラーズファミリー全員が、その時を待っている。

スタッフダイアリー

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